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ジブリの提供画像を利用する

スタジオジブリが「常識の範囲内でご自由にお使いください。」というメッセージをつけて、公式ホームページに画像を公開した(2020年9月18日)。まさかの画期的な取り組みであり、知財関係者の間でも静かな盛り上がりを見せている。

しかしながら、どのように使うのならいいのか、いけないのか、実際問題として判断は難しいのではないだろうか。そこで私の考えを簡単にだがまとめてみたいと思った。あくまで私見だが、ご判断のご参考になれば幸いである。

まず注意しなければならないのは、スタジオジブリが、公開した画像の「著作権を放棄する」とは言っていない、という点だ。使い方によっては、警告、使用差し止め、損害賠償請求などの対応は考えられる。「KAI-YOU」の記事「ジブリが全作品の場面写真を提供 『千と千尋』など400枚、使用は「常識の範囲で」」でも述べられているように、公開した画像でグッズを作って販売する(ラミネートカードやクリアファイル、トートバッグ、Tシャツなど、簡単にできそうですね)ことまで、許されているとは考えにくい。また画像の顔をゆがめたりキャラクターを裸にしたり、画像中の建物を破壊したり、製作者の気持ちを傷つけかねない変形は、やめることを強くお勧めする。

公式ホームページで公開された画像を、個人のブログや、Twitter等SNSにそのまま、あるいは模写したものを掲載する。イラスト教室で下絵として使う。会社のパソコンの壁紙にする。などは、OKだろう。また、漫画家さんなら、町の資料として、構図をそのままコマに描くということもできるかと思う(ただし、その他のコマの絵は、それに合わせて自分で整合させる必要が出るけれど)。

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逆に言えば、これらの使い方は、権利者の許可がない限り、法的にはNGである。ユーザーにそれでお金儲けする意図があるなしに関わらず、他人の著作物を使用できる範囲は、意外とせまいと考えていい。

私もヘッダーの画像を模写してみた。人の絵を真似て描くことは、練習にもなるし、とても楽しい。通常、パブリックドメイン(著作権の保護期間が終了した、自由に利用できる著作物)でなければできなかったことを、公開された画像に限っては模写、アップロードできると考えているし、他の作家さんの手がけられた作品もぜひ見てみたい。今回の画像提供を、とても嬉しく思う。

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