No.098「すきやばし次郎」の思い出 / その1
No.098「すきやばし次郎」の思い出 / その1
1970年代後半、20歳代より、連れ合いの由理くんと、定休日の水曜日を中心に、都内のあちらこちら、料理の種類を問わず、よく食べ歩いた。美味しいものを食べたい気持ちのほかに、別の動機も働いた。酒屋商売の日常が関係していた。
酒屋商売は楽しかったが、日常の食事の環境は良いとは言い難かった。特に夕飯に関しては、店舗を開けていながらの食事で、お客さんが来ると中断せざるをえなかった。商売人の家に生まれた僕は、それほどの抵抗はなかっ