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高血圧の原因を理解し、適正な食事や生活を心がけよう

高血圧①

人は高齢になるほど高血圧の人が増えてきます。ところがその一方で、高齢者の高血圧には様々な特徴がある事をご存知でしょうか。

「高齢なので仕方ない」と放置し日常のちょっとした対策を取らずにいると、脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気を引き起こすことにも繋がってしまいます。

今回は高齢者がなりやすい高血圧の特徴や原因、食事療法についてお伝えしていきます。


1)高血圧とは

高血圧とは、病院や健診施設などで測定した血圧値が収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上の状態が継続する事であり、高齢者の場合は特に収縮期血圧が上昇する傾向にあります。

高齢者が高血圧になりやすい原因として、加齢によって血管の弾力性が失われることにあります。老化により血管の弾力性が弱くなると血流が悪くなります。

また、高齢者の高血圧の特徴は、季節や温度による血圧の変動が大きい事や血圧が高いのに対して脳の血流量が十分でない事です。
めまいや立ち眩み、脳梗塞を起こしやすくなったりするため注意が必要です。

高血圧は自覚症状がほとんどないため、日常的な血圧測定によって毎日の血圧を把握する事が重要な対策となります。


2)高血圧と食事療法のポイント

高血圧②

【適正なカロリー摂取】

高血圧は生活習慣が大きく影響します。肥満により内臓脂肪が増加すると高血圧を始めとした生活習慣病を引き起こすので体重をコントロールするためにも適正なカロリーを摂取します。

【減塩(目標量1日食塩6g未満)】

食生活の中でも、まず見直したいのが塩分の摂取量です。減塩による降圧効果には個人差がありますが、世界的に見ても日本人は塩分をとりすぎている傾向があるので、まず減塩を心がける事が大切です。

日本高血圧学会のガイドラインでは、1日あたりの塩分摂取量の目標を「6g未満」と設定していますが、同時に「より少なくすることが理想」ともしています。

減塩のコツは、うまみ・香り・酸味などを利用して調味料の使用量を減らす事です。だしを生かした調理法や香味野菜、酢やかんきつ類・香辛料などを使用するとメリハリのある料理になります。

汁物は毎食摂ると塩分の摂り過ぎになります。1日1回にし、塩分の摂取を控えます。味噌は発酵食品で健康にも良いので、味噌汁は具沢山にしてだしを利かせ味噌の分量を減らす工夫をしましょう。

【食物繊維やカリウムの摂取】

野菜や果物、きのこ類、海藻類、イモ類に含まれる食物繊維やカリウムは血圧の上昇を抑えます

【調理の手順を変える】

本来は下味をつけてから調理をしますが、出来上がり寸前か調理直後に味付けをすると味がぼけず舌でしっかりと味を感じられるため、下味をするよりも少量の調味料でおいしくいただけます。

また、和え物やサラダなども調味料をかけておくと水分が出てきてしまい味が薄くなってしまいます。調味料は食べる直前にかける事で使用量が減らせます。

温野菜は熱いうちにドレッシングをかけると、少量の調味料でもしっかり味がしみこみ、冷めてもおいしいです。

3)まとめ

高齢者がなりやすい高血圧の特徴や原因、食事療法についてお伝えしました。高血圧は自覚症状がほとんどないので病院だけではなく定期的な自宅での測定が大切です。

「減塩料理=薄味でまずい」という印象を持ってしまいがちですが、味を薄めすぎず塩分自体を控えても代わりに様々な味が際立ち、別のおいしさを味わうきっかけになります

食生活全体に言える事は、食べ過ぎ・飲み過ぎを見直し、肥満を解消する事が大切です。減量による効果には個人差がありますが、肥満体型の方は一般的に体重を4~5㎏落とすと血圧を低下させる効果が見られます。

日頃の予防に加え、適正な体重を維持できるよう生活習慣を整えていきましょう。

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野口久美子(のぐちくみこ)
兵庫県生まれ神奈川県在住。
管理栄養士を取得した後、デイサービスと保育園の複合施設で献立作成や調理、食品メーカーでデザート開発を経験し独立。
現在はフリーランスとしてダイエットサポートやコラム執筆などで活動中です。趣味はスポーツで最近はキックボクシングにはまっています。

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