見出し画像

【お知らせ】ウェブマガジン・アパートメントさんでエッセイの連載が始まりました。

 ウェブマガジン「アパートメント」さんで、エッセイの連載をさせていただくことになりました。全8回、毎週水曜日更新です。第1回はこちら!!

CRAZY TANGO DIARY #1  恋の終わり、タンゴのはじまり

 アルゼンチンタンゴにハマっている。聴くのと踊るのと両方だ。週に1回か2回はレッスンに行き、家でも毎日30分から1時間は練習をする。朝起きたらタンゴのCDかコンサートのDVDを流す。

 いったいなぜ? きっかけは?

 その質問に対して、端的に答えるならこれしかない。「嘔吐です」だ。サルトルの書いた小説のことではない。リアルな、肉体的行為としての嘔吐である。



 ほんの3ヶ月ばかり前のことだ。同棲していた男と別れた数日後の真夜中に、私は心身のあらゆる限界を証明するような大量のゲロを吐いた。

 謎の寒気と発汗に襲われ、床でのたうちまわり始めてから数時間がたっていた。腹の底から突き上げてくる不穏な衝動を感知した瞬間、私は最後の力をふりしぼって台所のシンクに飛びつき、胃に入っていたものすべてをぶちまけたのである。横で誰かが見ていたなら、私のことを「千と千尋の神隠し」に出てきたカオナシのようだと思ったに違いない。そのくらい派手な吐きっぷりだった。

 シンクいっぱいに胃酸の強烈な匂いがした。両眼からは生理的な涙がぼたぼたこぼれ落ちた。……

 ……というわけで。noteの日記にも書かないでおいた、最近の恋愛の終焉についても織り交ぜつつ、最近ハマっているアルゼンチンタンゴについて情熱の赴くままに書いて参ります。

 体を動かさなきゃ、何か楽しいことしなきゃという一心ですがりついたタンゴだったのですが、予想を遥かに超えて楽しく、また形而上的な学びに満ちているので、感じたことをあれこれと書いていけたらと思います。なお、タンゴのことをまったく知らないでこの記事を読む人のために、小池による勝手極まりないタンゴレクチャーのおまけもつけてるよ。

 タンゴへのイメージが「だんご3兄弟」でできあがっているそこの我が同世代たち! タンゴはもっともっと優雅で、混沌としていて、なのにシンプルなとても美しい世界なのですよ。人間の業を深く飲み込んでゆくタンゴの世界、少しのぞいてみませんか。

 というわけで、二ヶ月間よろしくお願いいたします。


 タンゴ〜〜〜(失笑)? と思ってしまう人はとりあえずこの動画でも見て!


CRAZY TANGO DIARY #1  恋の終わり、タンゴのはじまり

読んでくださりありがとうございました。「これからも頑張れよ。そして何か書けよ」と思っていただけましたら嬉しいです。応援として頂いたサポートは、一円も無駄にせず使わせていただきます。