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【黒歴史】(妄想)もし西島秀俊が旦那で、緋村剣心が元彼で、羽生君が・・物語 第3話

※こちらは2015年に、若干躁鬱っぽい時にAmebaブログで発表していた連載小説です。結構な勢いで頭おかしいです。

苦しい婚活からの逃避行、そして西島秀俊と市原隼人さんと羽生君にただ囲まれたいという欲望だけで作りました。

第三話

私は、西島さんと結婚する事を、デビュー時からお世話になった高橋さんに報告した。

高橋さんは、喜んでくれると思っていたが、突然狂ったように怒って止まらなかった。

「あんなに、アンタの為に・・色んな所を回って頭下げて仕事とってきていたというのに・・

あんたを売り出す為に、がんばってきたのに・・」

と言って、高橋さんが所有してるマンションの一室からも追い出され、契約解除もされてしまった。

後で、人から聞いたのだが。

実は高橋さんは、私に何処か元カノの姿を投影していたようだ・・。

しかし、一緒になろうとも、恋心を抱こうとも思ってはいなかったそうだ。

そう思ってしまいそうになってしまった事は何度もあるが、何度も自分の中で留めていたそうだ。

ただ、自分の手元で大切に育てたかった。

なのに、思う通りにいかなかったのが許せなかったのだ。

私には、もう西島さんしか逃げ場が無くなってしまった。

やがて、西島さんが結婚をマスコミに報告。

「私は一体何者か?」という記事が、数々の週刊誌で特集を組まれる事になった。

キャバクラで、有名になることを夢見ていた頃の写真や、話。

プロダクション社長、高橋さんとの愛人疑惑。

私は、高橋さんとは結局愛人ではなかったが、

高橋さんが本当に愛人として、マンションに囲っていた女優やアイドル達が、私のせいで、全て記事にされてしまったのだ。

「あんたのせいよ!あんたのせいで、私の未来がムチャクチャよ!」

というコメントが、私のブログに大量に書き込まれた。

私も、自らを売り出す為にブログを書いていたのだが、コメントなどついたことなど一度もない。

それが、この西島結婚騒動で、一気に炎上だった。

勿論、西島さんのファンからの誹謗中傷も絶えなかった。

私は、全てのSNSを解約。

何処から調べてきたのか、

携帯電話番号を変えても変えても、すぐ調べられて悪戯電話がかかってくるので、携帯ごと解約した。

まぁ、うちの西島も携帯嫌いだから丁度良かったのかもしれないと、前向きに考える事にした。

やがて、私は家に引きこもるようになった。

西島は、それでも収録などで忙しく、殆ど家に帰る事はなかった。

私は批判されても、西島は既婚者になり家庭的イメージアップに繋がったのかドラマでは父親役が回ってきたり、家電などのCMも沢山回ってくるようになった。

私との結婚は、元々演技派の西島にとって仕事的にもマイナスになどならなかったのだ。

しかし私ときたら、彼との結婚によりNEWS西島のアシスタント降板になってしまった。西島自体が、私達の事を仕事で冷やかされたりネタにされるのが嫌いなのだ。

私は、男達の都合上。自分の意志関係なく、仕事解雇になったのだ。これが男尊女卑の世の中というものなのか・・・。

これからは、私は彼の専業主婦として頑張るしかなかった。

しかし、かくいう西島は殆ど家に帰ることもなかった。

そんな西島に、久しぶりに仕事がオフの日が訪れた。

彼が映画を見にいくといったので、「私も行きたい」と言った。しかし、「俺、映画は一人で見に行く主義だから」と、連れていってくれない。

常に、仕事に対してストイックすぎる彼は、映画は基本一人で見るスタンス。

じっくり集中して見ることによって、映画の勉強をするのだ。

それでも私の為にと、豪邸を建築。

しかし半分は、まさかの自分専用スポーツジム。

ここで、役作りの為に体を鍛えるという・・。

小さなシアタールームも作ったが、

見る時はやはり「一人にさせて欲しい」なのであった。

まぁ、つまり。

40過ぎまで、独身だった男には。

それなりに、理由があるって事だ・・。

さみしい。

さみしい。さみしいよ。

隣で、常にラブラブしたいし。一緒に、何かを楽しみたいよ。

新婚旅行も、結婚式もドラマ収録の為に、延期。しかし、果たしてそれはいつになるのか・・。

私はずっと、同級生のマリカ達に羨望の眼差しで見られたいと思っていた。

その為に、東京へ行く。

有名になる。良い男と出会い、結婚する。

全ては、有言実行してきた。

なのに。なのに。

なんで。

しあわせに なれないの?

私の瞳から、涙がポロポロ零れて止まらなかった。

この頃の唯一の楽しみは、フィギュアの羽生君だった。

一目で、現実逃避をさせてくれるような。

少女漫画から飛び出してきたかのような、風貌。

勿論、追っかけなど出来ない。

私には、常に「西島の嫁」という周りの目が付いて回るのだ。

テレビに映る事があれば、番組を録画したり、本を買ったり。

コンビニの懸賞で、羽生君イベントがあれば、積極的に購入した。

全てのレシートを集めて1500円になれば、羽生グッズが当たる。

そんな地味な事を、繰り返すようになる。

そして、誰にもしられずに、

アメーバで「妄想羽生物語」という連載妄想小説をスタートさせたのだ。

「妄想羽生物語」それは、フィギュアスケーターの羽生君が主役の物語。

主婦のアユミには、常に海外赴任の忙しすぎる旦那がいる。

アユミの豪邸には、スポーツジムがある。

時々お忍びで、実は旦那の遠い親戚にあたる羽生君が、体を鍛えに来るという物語なのだ。

もはや、これは単なる願望であった。

普段の、我が家のスポーツジムは基本閑古鳥が泣いている。

ここに、羽生君。東京ロケの時とか、来てくれないかな・・。

という思いを、そのまま書いたのだ。

しかし、この妄想羽生物語がアメブロで大人気を誇り、私の妄想小説は書籍化され人気を獲得してしまったのだ。

そうして、まさか雑誌の対面で

この腐女子な私が、羽生君に会える特集が組まれたのだ。

まさか、ずっとテレビで見るのが楽しみだった羽生君に会えるなんて。

今日も、家事をしながらウキウキした気持ちが止まらない。

雑誌の対面とはいえ、私の場合は顔バレが困るので

(一応、芸能人の妻の為、顔バレNGなのだ。

それに、私の顔は「これが、西島の嫁だ!」と、ネットの至る所で画像が無断掲載されており、既に顔が割れている。

そこで、もし私がブログで「妄想羽生物語」の作者だったということがバレると大変な事になるからだ。

その為、ゲッターズ飯田さんみたいに仮面を被って、ペンネーム「メンヘラー伊藤」という名前をつけた。

由来は、結構適当なので聞かないで欲しい。

私は、一応西島の嫁としてはプロ嫁として通っている。

料理も完璧。

容姿も、お直し後とはいえ、完璧。

西島には、いつもガムシャラに一生懸命仕事に取り組む姿や、

出演者の時と場合によって考え尽くされている「完璧すぎる差し入れ」に惚れたと言われている。

私が、まだ「NEW西島」のアシスタントだった頃。

番組が北海道ロケの時は、保冷型の弁当を人数分購入して、どんなに寒くても暖かいお弁当を心がける。

夏場、熱い時は頑丈で大きなクーラーボックスを購入。

保冷型のお弁当に、今度は冷たいスープを入れてみたり。飽きないお弁当を心がけたのだ。

ロケ弁もいいけど、やはり手作りのお弁当には叶わない。

出演者の皆からの評価の大きさ・・。

実は、これが私の最大の狙いだったのだ。

彼の、職場仲間。

周囲からの評価は、直接本人にアピールするより、ずっと効果的なのだ。

彼自身も、「惚れた」というより。

これからの俳優人生を、供に過ごす為には。私が必要だと思ったそうだ。

いつも交際する女性の料理には、「ちょっとこれ、味付け濃くないか?」とか、

「ちょっと、切り方雑じゃないか?」と、口出ししてきたそうだが、

私の料理には、言いたい事など一切なかったそうだ。

と、彼は後々語ったのだった。

しかし、此処には大きな誤算もあった。

彼は、私との結婚を決めてくれたものの。

あまり、私自身を求めて来ることはなかった。

そして、「女心への理解とか、そういうのは求めないで欲しい」と言われている為、

何も、彼に要求することも出来なかった。

基本私も、

迷惑電話予防の為に携帯電話も持ってないし、彼も連絡がマメではない。

そして、一緒に暮らしているとはいえ。

仕事が多忙すぎる彼は、殆ど家にいないし。

いたとしても、自宅の中のジムで体を鍛えたまま疲れて寝てしまう。

そして、私は彼が出演中のドラマの役作りに合わせてメニューを考案し、作成する。

勿論、こんな日々が、苦痛ばかりでは無い。

彼のCMをテレビで見れば「こんなカッコいい人が、私の旦那だなんて」と、優越感に浸る事が出来る。

しかし、ドラマは見たくない。

恋愛モノに限らず、美人の女が出ていればどれも見たくないのだ。

自分以上に美しい人が出演していたら、

「もしかして、この後。このドラマで仲良くなって、お茶やご飯に誘うのではないか。」

とか、余計な心配しか生まれないからだ。

刑事モノドラマで、鉄砲を持っていても

「あんなに、鉄砲持って。飛び跳ねて・・。彼が、怪我をしたらどうしよう」

と、ドラマだってわかってるのに。

心配で、心配でしょうがないのだ。

一人で家に篭ってばかりいると、余計なこと考えてしまう。

そんな時、何気なく見たフィギュア選手権に心を奪われたのだ。

ある選手権で、他国の選手とぶつかり、流血してしまった羽生君の姿がそこにあった。

それでも、彼は諦めなかった。

痛々しい包帯姿の中、何度も転倒しながら最後まで滑り続けたのである。

この光景を見て、たまらなく涙が出て止まらなかったのだ。

私は、こうして素敵な旦那や豪邸もあって。手に入れたいものを、全て手に入れたのだ。

それでも、心の何処かでは常に虚無感しかなかった。

ひとつ願いが叶えば、また別の願いが欲しくなる。

叶った願いが、やがて当たり前になってしまえば、そこに対する感謝がわからなくなるのだ・・。

羽生君の姿を見て、

そんな甘えた事ばかり感じていた自分を、ただただ恥じたのだ。

やがて、私は旦那には内緒で羽生グッズを集めるようになったのだ。

それだけでは満足出来す、アメブロで羽生君と私を主役にした「妄想羽生物語」を作成。

読書は1000人を突破し、一躍ヒットブローカーになったのだ。

そして、この物語が・・

とうとう、映画になるのだ。

主演は、福士蒼汰君が羽生君役をすると聞いた。うーん、福士君か。

もっといるようで、案外いないのかもしれないわね・・。

そして、私の役。

35歳のセレブ妻の役を、観月ありささんがするらしい。

なんか、時事ネタともに、リアルな展開だと。これは、納得したわ。

ただ、私にはね。全く似てないのよね。

で、セレブ妻の旦那役を・・

なんと。私の旦那が演じるという奇遇・・。

それを聞いて、背筋が凍った事は言うまでも無い。

絶対、うん。

絶対、バレてはいけないのだ・・。

私が、実はアメブロで妄想小説を書いていたということは・・。

今回、週間雑誌「アッハーン」の企画で、

この映画の番宣も兼ねて、羽生君と福士蒼汰君と、

なんと仮面を被った私がインタビューを受けるという記事を組まれたのである。

おいおい。

ここは、どう考えても。そこ、観月ありささんじゃね?

なんで、覆面作者の私やねん。

って、言いながらも。

羽生君に会いたくてたまらない私は、出演を決行したのだ。

勿論、仮面をつけてですが・・。

#BeFree創作部



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