見出し画像

生成系AIとは競争じゃなくて協働だな

今年初投稿です。

知り合いのFB投稿でChatGPTの存在を知ったのが1月半ば。面白そうなので、仕事のない時に英語や日本語であれこれ質問して遊んでいます。

1月下旬から、いろんなところで“ChatGPTがいかに凄いか”的な動画や記事の投稿が増えてきていたので、ランダムに読んだり、見たりしました。

そこで知ったのが、この御方(=ChatGPTさんね)、しれっと嘘を混ぜるクセがあること。それがあまりにも見事で嘘と気づかない可能性が大きいこと。Perplexity AIで出典を確認する人もいるようです。

ChatGPTさんは英語ベースのチャットボットゆえ、英語圏では子どもや学生の宿題・課題での使用が問題になっているそうです。これは、「対象物を分析」して「それについて自分の意見を文字で紡ぎ」ながら「自分の考えを再認識」するという、未熟な知能・知性を育む過程が外部委託されたってことです。

いやはや、人間というのは生まれついて“ラクを選択する”生き物なのだなぁ…と改めて実感しました。

そうやって知能や知性を外部に委託した子どもが大人になったときに社会に提供できるものって何なんでしょうね? 現時点では想像すらできません。

さて、私の生業である翻訳業への影響ですが、人間の能力を遥かに超えたAIと競争して「仕事を奪われる」と恐れるのはちょっと違う気がします。

人間の能力を遥かに超えた文章量を一瞬で翻訳してしまうところに恐れを感じるのは仕方ないのですが、今のところ、そのクオリティのチェックは人間が“遥かに低い能力”で“時間をかけて”するしかないわけです。

ここでも何度か「翻訳者には編集者やライターの能力も求められる」と書いてきましたが、それだって低単価で一人に多くの役割を任せて、少しでも売上げを増やしたい翻訳会社側の懐事情を反映しただけのこと。“翻訳者の能力向上を促す”とまことしやかに謳っても、所詮はビジネスですからね。

Microsoft BingにChatGPTが搭載されたように、生成系AIを搭載するアプリが今後急激に増えるでしょうし、翻訳支援ツール(CAT)も例外ではないはずです。

そうなると、機械翻訳で翻訳した文章を整えるまで実行できることになるのですが、そこで思い出して欲しいのがChatGPTの「しれーっと嘘を混ぜ込む」クセ。

機械翻訳の変なクセといえば、和文英訳のときに、有料版DeepLに英文を少しずつ変えてインプットして、和文のニュアンスの違いを確認するときがあるのですが、DeepLさん、理解できない単語やフレーズはしれっと無視します(笑)。

これを踏まえて考えると、翻訳者に翻訳以外の複数の能力を求めていた時代は終わり、ソース言語をターゲット言語に翻訳する本来の“翻訳”能力と、機械翻訳のクセを踏まえた“MTPE”能力がメインになる時代がやってくる気がします。

加速するテクノロジーの進化によって変わる翻訳者に求められる能力の変化スピードは予測できないのですが、テクノロジーに強いIT関連翻訳では比較的早い段階でおこると思います。

これを「楽しみ〜😍」と思うか「怖い〜😰」と思うかで、未来は全く違った姿になるはず。あ、私ですか? 五十路のクセして「楽しみ〜🥳」です♪

【近況】数日前にIT翻訳のトライアルを受けたのですが、ネタがサイバーセキュリティアプリ関連記事という本気のIT内容で、ローカライズ程度で得た知識では見事玉砕。もっと修行しなきゃとimaginaryふんどしの紐をキュキュッと締め直す今日この頃です。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?