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可児市のHさんからご依頼があった靴底の修理が出来上がりました。お渡しした時にこんなご質問がありました。「不意な雨降りから帰って来て靴を脱いだら、靴下のつま先が濡れていました。水が入らない方法ってあるんですか?」

いろいろな靴の製法

靴の作り方(甲の部分と底材を接合する:底付け)には何種類もの方法があります。特徴的なものをいくつか紹介すると
①縫製による底付け ②縫製をしない底付けなどがあります。
①製甲(縫い合わされた甲部分:アッパー)と本底を縫いつける製法で、手間と時間を要する製法です。伝統的な「グッドイヤーウエルト式」「マッケイ式」などが代表格です。
②製甲と本底を強力な接着剤やゴム糊で貼り付けたり、機械によって底作りと底付けを同時に行う方法などがあります。代表例は「セメント式」で、アッパーと本底を接着剤で貼り付けるとても簡単な製法です。縫製の手間がなく量産できる特徴があるので、現在では多くの靴がこの製法で作られています。
また、アッパーを「金型」と呼ばれる靴底成型機に固定し熱可塑性の底材を流し込んでから冷却成型する特殊な製法などがあります。
長靴はゴム材・プラスティック材を型に流し込んで「一体成型」してあるので、雨や水の侵入は100%ありません。しかし靴の製法はいずれもアッパーと靴底を「合体」させて仕上げているので、製法の違いはあっても雨水の侵入の影響は避けられないと言えます。

雨降り対策と事後の靴のケア

「雨が降りそう」「雨が降っている」―そんな時のお出かけ前に「はっ水(防水)スプレー」で革を保護しましょう。縫い目や接着面からの水の浸透は避けられませんが、アッパーの水をはじき「輪染み(革の表面に浮き出る白っぽいシミ)」防止にもなります。
靴内のつま先や全体に水が滲みてしまった時:風通しの良い日陰で靴を壁に立てかけるようにして中を乾燥させます(できればシューツリー・シューキーパーで靴の形を整えることをお勧めします)。
中敷きが外せる場合は取り外して一緒に湿気をとります。
乾いた後には防カビスプレーを靴の内側外側にかけてあげましょう。雨降りに履いた靴の中は足からの発汗も手伝ってダメージを受けています。お手入れをしてゆっくり休ませてあげることで、快適な履き心地で応えてくれますので、ぜひお試しくださいネ。

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