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数字で見るRWC日本代表(その3)

数字で見る、というよりも「データでみる」RWC日本代表。

ラグビーの代表の話になるとよく言われる「なんで日本代表は外国人がたくさんいるの?」という疑問の実態とその背景を考えてみたいと思います。

国籍・出生地でみる日本代表

代表31人のうち、日本生まれ日本国籍が15人、日本国外出身で日本国籍取得(帰化)が9人。外国籍で代表に入ったのが7人です。
出身地でみると、日本出身が15人、海外出身が16人(うち一人はハーフの松島選手)。「ラグビー日本代表は外国人が多い」と言われるのは、海外出身選手のルックスによるのでしょう。
RWC最終登録選手の発表でジェイミー・ジョセフHCがコメントしていましたが、「フィジカル的な存在感」「テストマッチでの経験値」を海外出身選手に期待されます。

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ラグビーの国代表の代表資格

代表資格を規定する「ワールドラグビー定款 協議に対する規定」第8条  プレーヤーの身分、契約および移動 では、現在は以下の通りとなっています。

第8条 プレーヤーの身分、契約および移動
8.1 本規定8.2の制限のもと、プレーヤーは、以下の条件を満たす一国の協会のシニアの15人制代表チーム、そのすぐ下のシニアの15人制代表チーム、または、シニアの7人制代表チームのみで、プレーすることができる。

(a) 当該国で出生している、または、
(b) 両親、祖父母の1人が当該国で出生している、または、
(c) プレーする時点の直前の36ヶ月間継続して当該国を居住地としていた。

8.2 一国のシニアの15人制チーム、またはそのすぐ下のシニアの15人制代表チーム、もしくは、シニアの7人制代表チームでプレーしたプレーヤーは、他の協会のシニアの15人制代表チーム、または、そのすぐ下のシニアの15人制代表チーム、もしくは、シニアの7人制代表チームでプレーすることはできない。

つまり、「国籍」は関係なく、「日本で生まれた」「祖父母までに日本で生まれた人がいる」「3年以上(36か月以上)日本に住んでいる」のいずれかがあれば、日本代表としてプレーができる、ということです。
日本国籍があっても、上記の条件を満たさなければプレーはできません。「所属協会主義」と言われます。

RWC2019に向けては、(c) の36か月がより厳密に確認されました。
ルーマニア、ドイツは国代表の試合に代表資格を得られない選手が試合に出場したことで、RWC出場資格を失いました(結果、繰り上げでロシアが出場)。
日本代表では、ベン・ガンダー選手やラボーニ・ウォーレンボスアヤコ選手など、ワールドカップが近くなった2019年に入ってから「資格がない」と判断された選手もいました。

日本で育った外国生まれの選手たち

では、日本代表に入った海外出身選手は、どんな選手なのか。
日本で野球やサッカーで「外国人選手」というと、海外の自国や強国で活躍して、ピークを過ぎた選手が日本に来る、の印象があります。
近年のラグビーの海外出身選手は、早くは高校入学、大学入学から日本に来て、日本のラグビーで育った選手が多くいます。

リーチ マイケル主将は、15歳の時にニュージーランドから札幌山の手高校へ留学、札幌山の手高校から花園(全国高校ラグビーフットボール選手権大会)に出場、東海大学を経て、東芝に入団。ラグビー日本代表としては2008年に初キャップ、2014年から代表主将として日本代表でキャプテンシーを発揮しています。前回ワールドカップ2015イングランド大会での「ブライトンの奇跡」はリーチ主将の決断によって生まれました。

自分が生まれた国、家族の国ではなく、日本を選んだ外国生まれの選手。日本生まれ日本育ちの選手から文化を学ぶ、「君が代」の練習をするなど、日本代表としてONE TEAMになろうと努力をしています。

日本代表として応援しています。

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