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インターン生が当社アートディレクターの頭の中を覗いてみた

今回取材させていただくのは、Miletos株式会社がSAPPHIRE以前のプロダクトを開発していた頃からロゴなどのデザインを担当されている、アートディレクターの金子大悟さんです。

今まではフリーランスのメンバーとして参画されていましたが、この11月から正式に社員として全面的にデザイン周りを担当されています。過去のものもこれからのものも、当社のデザインで目にするもの、ほぼすべてが金子さんの作品です。

当社ウェブサイトを見ていただいても分かる通り、彼のデザインは細部を見ればみるほど「凝っているな」という印象を受けます。ちなみにその一つがこちら↓

(シンプルに見えるけど、細部のディテールがすごいっす...)

そんな彼に、なぜデザインの道に進んだのか、金子流デザインの生み出し方、そしてかっこいいデザインと売れるデザインの違いについてお話を聞くことができました。

帽子屋さん、ゲーム会社でのグラフィックデザイン、etc... デザインに進んだ理由

山根:いつも新しい作品と細部に込めるメッセージをワクワクしながら拝見させていただいています、本日はよろしくお願いします!

金子さん(以下金子):よろしくお願いします!

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金子大悟 かねこ だいご
1981年生まれ。服飾専門学校を卒業後、帽子デザイナーとなる。その後グラフィックデザイナーへ転身し、2010年よりフリーランスに。イラストレーション、グラフィックデザインを中心に活動。2014年よりSTUDIO LEMON DENCHIとして活動。2017年よりフリーランスのDesignerとしてMiletos株式会社に参画。2020年11月より同社Director of Art として正式参画。

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山根:早速なのですが、冒頭でも紹介させていただいた通り、金子さんのデザインは細部までこだわりがあるなという印象を個人的に持っています。細やかな所のこだわりや、デザインに意味を持たせる上での原点はあったりするのでしょうか?

金子:一つは元々本が好きだというのもあって、ストーリーや意味が形、表情をまとって出てくるのが好きで。

もう一つはフリーランスになってから関わってきた先輩が、デザインの細かいところまで意味を持たせようとしていたので、その影響もあるかもしれないですね。

山根:昔からデザインの道を目指されていたのですか?

金子:そうですね。実は両親が二人ともデザイナーで、母が帽子のデザインを、父が建築系のデザインをしていたので、家庭の環境が大きいです。

あと小さい頃からミシンを触るのが好きで、物心着いた時から袋を作ったりしていたんですよ。そんな経験もあってか、服飾関係の専門学校に進みました。就職も最初は帽子屋さんにしています。

(今そんな服関係の仕事をやっていない気が...? )

山根:あれ?でも現在は服以外の分野にも手を広げられていますよね?

金子:学生時代はオートクチュールを専攻していて、一つのことを追求する職人的なものに憧れていたんですけどね。いままで色々なことを頼まれて、断らなかった結果気がついたら幅広くやっていましたね。

山根:ちなみに今まで経験されたお仕事について伺ってもいいですか?

金子:帽子から始まり、テレビ番組の美術に参加したり、ダーツゲームの筐体のモーショングラフィックとかもやりましたし、グッズの作成、今Miletosでやっているロゴやウェブのデザインなど様々です。

山根:めちゃめちゃ手広げてますね...

金子:結果的に色んな事知れたなというのはあるので後悔はないです笑

山根:それだけ色々なことを経験されているわけですが、共通して一番大切にしていることはありますか?

金子:基本的にはプロジェクトや人の想いが十分にデザインとして出てくるのが重要なのかなと思っています。なのでコミュニケーションはとても大切にしていますね。

山根:人の想いがデザインに現れるって、かなり難しいように聞こえるのですが、表現の手法を確立されていたりするんですか?

金子:作るものにもよるのですが、これが永遠の悩みで。

例えば動画やテレビのデザインだったら脚本などを読み込めば、ある程度の方向性を理解することができるので、それに沿ったものを作ることはできます。

けど、ロゴを作る、みたいに「全く新しいものをゼロから作る作業」となると、相手の想いと自分の考えていることが一致しているか最初は絶対わからないじゃないですか。

金子:なので「これじゃない」みたいな時ってやっぱりあるんですよ。その違和感を形にして解決していく上で、いかにその人に合ったコミュニケーションを取れるかがかなり重要だと思っています。

山根:なるほど、ということは人それぞれアプローチを変える必要がありそうですね。

金子:はい、コミュニケーションの仕方って人それぞれたくさんありますよね。実際に「これ完全に失敗したな」みたいなことも何度かありました。

山根:差し支えなければ大悟さんの苦手なシーンについて伺ってもいいですか?

金子:例えば、僕の中で一番難しい時って、「お任せします」って言われたとき。これすなわち、「一発で決めないといけない」なんですよね。また、そこに何か驚きの要素を盛り込んで予想を超えないといけないプレッシャーもあって。

僕としては、相手の想いをデザインに反映させたいので、「この人何を求めているのかな」と探ってしまいたくなるんですよ。そこは難しいですね。

山根:一発で汲み取って形にするのは難しそうですね...

金子:ただその分、一発でオッケーが出た時は嬉しいです。先方から「あーこれこれ!」みたいに言って頂けて、打ち合わせがすぐ終わる時は気持ちいいですね。

(分かる、わかるぞその気持ち...!)


山根:自分も記事のチェックを頂くのでその感覚分かります!反対に、うまくいく際に共通していることはありますか?

金子:やはりコミュニケーションが多く取れる人とはうまくいった経験が多いです。あとダメ出ししていただける方はありがたいですね。完成に近づくので。

山根:自分はダメだしされると結構へこんでしまうのですが、特に苦ではないということですか?

金子:その間に意識が近づいて精度も上がるので、ある種コミュニケーションを合わせていく作業かなと思えばそこまでストレスフルじゃないなって最近思うようになりました。

山根:そのマインドセットは見習いたいです...!

「かっこいい」デザインと「売れる」デザイン

山根:ちなみに、いままで仕事としてのデザインについてお伺いしてきましたが、大悟さんがデザイナーとして、個人的に考えるかっこいいデザインの定義ってありますか?

金子:うーん。人それぞれではあると思うんですけど、歴史をふりかえると基準はあると思っています。

やはり、先人が積み上げてきたものの上にあり、且つちゃんと現実で機能する力を持っていて、さらに革新的なものが乗っかっていればすごいな、と思いますね。

山根:かなり条件があるんですね。もう少し詳しくお願いできますか?

金子:モダニズム以降のデザインは、還元的な発想に基づいた精度の向上とそのコントロールが基礎となっていると思います。

そこへ、その時々の様々なカルチャー入ってきたりと、かっこいいと思わせる各要素もいくつかに増えて行きますが、最終的にはそれが形としても意味としても統一感を持って現れたときには「かっこいい」となるんじゃないでしょうか。

山根:歴史を踏襲しつつも、革新的な何かを持っているものがかっこいいのではないかと、そういうことですね。

金子:とはいえ一般論で「かっこいい」がどういうものかは分からないですけどね。全然使えないのに個人的にはかっこいいと思うものもありますし、でもある人が見ると全く別の意見があったり。

かつてはアカデミックな世界が力を持っていたり、それに反対する勢力がいたりと、ある程度割り切れていた部分はあると思うんですが、現代は複雑ですよね。

山根:確かに。

金子:逆に、売れるデザインというのは明確にあります。

山根:「かっこいいから売れる」では一概にないということですか?

金子:はい。売るものにもよると思うのですが、例えばドン・キホーテの手書きのPOPは安そう、みたいな印象を与えるようにデザインされていて、安く多く売りたいのであればあのスタイルは理にかなっていると思うんですよ。

あとはウェブ広告のバナーはクリックすれば収益が上がるじゃないですか。なので、かっこいいデザインで魅せるというよりかは、欲求に訴えるデザインになりがちだと思っていて。

山根:確かに。考えてみれば売るための広告ですものね。

金子:誤解のないように言っておくと、自分はドン・キホーテのPOPにはいつも感心しています。あれを手書きでクオリティを保ちつつ、描き続けている人はだれなんだろうといつも思っています。

ただ、デザインをやっているとおそらく、デザインに携わっていない人よりかはそこを実感してしまっていると思うのです。つまり、かっこいいデザインと売れるデザインは同義ではないという。

デザイナーとしては悲しいけど、現実なんですよね。

(かっこいいと売れるがイコールじゃないって、悩ましい...)

「アートディレクター」と「デザイナー」、これからの展望

山根:最後に、11月から当社の「デザイナー」から「アートディレクター」になられたということで、何か理由があればお願いしたいです。

金子:実はここ1~2年、デザイナーをこのまま続けるつもりはなくなってきていて、アートの道へ進みたいという気持ちが強くなってきていました。
なので肩書きがDirector of Art なのはすごく意味があって、経営陣の方々から「デザインではなくてアートをお願いします」と言って頂けて、想いが合致したというのもあります。

山根:肩書きがデザイナーではないのはそういった理由でしたか!
...ちなみに、初歩的な質問で恐縮なのですが、デザインとアートの違いって何ですか?

金子:デザインとアートの違いは非常に面倒な部分があって、一括りには言えないです笑 でも明確に違う部分は、アートは意味や形態がどこか一方へ機能しなくてもいい、矛盾をはらんでいることすらある、といったところでしょうか。

例えば「前に進まない車」をデザインしたとしても、それがいいデザインとは言い難いですが、アートだと果たして…?みたいな差はあるのかなと。
あと、やはりアートにも歴史があり…といったところは長くなるのでやめますが、それぞれ人間との関わり合い方に大きな差があるように思います。


山根:なるほど、線引きが難しいトピックですね... ただ、ということはアートディレクターとしての金子さんは、今までより広い視点で自分の思い描く世界を表現できる、ということですよね?

金子:そうですね、自分の考えていることを割と自由に表現できるのかな、という気はしていますが、それとともになぜ「アート」なのかというところはしっかり考えていくべきところかと感じています。

今までは割と真面目というか、外部の人間という意識も多少あって、その時々、各要素がきちっと伝わるようにとか、体裁として外さないものをやって行かなくてはいう気持ちがあったので。

山根:フリーランスで、「デザイナー」としてMiletosに参画されていた時ですね。

金子:はい、Director of Art としてMiletosへ参加させていただく事が決まってからは、自分の中で以前よりは長いスパンで物事を考えられるようになったので、シリーズ化してストーリーを様々な方向へちりばめていくとか、そういうことができるようになるなと。

山根:ではDirector of Artとして目指す姿があればお願いします!

金子:まず一つはMiletosらしいアートディレクションをする、それでいて企業価値が高まるものを目指したいと思っています。自分としてもこれからやるべきことはたくさんあると思うのですが、内部で醸成されたカルチャーをデザインとして表現して形にしていくことも自分の役割のひとつなのかな。


山根:どのように仕上がるのか楽しみです!ちなみに、Miletos以外で何かやりたいことはありますか?

金子:それ以外では、画家を目指したいです。作品を作って自分で展示して… どんなものになるかはまだわかりませんが、何らかの作品を作る人になっていたいですね。

山根:また新しいことに挑戦を!

金子:授業中落書きしている時間の方が長かったくらい絵は好きなので、原点回帰ですかね。独学ですが、今はデザインではない部分に憧れがあります。

山根:ゆくゆくは自分のために、ということですね。

金子:自分のプロジェクトをやりたい想いはすごくありますね。

山根:それは応援します!その時はまた記事を書かせてください!
本日は以上になります、ありがとうございました!

まとめ

金子さんの記事、いかがだったでしょうか?芸術に生きる方を取材させていただいたのは初めてなのですが、自分にはない、独自の視点から物事に切り込んでいく姿は新たな気づきがたくさんあり、新鮮でした。

金子さんのデザインを見たい方、是非金子さんのウェブページや、当社ウェブページを覗いてみてください!

最後に、金子さんの魅力をまとめて終わりにしたいと思います。

・細部にも妥協を許さないストイックさ
・何にでも取り組める挑戦心
・独自の切り口から物事を見る視点

次回は、声優でマッスルバーの店員、そしてMiletosのメンバーである伊東和志さんに取材をさせていただく予定です。こうご期待!

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Miletos株式会社についての情報を発信しています!現在、経費業務DXプラットフォーム"SAPPHIRE"を中心に事業展開中です。