ITで世の中をもっと便利に! 「札幌で1番イケてるトガった会社」を目指して|TOGATTA株式会社 【会員インタビュー】
テクノロジーの進化により、現代はすっかり便利になりました。会社ではIT化が進み、時間やコストのムリ・ムダ・ムラが減り、さまざまな業務がスムーズに回るようになっています。家庭でもインターネット環境が整い、家にいながらに買いものができるのはあたりまえ。スマートフォンひとつあれば、音楽や映画を楽しめて、道に迷うことはなく、銀行取引や確定申告までできるほどです。
それでも、世の中は「不便」と「不満」にあふれています。それらをITの力で解消するべく、2022年に設立されたのが、「TOGATTA(トガッタ)株式会社」です。ちょっと変わった社名の由来とミッション、TOGATTAのこれからについて、代表取締役の加茂義光さんにお聞きしました。
PM経験とITスキルで顧客の要望を実現する
-主な事業についてお聞かせください。
TOGATTA株式会社の主な事業は、ホームページ制作、Webアプリケーション制作、スマホアプリ開発です。業種を問わず、店舗のホームページをつくったり、予約管理システムや在庫管理システムなどの業務システムを開発したりという仕事が多いでしょうか。いまはまだ10人だけの小さな会社ですが、私のPM(プロジェクトマネージャー)経験と、当社のエンジニア・Webデザイナーのスキルを生かして、企画から要件定義、制作・開発、実装までの全工程をワンストップで対応しています。
仕事をするうえで大事にしているのは、お客さまにとことん向き合うこと。私はITベンチャー企業でPMをしていたころ、コミュニケーションの重要性を痛感しました。だから、お客さまの実現したいことを深く聞くようにしているのです。そのなかで信頼を築けると、別の業務課題や経営課題を打ち明けていただけるため、より良い提案ができます。また、次の目標達成のためのご相談を受けて、新たな仕事につながることも。
トガりながら、世の中の「ムカつく」をなくす!
-TOGATTAは、ひとことで説明すると、どんな会社ですか。
札幌でいちばんトガってイケてる会社です。どこかの会社と比較して「いちばん」なのではなく、私たちが「いちばん」と胸を張って言えるようにしたくて、常に理想像を追い求めています。
社名のTOGATTAには、「IT業界においてトガった組織として、お客さまに突き刺さるサービスを提供したい」という思いを込めました。会社設立から3期目を迎え、ますますトガって、これまで以上にトガったサービスで、お客さまの心を射止めたいですね。
-起業3期目は分岐点とはよく言われますが……。
今年は勝負の年だと考えています。少しずつ人が増えて、体制が整いつつあり、経験と知見が蓄積されてきたので、いよいよ自社サービスの企画・開発を本格化したいのです。とてもありがたいことに受注制作や受託開発が多く、TOGATTA独自のサービスを提供するまでには至っていなかったものですから。
-ミッションに掲げている「テクノロジーで世の中の『ムカつく』を解消する」もかなりインパクトがありますね。
世の中にはけっこう「ムカつく」と感じることがありませんか。「こいつ、ムカつく」というような個人の感情から、企業の抱える課題、さらに大きな社会課題まで、さまざまなムカつくことがあると思うのです。それらのなかには、ITによって解消できるものもあります。それならば、私たちが手にしているテクノロジーを最大限に活用して、人々の不満をなくし、より暮らしやすい世の中にしていこうと考えました。
ところで、私たちは生業として、ホームページ制作やアプリケーション開発、システム開発を手がけています。ややもすれば、「つくる」が目的になってしまいがちです。でも、本来の目的は、私たちのつくったもので、世の中をもっと便利にすること。つまり、ITの意義は、社会に散らばっている課題の解決にあると強く心に留めています。
-ミッションは、どのように社内に浸透させているのですか。
朝礼での唱和などのように、ミッションそのものを浸透させるための取り組みはとくにないです。ただ、月1回、「集中DAY」という全社会議をやっています。これは、通常業務を一切しないで、丸一日、みんなで会社のことを話し合うもの。このなかで、TOGATTAのありたい姿やミッションについての私の考えを、社員たちには伝えています。
議題は幅広いですよ。BS(貸借対照表)とPL(損益計算書)を見せて、自社の経営状態を把握してもらったり、それぞれの成功体験・失敗体験を共有したり、新規事業のアイデアを出し合ったりと、かなり濃密な時間になりますね。
丸一日を費やすため大変ではありますが、集中DAYを続けているのは、TOGATTAをより良くしたいから。私はあくまでもTOGATTAの代表取締役であり、TOGATTAは私ではありません。TOGATTAに集ったメンバーが、TOGATTAという法人格をつくりあげているわけです。だから、一人ひとりがTOGATTAをよく知り、盛り上げ、未来を一緒に考えていかなければなりません。そのための仕掛けが集中DAYであり、TOGATTAのカルチャーを醸成しています。
「世界を変えるIT」に惹かれ、起業へと続く道を選択した
-起業のきっかけをお聞かせください。
昔から「社長ってかっこいい」と思っていて、とにかく「社長になりたい」という気持ちがすごく強かったのです。ただ、子どものころの将来の夢と同じくらいに漠然としたもので、何のために社長になりたいのか、どんな事業で世の中の役に立ちたいのかなどは、まったく考えていませんでした。具体的な行動計画もなく、新卒で入社したのは、運輸交通業の大手企業。その会社で出世して社長になろう!と、仕事に打ち込みました。
10数年ほど働き、大きな組織の中では、社長といえども、必ずしも意思決定はできないのだと実感します。それならば、小さな会社でいいから、自分が先頭に立ち、自分の裁量でどんどん事業を推し進めたいと考えるようになったのです。
そのころ、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、巣ごもりが続き、「新しい生活様式」が実践されるようになり、あらためてITの力と可能性に気づかされました。あっというまに世の中を変えていくのを目の当たりにして、IT業界は今後ますます成長して、世界をさらに良い方向へと進めていくのだろうと思ったのです。そのとき、自分は部外者にはなりたくなかった。IT業界に身を置いて、微力ながらも世界を変えたいと強く思いました。
その思いが高じて、起業へとつながっていきます。じつは、二十歳のころからずっと、「ムカつく」や「もったいない」と感じる事態に遭遇するたびに「こんな商品やサービスがあったらいいのになあ」というアイデアをメモに書き溜めていました。10年ほど経って、ふとメモを読み返してみると、そのなかにはカーシェアリングや貸し会議室、家事代行サービスなど、世の中にすっかり浸透したサービスがあって驚きましたね。あのとき、自分のアイデアを元手に起業しておけばよかったと後悔もしました。
だから、二度と後悔しないために、IT業界へのキャリアチェンジを決断したのです。ただ、ITも会社経営も未経験だったので、まずはITベンチャー企業に転職します。そこでITスキルを身につけ、組織運営を実地で学ぶうちに、起業への情熱が再燃してきました。居ても立ってもいられなくなり、最終的には会社設立を決断したのです。
-北海道のIT企業として感じている北海道の魅力あるいは可能性は?
逆説的になってしまうのですが——。北海道の課題として感じているのが、人材の流出です。大学を卒業すると、就職で首都圏に行ってしまう人が多い。その結果、私たちのような北海道の会社は採用難に陥るわけです。
でも、裏を返せば、首都圏の企業が欲しがる人材が北海道にはたくさんいるともいえますよね。その優秀な人材の存在こそが、北海道の可能性ではないでしょうか。
北海道のIT人材が入社したがるトガった会社に
-今後、会社と事業をどのようにしていきたいですか。
私たちのITスキルと経験を出しきって世界を変えるためにも、TOGATTAを従業員250人規模の会社にしたいと考えています。なので、いま、評価制度をはじめ、フレックスタイムやフルリモートなど各種制度のガイドラインを整えているところです。いわゆる大企業にいた経験から、組織づくりがしっかりとできている会社が、大きく成長できるのだと思っています。だからこそ、当社のように小さいうちから、組織の基盤は盤石にしておくべきだと考え、そこに注力しているのです。
その一方で、少数精鋭ゆえの機動性やベンチャー気質は失いたくありません。私がITベンチャーに転職したとき、意思決定のスピードやコミュニケーションの取りやすさ、チャレンジ精神にこそ、おもしろさとやりがいを感じましたから。
事業の展望はというと、先ほど少し触れましたが、自社サービスの企画・開発を本格化していく予定です。もともと事業内容として掲げ、取り組んではきたものの、納得のいく成果をあげられていません。これまでどおり、「お客さまのムカつく」を解消しながら、私たちが見つけ出した「世の中のムカつく」をひとつでも多く解消していきます。それが実現したら、まさに、TOGATTAは札幌でいちばんトガってイケてる会社ですよね。さらに社外から見てもトガってイケてる会社になれれば、北海道の人材の流出を防げるかもしれません。優秀なIT人材が北海道に留まれば、北海道のIT業界はますます強くなるのではないかとも思っています。
TOGATTA株式会社のホームページを見ると、トップページに出てくる「テクノロジーで世の中の『ムカつく』を解消する」というミッションにまず驚かされます。社名のごとく尖っていますが、その一文に込められているのは、企業や社会の抱える課題を解決して、より良い世界をつくりたいという真摯な思い。そのためにも、自社サービスの企画・開発を成し遂げたいと、加茂さんは意気込んでいます。創業3期目、若きCEOが率いる「札幌でいちばんトガってイケてる会社」のチャレンジから目が離せません。
(取材日2024年5月17日/北海道IT推進協会 広報委員会、ライター 一條 亜紀枝)
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