ノーコード生成AIプラットフォームとは。BedrockとDifyを使ってみました!
こんにちは。MILIZEのイノベーション開発部でPMを担当させていただいているRitaです。
生成AIを一から勉強し始める方も多くいらっしゃると思いますが、その中で技術に詳しくない、どこから始めればいいのかわからなくて、いろんな不安を持っている方もいらっしゃるのではと思います。
今回は私のように、技術背景がなくても生成AIの強みを理解して活用していきたい方々に、ユーザー視点でノーコード生成AIプラットフォームを簡単に紹介します。
主に初心者向けの内容となっております。
また、このようなテーマに関して定期的に勉強会を開催していますので、関心を持っている方はぜひご参加いただけますと幸いです。
生成AIとは
初めに、生成AIは何かについて簡単に説明すると、大量なデータをAI(人工知能)に学習させて、そこから新しいコンテンツを作り出す技術のことを指します。
近年ではテキストだけに止まらず、画像、音声、動画なども、まるで人間が作ったようなコンテンツも、生成AIにお願いして作らせることもできるようになりました。
【このように考えてみましょう】
上記の説明だけ読むと、抽象度高いと思うかもしれませんので、もう少し身近な例で説明します。
人で例えると、小さい頃から学校に通って、いろんな知識を獲得して、一定の程度に積み上げてきたら、自分が考案した新しいアイデアを生み出して、作文や絵などの形で他の人が鑑賞、活用できるようなコンテンツを作り出します。
生成AIもまさに同じようなプロセスを経て、最終的に要求された通りコンテンツを作り出しています。
特に最近よくChatGPTを耳にすることもあると思いますが、生成AIの中で一番幅広く使われていると言っても過言ではないほど、生成AIが人類に影響を与え始めています。
ノーコード生成AIプラットフォームとは
生成AIの概念を理解したら、早速ノーコード生成AIプラットフォームについて説明したいと思います。
皆様は、もし自分でも生成AIを作ることができたら面白いのではないか?と思ったことはありませんか?
ノーコード生成AIプラットフォームは、まさに非エンジニアの方々向け、コード書かなくても、ユースケースとデータさえ持っていれば、WebUIで生成AIアプリケーションを構築することが可能になります。
【このように考えてみましょう】
イメージしにくいかもしれませんので、ここでは一回ゲームのキャラクターを作る感覚で考えてみましょう。
ゲームの一番最初には何かしらの目標(魔王を倒す)があり、その目標を達成するためにどのようなキャラクターが必要かを考え、そこから主人公の職業、能力値などを設定する流れになるかと思います。初期値を設定することによって、ゲーム背後の仕組みで最適化された主人公が作られ、目標達成に向けていろんな戦いに挑んで、経験を積んで、最強なキャラクターになっていきます。
ビジネスシーンに戻ると、最初にビジネス目標(ユースケース)を設定し、ゴール達成のためのAIアプリ(キャラクター)を作り、繰り返してデータをAIアプリに学習させること(戦い)によって、ゴール達成したかの検証をひたすら繰り返していきます。
ノーコード生成AIプラットフォームはこの過程において、まさにゲームのキャラクター作りの部分を担っている役割です。
Amazon Bedrock
ノーコード生成AIプラットフォームの概念を理解したところ、実際に市場に展開されている二つのサービスを紹介したいと思います。
一つ目は、Amazon Bedrockです。
https://aws.amazon.com/jp/bedrock/
2023年9月下旬頃から提供されているAWSの生成AIアプリケーションサービスで、様々な生成AIの基盤モデルが提供されて、用途に応じて最適なモデルを選択し、ビジネスゴール達成の仮説検証を早く繰り返すことができます。
【サービス特徴】
Amazon Bedrockの特徴については以下でまとめてみました。
様々な基盤モデルをサーバーレスで提供する
自前のデータを使用してカスタマイズしたAIアプリケーションを作れる
Webアプリケーションに生成AIを組み込みたい場合、一つのAPIを通じて呼び出すことが可能
その中でデータを使用してカスタマイズしたAIアプリを作り出す部分について、Bedrockのナレッジベース機能を使って、独自データを学習させて、より正確な回答をAIから出してもらうことが可能になります。
手順としては以下のように大まかに整理してみました。
AWS上でS3バケットを作成
S3バケットに独自データをアップロードする
Amazon Bedrockでナレッジベースを作成し、データソースはS3を参照するように設定
ナレッジベースをテストする
他にも色々細かい設定値がありますが、全体の流れとしては上記の手順を踏まえて設定してみたらテストすることが可能になります。わりとAIの仕組みに詳しくなくても簡単に作成することができます。
【実際に使ってみた感想】
「FP専門家チャットボット」のアプリを作る想定で実際にBedrockを利用してみたところ、データを学習させる前と学習させる後、同じ質問に対しての回答の精度が異なります。業界特有の専門用語や専門知識はやはりデータ学習後のAIの方がより専門家的な応答が返ってきました。
また、学習させるコストがかなり低く(学習データをアップロードするだけで)、いろんなシーンで活用できるのではないかと思いました。
ユーザーとして使ってみた感想としては、画面でぽちぽち選択することだけで、かなり簡単にカスタマイズAIを作ることができました。ユースケースさえあれば、PM的な視点でいろんな仮説検証を開発を待たなくてもすぐに実験することができます。例えば顧客に資産運用のアドバイスを提供するチャットボットや、お金の診断、相談をサポートするチャットボットなど、このようなニーズを満たすための検証をBedrockを使って素早くできるような気がします。
その他にもプレイグラウンドやモデル評価などの機能があり、アプリ開発に組み込む生成AIの可能性は無限大であることを感じました。
Dify
二つ目に紹介したい生成AIプラットフォームはDifyです。
Difyは、Bedrockと似たような、いろんなAIモデルを搭載したオープンソース
のAIアプリ開発プラットフォームです。
【サービス特徴】
Difyの特徴については以下でまとめてみました。
直感的なUIでノーコードでAIアプリケーションを構築できる
多数のテンプレートを備えている
オープンソースにより機能の追加などが可能
他にも音声とテキスト間の変換などの機能を搭載していて、ノーコードツールとしてUIはかなり直感的で、プログラミングの知識がなくてもAIアプリケーションを作れる点においては、ユーザビリティーは高いと感じます。
【実際に使ってみた感想】
「人生設計の専門家チャットボット」をテーマにしたAIアプリを作る想定で実際にDifyを利用してみました。
一番最初に画面上では主に四つのメニューがあります。
探索
スタジオ
ナレッジ
ツール
その中のスタジオでは、「アプリを最初から作成する」と「テンプレートから作成」の2種類があります。
「アプリを最初から作成する」を押下し、名前と説明を入力すれば、画面遷移で新しいアプリが作成され、その後画面上で各設定項目を一つ一つ設定していければ、カスタマイズされたアプリを簡単に作成することができます。特にUI上でわかりやすいのは、最大4個のモデルを同時に設定することができ、一つの質問を投げたとき、4個のモデルそれぞれ設定値に基づいて応答してくれます。画面上では回答が並べられて表示されますので、各モデルの回答の精度を簡単に比較することができます。
また、「テンプレートから作成」では多数のテンプレートがあり、例えばYoutubeチャンネルを分析するチャットボットを作成し、分析したいチャンネルと分析してほしい内容をAIに投げたら、AIがYoutubeのデータを取得し分析し始めます。
ユースケースに関してアイデアがないときはまずテンプレートから選択することでヒントを得るのも一つのいい方法かもしれません。
Difyの公式マニュアルには各機能の使い方を詳しく記載してありますので、使ってみたい方はこちらのマニュアルを参考しながら操作してみるのもいいかもしれません。
また、このような内容についてLTでの登壇してお話します。終了後に懇親会もありますので、ぜひお気軽にご参加いただきディスカッションしましょう。
金融業界においてのAI活用
MILIZEではすでにAIを取り組んでいろんな金融シーンのニーズに応じてサービスを提供しております。
生成AIにおける業務活用に興味を持っている方は、ぜひお気軽にコンタクトフォームまでご連絡ください。