香港で起こっているデモの真相

これを理解するために歴史を少しおさらい。
昔は中国と香港1つの国で『清』と呼ばれていた。
1840年『アヘン戦争』に負けた清は香港をイギリスに統治される。
そして香港は中国に比べてイギリス統治のおかげでめちゃめちゃ栄えていた。
1997年に香港がイギリスから中国に返還される時に、香港にあった優良企業は「香港が中国になるんだったら外国に出ていく」と言い出した。
これを阻止するため『一国二制度』という制度で、とりあえず1つの国にはなりますが50年間は今まで通り、香港の経済と人々の言論の自由を保障します。
ただし選挙に関しては選挙委員だけが投票権を持つことにさせてね、将来的には国民の直接選挙にするからね、とした。

そして時が経ち(十数年)そろそろ直接選挙に変えますよ、としたのだがその内容が酷かった。
立候補の権利は指名委員会(中国共産党の息がかかった人達)で決めて、その立候補の中から全員で投票しましょうね、という内容。
これに対して「ふざけるな」と2014年『雨傘運動』というデモが起きたが、香港のトップは中国共産党の息がかかった人達。
結果的にデモは政府によって鎮圧された。

その後2015年『香港の書店員が中国に拉致される事件』が起きた。
香港は言論の自由が保障されているので、中国国内で規制がかかっている『天安門事件』の事を書いた書物を売ったり、中国共産党の悪口が書かれた書物を取り扱う書店の店主が拉致された。
翌年2016年に無事香港に戻るのだが、店主達は次々に書店を畳み始める。
ここで香港の民は「これでは言論の自由が保障されていない」と怒りを覚える。

2017年『指名委員が決めた候補者を全員で投票する直接選挙』が開始。(雨傘運動の原因となったもの)

そして先月よく話題になった2019年『逃亡犯条例改正案』
この改正の中身は香港人が台湾で犯罪を犯し香港に逃げ戻った場合、要請があれば逃亡犯を台湾もしくは『中国』に引き渡しますよ、というのにする事。(実際に台湾で起こった殺人事件が引金になっています)
一見普通に思え、何が悪いの?という感じですが『台湾』で起こった事件でも『中国』に引き渡すというのが問題なのです。
中国共産党はこれまでに共産党の悪口を言う者に何らかの疑いを掛け、誰彼構わず逮捕してきた歴史があり(天安門事件)、香港人はそれを知っています。
この条例の改正が通れば、中国共産党に目を付けられた人は犯罪者にされてしまう。
これでは保障されているはずの香港人の言論の自由が失くなってしまう。
『私達は中国人ではなく香港人だ!』
「世界の皆様、どうかこの状況を知って下さい」と空港を占拠したりして行っているデモなのです。
香港人にとっては決死の覚悟でしている事。

そして中国が50年保障している香港の自由奪還を急ぐ理由に、習近平の一帯一路が絡んでおり、この一帯一路が日本も含まれていると思うと、香港の今回のデモの結末も大変気になるところに思えます。

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