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学生起業からの5年間を振り返って思うこと

みなさん、年末いかがお過ごしでしょうか?

Milk.株式会社の中矢大輝です。

あっという間に起業から5年という月日が過ぎ去ってしまい、この5年間でも本当にたくさんの経験と学びをいただきました。
備忘録として、この5年間で変わった認識とこれからの決意をここで述べておこうと思います。
あとから見ると恥ずかしいだろうなと思いつつ、これから起業される方などに何か参考になることがありましたら持って帰ってくだされば嬉しいです(笑)


この5年間で経験したこと

この5年間で経験した大きな出来事にタイトルをつけるとこんな感じです。

●100件以上の講演とピッチイベントへの参加
●恩師の他界と事業継承
●自社ECの立ち上げと失敗
●精神疾患を抱えた社員のフォローと離職
●外国人採用とパートナーシップ
●投資詐欺との戦い
●六本木流血事件
●国連プロジェクトへの参画
●元株主との裁判
●大学院大学への入学と博士号への挑戦
●大型助成金採択という罠
●大手企業とのアライアンスと提携解消
●台湾パートナーシップの構築
・・・

まだまだ生々しくてお話できないことが多くありますが、私の人生にとって本当に中身の濃い5年間でした。時間の経過とともに機会を見て少しずつお話できたらと思います!本当に貴重な経験をさせていただきました。

このような経験を経て得られた学びのうち、特に印象的だった3つの学びを今日はご紹介しようと思います。

5年間の学び① 「人は大きく変わらない」

「なんだかネガティブな発言だなぁ」と思われるかもしれませんが、そうではありません。
適材適所という言葉があるように「人の個性や傾向性を生かす」ことの重要性を強く実感したというお話です。

「人を変えようとする」意識は非常に重要だと思っています。弊社では大企業からスタートアップへの複業留学も受け入れており、毎年、大手企業出身の方々に数名ずつ3~6ヶ月にわたって参画いただいています。この効果は絶大で、弊社の事業のファンになってくださって、大手企業との関係構築に一役買っていただける方もいらっしゃったり、社内のメンバーはほとんど社会経験が少ない若手が中心なので、大手企業の内情などを教えていただける機会は一般的な社内研修の何倍も効果があるように感じています。

この複業留学の参加者の方々の中には留学を終えたあとも、正式な複業として弊社に関わって下さっている方もいらっしゃいます。

この複業留学の中で最も成果を挙げてくださったのは、ある4人の方を同時に受け入れて、チームとして留学をしていただいていたときでした。銀行、放送局、保険会社、そして製薬企業からそれぞれ参加してもらっていたのですが、MBAも取得されている保険会社のFさんがリーダーを務め、新規事業開発をしている製薬会社のKさんと一緒にプロジェクト憲章などの新規事業の大枠をあっという間に固め、数字が得意な銀行マンのTさんが事業計画の詰めをしつつ、技術に詳しい放送局のIさんが技術的な実現可能性を補足するという役割分担でした。実に見事なチームワークと役割分担で、3ヶ月でつくったとは思えない立派な成果を挙げてくださいました。

逆にあまり成果の上がらなかったチームは、1人のリーダー役が平等にタスクをメンバーに振り分け、個々人の能力を無視したプロジェクト推進をしていたときです。この結果、他のメンバーとの競争が生まれ、比較された際にタスクの進捗が遅れたメンバーは「自分は組織に貢献できていない」という感覚を抱いてしまい参画意識が薄れてきたり、「やりたいことをさせてもらえない」という不満から仲間割れが起きるということもありました。

やはり組織運営上、前提としなければならない考え方として、人間の根本的な性質や性格は大きく変わらないということです。いきなり大雑把な方が細やかな性格になったり、人見知りの方が社交的になることは非常に稀であって、5年とか10年というスパンでゆっくりと変わっていくことを期待しつつも、会社経営という観点では現時点でのその方の個性と能力を生かした配置と役職に据えることが重要であることを実感しています。

5年間の学び② 「報連相は大事。行動はもっと大事。」

これも誤解を招きやすいかもしれませんが、報告・連絡・相談の「報連相」は社会人としての基礎ということで非常に重要視されていますし、実際に私の会社でも何度も話をしています。

もちろん報連相の結果として生まれる信頼関係があってこそ、複数人で進めていくプロジェクトが円滑に進むわけであり、その重要性には疑いの余地はありません!

しかしながら、報連相を意識しすぎるあまり肝心の成果に直結する行動量を制限してしまうことが度々ありました。
あくまで経営者として成果を出すことが至上命題であり、リーダーとしての絶対条件です。

創業期に限ってのお話ですが、事前報告と事後報告の割合は2:8くらいにして、行動と実践を重視すべきだと思います。

特に大きな企業や行政、自治体との仕事の際には意識すると良いと思います。

もちろん報連相が少ないと周りからの抵抗は強くなりますので、バランスはご自身で調整ください。(笑)

5年間の学び③ 「混沌をつくり出す」

「破壊からの創造」という言葉もありますが、人間の創造力が発揮される場面、人格陶冶がすすむ場面というのは混沌にあると実感しています。

経営者は常に完成を目指して固まっていく組織を崩して再構築させることによって組織の新陳代謝を促す役割に徹する必要があると思います。

どんな人でも同じ場所で、同じ時間帯で、同じ役割を続けているとマンネリ化してしまい、成長が止まってしまいます。これは組織レベルでもあてはまる現象で、一定レベルの人材の入れ替わりや、社内規定の改定などがなければ、柔軟性が失われ、活性が失われていきます。

オートファジーという言葉をご存知でしょうか?
これは生き物としての最小単位と言われる「細胞」が、自らの内部のさまざまな構成物質を自ら分解し、再構築することで、正常な状態を動的に保っている機構のことを指しています。もっとわかりやすく言えば、買ってきた自動車を分解して、組み立てなおすということを毎日行うことによって、自動車が何年たっても動き続けるようにメンテナンスしているというイメージです。37兆個の細胞で構成されている我々の身体の1つ1つの細胞で実は毎日この分解と再生成が行われているんです。つまり、身体は毎日変化していないようで、毎日根本から生まれ変わっているということになります。

このように、経営者としては変化を組織内に起こし続ける必要があると実感しています。

これから5年間の決意 「科学実業家としての成功」

実は、最近となって役職名を代表取締役兼チーフサイエンティストという名前に変更することを決めました。
まだまだ科学者としても実業家としても実績は少ないかもしれませんが、「そうなっていきたい」という決意も込めております。

私は35歳までは下積み時代と考えていまして、まずは今執筆している博士論文を完成させて、博士号の取得をし、その後、実業家としても着実に億単位の利益を上げる事業を立ち上げることを目標に活動しております。

21歳のころに志を立ててからすでに10年が経過しました。現実は想定以上に厳しく、思ったように華々しい前進はできていません。しかし、絶対にあきらめることなく、独立不羈の精神で1日1日を積み重ねてまいります。

これまでの人生を支えてくださった両親をはじめとするすべての方々に深く感謝申し上げます。そして、今後のMilk.株式会社の飛躍にご期待いただけますと幸いです。

これからもどうぞよろしくお願いいたします!

思った以上に長文となってしまいましたが、最後まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました!!


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