ゼクシィのキャッチコピーに私が感じた違和感。
ゼクシィの「結婚しなくても幸せになれるこの時代に私はあなたと結婚したいのです」というキャッチコピーが前に話題になったと思うんだけど、私はこのキャッチコピーが好きじゃない。
なんか綺麗ごとに聞こえるし、だまされているような違和感があって、「私ならこう書き換える」というのをずっと思っていたんだけど、
それは、
「本来なら結婚しなくても幸せになれるこの時代に、結婚しないと生きづらさを感じる世の中に生きている。」
ということ。
ちなみにこれは日本版で、
オーストラリア版のキャッチコピーを作るとすると、
「結婚しなくても幸せになれるこの時代だから、私たちは結婚しない」
となりそうな気がする。
オーストラリアだと、何十年も婚約状態だけど結婚しないカップル、子どもができていなくても結婚していないカップルや、一緒に家を買って住んでいるけど結婚してないカップルがザラにいて、
それはまさしく、「結婚しなくても幸せになれるこの時代だから、私たちは結婚しない」カップルたちで、
独身の人に向けられる目も日本ほど厳しくなくて、
少なくとも日本よりは結婚しなくても幸せになれる社会がなりたっていると思う。
私のオーストラリア人の旦那さんも、「誰かと一緒にパートナーとして生きていきたいとは思っていたけど、自分が”結婚”という契約をするとは人生で一度も考えたことがなかった」
って言ってた。
日本はまだまだそういう社会とは程遠いと思っているんだけど、
ゼクシィというビジネスはまさに、日本の「本来なら結婚しなくても幸せになれるこの時代に、結婚しないと生きづらさを感じる世の中に生きている。」
状態を作っている要因の一つだと思うから、
「結婚しなくても幸せになれるこの時代に私はあなたと結婚したいのです」にはかなりかなり違和感を感じるよ。
「結婚しなくても幸せになれる時代なはずなのに、そうはさせないいろんな要因があるから、私はあなたと結婚したいのです」ぐらいの見えない文脈を感じる。
そんな私も今、結婚する理由の一つには、
親や社会からのプレッシャーから解放されたい
というのがあって、
親からいつまでも「いつ結婚するの?」「早くいいひと見つけて早く結婚しなさい」「もう歳なんだから」
って言われるのはかなりうっとうしすぎて親をキライになりそうだし、
世の中は変わってきているとはいえ、「独身=負け組、不幸、イタい」みたいな価値観がすでに刷り込まれてしまっていて、
一定数そういう考えをもった人たちがはびこっている社会で生きていくには、
私の場合は、結婚していたほうがムダなストレスを感じなくて済む。
大好きでいっしょに生きていきたい人がいて、
本来はそれだけでよくて、それだけで幸せな時代がくればいいのに、
残念ながらそうではないから、
私は私にムダなストレスをかけないために、
いっしょに生きていきたい人を見つけたら早く結婚したいと思ってたよ。
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(余談)
ちなみに私みたいにこのキャッチコピーに違和感を感じている人たちはどんな意見を持っているんだろう、と思って調べたらこんなサイトを見つけたんだけど、
結婚しなくても幸せになれるこの時代にも関わらず結婚する、というのは結局のところ「結婚しない」という選択肢より「結婚したほうが幸せなんだよ!」って言ってることと同じに感じます。
「結婚しない」でもまあまあ幸せだけど、「結婚したほうがより幸せ」だから結婚します、と結婚する方が結婚しないことより上位に来ていることが表現されているのではないでしょうか。
例えると、一流大学に受かった人が何年も浪人して苦しんでいる人に「まあ、学歴だけが人生じゃないから。大学行かなくても幸せになれる時代だし。気にすんなよ。」と言っているようなものです。
一生安泰の資産家になった人が、超貧困家庭の人に「人生金が全てじゃないよ。お金が無くても幸せになれる時代だから。」と言っている気がしてなりません。
CMの演出を見る限り、「70億人の中から奇跡のようにあなたを選んで、まあ結婚しなくても幸せなんだけど、したほうがより幸せだから結婚しまーす」と言っている感じがして強い違和感を感じました。
(「婚活マニュアルZ」より引用)
私も結構これに近い感想かもな、と思ったよ。
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