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漢字多くね?

今朝3時半からずっと仕事してきて淀みきった脳みそで気付いた事実……それは、実務翻訳の翻訳さんって漢字がめっちゃ多い!!

今日18時〆切の翻訳を16時過ぎに納品したあと、長時間使いすぎてバカになったクソヤべー脳みそは「ねぇ、まだまだイケるよ〜、明日やるヤツ、やろっか?」と、悪魔の囁きをしやがりました。久々の長時間労働でメーター振り切ったせいか、頭ン中、満開のお花畑です(笑)。

若干残っていた理性で「いや、この状態でやってもまともな訳は出てこないから」と冷静に辞退するも、ちょっとだけ見てみようと翻訳支援ツールからログアウトする前に明日やる原稿を開いたところ……

初っ端に誰かがサンプルとして翻訳した日本語が、けっこうなボリュームで、ソース言語コーナーに残されていました。これを見た途端、これまで校正したいろ〜んな翻訳さんの訳文を思い出したのです!

どうしたわけか実務翻訳をメインでやっている翻訳者は、訳文中の漢字の割合が激高傾向にあります。一目見ただけで読む気が失せる漢字の量です。あれって、「漢字多め」とか「漢字増し増し」とか、実務翻訳ならではの決まりでもあるのでしょうか?

文芸翻訳というか、私が育ってきた翻訳環境では、漢字とひらがな&カタカナのバランスを調整して、目に優しくて読みやすい文章を作るのがメインでした。これに気付いたのは実務翻訳を始めてからで、編集者たちの文章にインスパイアされて無意識にやっていました。

そんな翻訳をしてきた私がたどり着いた最適バランスは、漢字3割り、残り7割りがひらがな&カタカナ。ただし、ひらがなが続くと読みにくいので、読点で区切れないときには、クライアントの指定で本来なら開く漢字を意図的に閉じて使うこともあります。

漢字の割合が5割りを超えると相当暑苦しい印象で、校正の仕事でも(いや、だからこそか)一瞬萎えることがあります。きっとそういう訳文の翻訳者は漢字をたくさん知っているから、漢字がぎっちり埋まった文章も淀みなく読めちゃうんでしょうね。

でも、私のように漢字の比率が高すぎると内容云々の前に見た目で「無〜理〜」となるおバカちゃんもいるので、ときには訳文をプリントアウトして、自分が作った文章の読みやすさをチェックしてもらえると幸いです。

漢字の割合で文章の第一印象が変わるし、少し減らすだけで読者が「これ、読んでみよう」と思ってくれるなら、こんな簡単なことはありません。前にも言いましたよね、翻訳は他人の目に触れるものだ、と。気軽に読めなければ内容は頭に入りませんよ。

それに漢字とひらがな&カタカナのバランスで、文章の視覚的なテンポやリズムを作ることもできるので、自分の文章がこなれていないと思う人は一度お試しあれ!


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