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ブレない「構成力」を身につける/vol.1

イマイチなクリエイティブの大半は「構成」がブレている

雑誌やWEBサイトのコンテンツをみて「何を言いたいのかわからない」「伝わってこない」と思ったことはありませんか。伝わりにくい編集コンテンツや、情報の羅列で魅力を感じられない広告パンフレットなど、わかりにくいと感じるクリエイティブの多くは、「構成」がブレていることが主な原因です。

このようなクリエイティブにおける「構成」は、いわば映画やドラマにおける脚本のようなもので、役者が素晴らしくても脚本が今ひとつだとドラマの仕上がりが悪くなるように、文章自体や写真そのものが素晴らしくても「構成」がブレていると、クリエイティブ全体としての質が落ちてしまいます。よって「構成力」は、クリエイティブにおける主要スキル、逆に言うと、「ブレない構成」をまず確立させることが、クリエイティブの質を上げる近道です。

私はリクルートに20年在籍し、副編集長に至るまで、数々の編集記事・コンテンツや広告パンフレットなどを制作してきましたが、かつて若手編集者時代に制作した編集記事等でイマイチな評価を受けたものの多くは、構成がブレていたと、今更ながら思っています。

今は独立し、クリエイティブコンサルタントとしてメディア設計やコンテンツ制作、クリエイティブ研修講師として活動していますが、ここで紹介する内容は、制作数を重ねたリクルート編集者経験と、質を問われるフリーランス経験を重ねた今だから言える内容です。私がおこなっている『クリエイティブ研修』においては教育ニーズの高いテーマでもあります。

もしみなさんが私の若かりし頃のように、クリエイティブ考案に苦労されているならば、「ブレない構成力を身につける」ことで今よりも楽に・楽しく制作業務を行って欲しい、と思っています。そんな願いを込めて、ここで私が考えるクリエイティブ制作に必要な「構成力」についてまとめます。


◎今回の内容

・「構成がブレている状態」とは?

・「構成」がブレてしまう主な「原因」

・「構成」をブラさないための「対策」

・「構成」を考えるときにおさえたい「必要項目」


◎対象としている方

・雑誌・WEBなどの編集コンテンツや、広告制作に携わるスタッフ(編集スタッフ・制作スタッフ・企画営業など)で、経験1〜3年くらいの方

・上司・先輩・編集長に企画承認をもらいたいが、なかなか承認してもらえない方

・新規企画を考案する際に、なかなか自分の考えがまとめられない方


◎今回の位置付け

企画を発想し、発表する(承認をもらう)までを一連の業務の流れとした場合、「構成力」は、まず一番最初に身につけたい力と考えています。



■「構成がブレている状態」とは?

問題解決の最初のステップは、まず現状把握からです。「構成がブレているクリエイティブ」とはどんなものか、まずここでいくつか例をあげてみますので確認してみましょう。

・「タイトル」と「内容」がズレている

タイトルから想定した内容になっていない、タイトルから読みたいと思った内容がどこにも掲載されていない、など。

・「ページ展開」のつじつまがあっていない

今のテーマから次へのテーマの展開が唐突、など。

・構成要素の選択・掲載理由が曖昧

企画目的を達成しない構成要素(文章・写真・図・イラストなど)が掲載されている、対象読者が見たいと思う構成要素ではない、など。

「構成がブレる」とはつまり、そのクリエイティブが「論理的でない状態」を示します。人は論理的でないものを提示されると、理解できずに拒絶反応を起こします。例えば編集コンテンツであれば、読者が途中で離れたり、相手にされず読み飛ばされる、広告パンフレットであれば、伝わらずにすぐ捨てられる、ということになるでしょう。努力して作成したのに相手にされないなんて、こんな悲しいことはありません。

もしあなたが「形として掲載すれば、読者はすべて目を通してくれるはず」と思っているとしたら、今ここですぐに改めてください。(あなた自身も、面白くない・興味のない・ウザいと直感的に感じたコンテンツ等は、さっさと読みとばすか、気に入らないと削除しているはずです)。読者に「好き・嫌い」と思われる前に、まずは「理解してもらう」状態を作らないといけません。


■「構成」がブレてしまう「原因」

なぜ構成がブレでしまうのでしょう。

主な理由として3つあげてみます。

・理由1

構成を考えるときに、考慮しなければいけない観点(必要項目)のヌケモレが発生し、仕上がりを見たときにブレた構成にみえる。

・理由2

構成を考えていくうちに、気になるところが増え、修正していくうちにどんどんブレてしまい、全体として一貫性を欠いたものになってしまっている。

・ 理由3

考えた企画が自分以外の人には伝わっておらず、企画が承認されない、もしくは、赤入れによる追加・変更を余儀なくされ、それが理解できないまま制作をし、結果ブレたままとなっている。

これらは自分の経験に加え、実際クリエイティブ制作に携わっている人たちの声をまとめたものです。どうでしょう? 思い当たる部分はあるでしょうか。もし該当する部分があれば、もうダイジョブ。構成がブレてしまう理由がわかれば、あとは対策を練るだけです。


■「構成」をブラさないための対策

対策として2つポイントをあげてみます。

・ 構成考案時に考慮しなければいけない「必要項目」をおさえる

伝えたいことを明確にするためにも、まず「構成」を考える際におさえなければいけない「必要項目(おって説明します)」を把握しましょう。必要項目をひとつひとつ考えながら、全体をとらえ俯瞰してみたときに、一貫性があるかどうかを常に確認していくことが大事です。

・ 考えた「構成」を理解してもらえるよう「伝える努力・工夫」をする

あなたの考えたことは、あなたしか理解していない状態です。伝える努力をしないと、自分の考えていることは理解してもらえません。承認を得たい、という場合は、先輩・上司・編集長などに伝える工夫、誌面で伝えたい、という場合は読者に伝える工夫を、今よりも少し意識してみましょう。「こうすれば伝わるかな」という工夫を、発信前に意識するだけで結果は変わってくるはずです。


■「構成」志向ステップ 

<構成を考えるときにおさえたい7つの必要項目>

構成を考えるときにおさえたい観点を「7つの必要項目」としてあげてみます。

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クリエイティブコンサルタント&編集ディレクターをしている中村美紀です。クリエイティブの考え方やスキルアップのポイントを紹介しています。たまに思いついたことをつぶやきます。国家資格キャリアコンサルタントでもあります。詳しくはこちら。https://miki-nakamura.com
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