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資金繰り管理のポイント④(美容サロン)

みなさんこんにちは、公認会計士の姫野です。
第四回目は、美容サロンにフォーカスして資金繰り管理のポイントを書いてみたいと思います。

美容サロンといってもジャンルは様々です。より具体性を持たせるために今回はエステサロンを対象に考えてみましょう。

事業の特徴をざっくり挙げると下記のようなものがあります。

・施術のための機械が高額
・役務(サービス)の提供前の前受金が多くなる傾向にある
・ある程度の広さやアクセスのしやすい場所が必要
・商材の販売もしている
・広告宣伝費が多い

他の事業と違って特に特徴的なのは、いわゆる「◯回コース」といった、複数回通う分のお金を先にまとめてもらってしまうプランが存在していることです。
一般的な取引では、商品を渡したりサービスを提供した後、その対価としてお金もらいますが、エステや脱毛サロンっといった美容サロンでは「先にお金をもらう」ことも多いのが特徴です。

これを踏まえると、資金繰りという観点では比較的楽観的に捉えられるかもしれませんが、そんな簡単にはいきません。
先にお金をもらうことが多くても、下記のような事業の特徴を踏まえた資金繰り管理における注意点がいくつかあります。

・設備が高額で、最初の設備投資に多額の資金が必要
・設備投資が多額になるため金融機関からの借入をすることも多い
・同業他社が多く、競争が激しいため広告宣伝費が嵩む
・アクセスしやすいサロンにするためには賃料が高くなる
・商材を販売している場合は在庫リスクが伴う
・人員を比較的多く確保しなければならないため人件費が嵩む

次にこの注意点を考慮しながら具体的に資金繰り管理を行っていく上でのポイントを整理してみましょう。

収入面では、数回分をまとめて先にお金をもらうことがある一方、一人の顧客に対して最初にお金をもらった後は、追加的なサービスや商材の販売をしない限り、お金をもらうことがありません。
したがって、定期的にお金をもらうというよりは、契約のタイミングでお金がまとまって入ってくるため、収入時期の予測が難しくなります
顧客の属性に応じて(数回分まとめてなのか、都度なのか、など)、いかに収入の予定・予測をしていくかがポイントとなるかと思います。

支出面では、収入時期に関係なく、賃料・人件費・広告宣伝費等がかかってきます。
広告宣伝費は売上獲得のための費用であるため、当たり前ですがどちらかというと先行的にお金が出ていく項目となります。
その他、借入を行って設備投資をしているのであれば、月々の返済も発生してくるでしょう。

また、商材を販売するにあたっては、ある程度在庫を確保しておかなければなりませんので、相応の仕入を事前に行っておく必要があり、こちらも先行的にお金が出ていく項目です。

以上を踏まえると、固定的に発生する支出がどれくらいあるのかを把握した上で、不安定な収入で十分賄い切れるのかを検討していくことになります。

ある程度まとまった収入が入ってきたとしても、それはいつまでのサービス提供分なのかをちゃんと把握しておかなければ、不必要な追加の設備投資や、さまざまな経費の資金使途の時期を誤るなど、資金を適切に使うことができず突然資金繰りに窮してしまう可能性があります。

このように、美容サロン(エステ事業)においては、先にお金をもらったとしても、その後に比較的長期に渡りサービスの提供を行なっていく必要があるため、サービス提供時に発生する支出をカバーし続ける収入の確保を常に考え現状を把握しておかなければならないところに、この事業における資金繰り管理の難しさがあると思います。

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株式会社HIFAS代表、公認会計士の姫野省吾です。 資金繰り管理システム「milestone」を提供しています。 幼少期からバドミントンしかしてこなかったところから一転、会計士になり経営者となりました。 会計や経営・アスリートのビジネスキャリアについて独自視点でブログを書きます!