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資金繰り管理のポイント③(学習塾)

みなさんこんにちは、株式会社HIFASです。

第三回は「学習塾」にフォーカスして資金繰り管理のポイントについて書きたいと思います。

学習塾は、一般的には教室に生徒が週に何回か通って授業を受けます。
受験のための進学塾もあれば、英会話やプログラミングなど習い事に近いものまで多岐にわたり、集団受講もあれば個別指導塾など形態は様々です。

では、学習塾の資金繰り管理を念頭に置いたポイントを見ていきましょう。
まず、収入には以下のようなものがあります。

・入会金
・毎月の受講料
・夏期冬期などの特別講習受講料
・教材費

そして、学習塾で欠かせない支出は次の2点です。

・教室の賃料
・講師の人件費

一番大きな割合を占めるのが、この賃料と人件費です。
賃料・人件費は2大固定費といっても良いくらい資金繰りには重要な要素となります。

したがって、たとえば講師人件費をコマごとに報酬を払うような変動費的な扱いをすることができれば、資金繰りの面ではプラスになるかもしれません。
しかし塾経営の視点では、そのような流動的な報酬の支払い方は講師の確保という点でリスクも伴います。

固定費が高いと、一定数以上の生徒数を常に確保しておかなければ、日々の資金繰りが厳しくなってしまいます。
小規模な学習塾では「毎月収支がマイナスで、夏期と冬期の特別講習で挽回する」といったところも少なくありません。
大きく収入が増えるときに合わせて、大きな支出をもってくるように計画を立てたり、毎月の収支で資金残高を臨時的な収入までに維持できるかどうか管理するなど、学習塾は資金繰り管理が他の業種よりも重要になってくるといえます。

一方で、基本的に1度入会すると簡単には退会しないため、毎月の収入の予測もしやすく、資金の計画も立てやすいといった部分もあります。
資金の計画が立てやすいと課題も見えやすくなり、塾経営に役立てることができます。

では、具体的な管理のための項目を見てみましょう。

【現状の把握と資金繰りの予定を管理】
(収入)
 
・既存の生徒数を把握し月の収入を把握
 ・夏期と冬期の特別講習受講者数を予測
(支出)
 ・賃料の把握
 ・講師人件費の把握
 ・教材の支払時期の把握

現状の把握と資金繰りの予定を管理すると、具体的な数値として課題が浮き彫りになってきます。
見えてくる課題点には以下のようなものがあります。

【課題点の把握】
 ・月の受講料だけで収支がプラスになっているか
 ・資金繰りが一番厳しくなる時期はいつか
 ・どの程度生徒数を増やせば、月の収支が安定するか
 ・教室数を増やした場合のインパクトはどの程度か
 ・教材の購入・支払時期と教材費の受領のタイミングは適切か
 ・借入をした場合の返済余力は確保できるか
 など

このような課題が明確に見えてくると、どこに力を注げば安定した塾経営ができるのかがわかるようになります。

昨今ではオンライン受講も増えてきていますが、既存の一般的な学習塾がすべてオンラインとなるかというと、そんな簡単なことではないと思います。
今後も塾経営を安定的に行うためには上記のような特徴を把握して資金の動きを注視し続ける必要があります。

特に中小の学習塾は、塾の経営もしながら自らも生徒に教える講師であることが多いです。
そのため、授業を回すことに意識がいってしまいこういった資金の管理は後回しになりがちです。
中には「授業は得意でもお金の管理は苦手です」という方もいるかもしれません。

資金繰りの管理は簿記や会計の専門知識がなくても行えますので、まずは、そんなに難しく考えず自らの収支を把握することから始めることをお勧めします。

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