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高級ホテルをバンバン建てるのは良いけど、今のままで大丈夫?

本日開催された「日本インバウンドサミット2020」に参加しました。

インバウンドの大きな流れの一つとして「今後は欧米の富裕層にも多くきてもらいたい。なので高級ホテルを誘致・開発する」というのは良いけど、今のままだと難しくないですか?という記事です。

インバウンドの潮流

パネルディスカッションでは星野さんなど、観光業界で大一線で活躍されている方がインバウンド向けにどのようなことをしてくべきか話をされていました。コロナ禍以前のインバウンドにおいてメインの旅行者はアジアの方たちで、上位国は中国、韓国、台湾、香港、タイという順番でした。

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出典:日本政府観光局 (JNTO) 発表統計より

星野さんは「ボリュームターゲットとしてはアジアの方たちにもきていただきたいけど、イメージターゲットは欧米の方。アジアの方たちはまだまだ西洋文化に憧れがあるので、そこの人たちが『日本イケてる!』と思ってもらうことで、ボリュームターゲットの方たちも追従する形で日本に興味を持っていただける」という旨の発言をされていました。(間違って認識していたら叱ってください)

登壇者の山田さんは「欧米の方ではなく、教養を持つ富裕層なのでは?」と補足していましたが、今までもよくインバウンドの文脈で言われていた”目利き層”と呼ばれる方たちです。

この、お金を持つ目利き層にきていただかないと!という提言は以前からありました。有名なのは、デービッド・アトキンソンさんの新・観光立国論です。2015年の本ですが大きな流れは今と変わらないと思います。

人口が減り続けている日本において観光業は重要な産業に。その中で現状、アジアの方たちは来日する人数としては多いですが、お金をあまり多く使わないので欧米の富裕層に楽しんでもらえるようにコンテンツ増やす&整備するの頑張ろうぜ〜〜!というのが、すごい端折った内容です。

その流れで政府も少し前に「日本にも高級ホテルを50カ所つくるんや!」と表明して賛否両論が巻き起こりました。私が住んでいる京都でも2017年に「高級なホテルをバンバン増やすで〜〜」と市長が表明し半ば強引に誘致を進めてきた結果、ここ数年で増えてきました。ホテルの開業ニュースを追っていると、「あら!高級ホテル!」「こっちも高級!」と驚くばかり。

高級ホテルのスタッフ不足問題

どんなホテルかフィールドワークが必要だ!と完全に趣味なのに仕事っぽく様々なホテルに鼻息荒く赴くのですが(高級ホテルは高すぎて泊まれないですけど・・・)そこで見えてきた課題がありました。

それが、高級ホテルのスタッフ問題!!!冒頭のツイートの内容に戻るのですが、ホテルって最初、建物とかインテリアなど空間に惹かれて訪れる人が多いと思います。僕自身もそうです。

カジュアルなスタイルであればカジュアルな接客やサービス、高級路線であればそれに伴ったものが求められます。特に富裕層の方は今まで五つ星のホテルでサービスをたくさん受けてきているのでサービスの目利きでもあります。箱が素晴らしくても、そこで受けたサービスが悪いとそのギャップに満足度が下がってしまうことに。

高級ホテルが増えていこうが、そこで働くスタッフが相応のサービスを提供できなければ意味がありません。一度は泊まってくださってもリピートはないでしょう。もともと業界的に人材不足が叫ばれまくっていて働く人は不足していました。今はコロナ禍で余剰人員になっているところもあるかもしれませんが事態が収束に向かえばまた必要になります。(収束するよな?してくれよな…)

何より、昨日までカジュアル街道を突き進んでいた人が、次の日から急にハイエンドな接客をするのは難しいです。僕の働くホテルではゲストに「Have a good day guys!!」と普通に言いますが、ラグジュアリーホテルではしばかれるでしょう。もし、このまま高級ホテルが増え続けた場合に対応できるスタッフが不足し少ないパイを取り合うことになります。ホテルはソフトとハードの両輪があってはじめて良いサービスが提供できます。

この表現、わかりやすい…

今が絶好のチャンスかも

じゃあ、個人レベルでどうすれば良いねんということですが今は良くも悪くも時間があります。もし、今後高級ホテルで働きたいとすれば、(もしくは働いているとすれば)準備が可能です。

実際に一流とされるホテルに赴き、そこで働く魅力的なスタッフの方をみます。どのような所作で動き、どんな話し方か、呼ばずともスタッフの方を目で追っただけでササッとこちらにきて対応してくれるなど学ぶことが沢山あります。

そういったことを自身で研究し、できるようにする。そうすることで、まだ分母が多くない「高級ホテル対応できます人材」に名乗りをあげることができるのではないでしょうか。今まではとにかく忙しくて目の前の業務に邁進することで精一杯だったとしても今ならできることがあると思います。

僕自身もインバウンドや目利き層にも対応できるようにえっさほいさ頑張ります!

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