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これからの世代の音楽趣味の入口

おじさんの音楽の駄文、その2です。

こちらの続きです ⇒ 音楽趣味の入口について

おじさん世代の音楽趣味の始まりは、身近な年上の人達からの影響でした。音楽の入手経路はラジオ。広がりは仲間内での口コミ。
言い換えると、楽しさを教えてくれる人(受動的な接点)。音楽が聴けるメディア(音楽アーカイブ)。友達との共有体験(いいね)。

これは、現代の身近な事例に置き換えることができます。
 クラブDJ、soundcloud、Ustream(当時は)。
 フェス仲間、フェス、フェス現場。
 Youtuber、Youtubeやサブスク、SNSやニコ生。
 アニメ番組、Youtube、SNSやライブ。
 ゲーム、ゲーム中の曲、オンライン上でのコミュニティ

こうやって置き換えてみたものの、きっかけがあまり受動的ではありません。すでに能動的に選んでいるように思います。

クラブに誘われて、クラブに行く。ロックフェスに誘われて、一緒に行く。その場で音楽に出会う。こういうのは、そもそもそっち系の音楽に興味があっての行動かと思います。すでに興味を持っている状態です。
こういうのはちょっと除外します。

アニメ、ゲームは、音楽が目的ではなく、2次元コンテンツが入口です。付随して音楽があります。
誰かに勧められたり他のメディアやSNSで見て、アニメを見始めたり、ゲームをするのだと思います。あくまでも映像作品としての面白さ、ゲームとしての面白さが入口です。その中に出てきた音楽を聴くことで、アニメやゲームへの楽しみも深まり、音楽に興味を持つという流れです。

わかりやすいところでは、アニメのテーマソングとして聴いて、その歌のアーティストを好きになる例でしょう。
水樹奈々やLisaの歌を聴き、そこからファンとなった人も多いでしょう。

キャラクター声優が歌えば、キャラクターとイメージがシンクロし、もっと多面的に楽しる。ここから発展して、声優がそのキャラクターに扮して演技する、2.5次元舞台演劇やミュージカルへと昇華しました。キャラクターを投影して声優を見ていたのが、声優そのもののファンになっていく、というものです。
アニメやゲームから発展して、声優が演劇やライブを行う事例としては、ラブライブ、アイドルマスターなどが代表的でしょう。もう、このようなアニメは、初めからからメディアミックスありきで仕込むのが当たり前になっています。
歌って踊れてルックスもいい人が声優を担当し、アニメ、ゲーム、映画、舞台演劇、ミュージカル、パチンコetc、様々なコンテンツ化が計画されています。コンテンツの間口が多岐に渡れば、認知度も広まり、流入してくるユーザーも増えやすいでしょう。

さて、従来のスタイルのロックバンドはどうでしょうか。
ボーカルが主役で、ギターがエースのような感じで、2人が前に立ってイメージを形成。氷室京介と布袋のような感じです。
ベースとドラムは、いわば助演役です。パーソナリティが出てきません。

アニメや2D作品からの音楽だと、脳内イメージはキャラクターであり、決して幻滅させたり裏切ったりしません。ときにストーリーとして、幻滅させたり裏切ることはあるかもしれませんが、なにせリアルではないので容認できるでしょう。
助演役のキャラクターにも個性が与えられ、脳内で補完されるでしょう。
そう、音楽はリアルなのに、ビジュアルは脳内で再構築されて美しく変化します。例え声優さんがキャラクターと顔立ちが異なっても、目を閉じれば音楽を聞けばキャラクターになるし、キャラクターを見れば声優さんが思い浮かんだりもするでしょう。
もう、昔のロックバンドとは、曲を聴いたときに脳内に出てくる映像の情報量が違います。

ここ、重要だと思います。


おじさん達が聴いてきた音楽は、音楽だけで成立します。
音楽だけだから、CD買って、曲を聴いて楽しみます。
そのきっかけは、その音楽を勧めてくる友達や先輩の存在でした。

今の若者たちは、ビジュアルコンテンツ先行で音楽と触れます。
音楽だけの商品って、価値を感じないのではないかと思います。
スマホで音楽を聴く時代なので、画面に映像が流れているのが自然です。
誰かに音楽を勧められるのではなく、アニメやゲームを見ていて自然と音楽にも興味を持つ。それが王道の流れになるでしょう。

そう考えると、「かわいくて、下手だけど一生懸命がんばってるアイドル」なんて、声優出身の人に置き換わっていくと思います。ただ、歌って(歌ってない人もいますが)、踊ってるだけじゃなく、何かのアニメのキャラクターイメージをまとってる方が、断然強いと思います。

まあ、私はもう、アニメを見るような年齢ではないのでわかりませんが・・・。


そう。アニメやゲームをしない世代には、その感覚が見えてないんです。
薄々気がついてましたが、向き合いたくない現実に踏み込んでしまいました。若い世代の音楽をわかってるつもりが、わかってないような気がしてきました。見えてないんです。見えてないことすら、自覚できてないんだと思ってます。
ここ、重要なポイントです。

(続く)

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