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SaaS Designers Meetupを開催しました

今週の月曜日、SaaS Designers Meetup vol.02 - SaaSデザイナーの喜怒哀楽と題したイベントを開催させて頂きました。

ご来場いただいた皆様、ご登壇頂いたスピーカーの皆様、そしてスポンサーとしてイベント開催にご協力頂いた皆様、誠にありがとうございました。

ちなみにイベントに関するTwitterは下記にまとめさせていただいたので、追って頂くと雰囲気などがわかるかと。

ここではせっかくなので、このイベントについて簡単に書き残しております。

そもそもの発端は?

弊社ANKR DESIGNでは様々な企業のプロダクトデザインに携わる機会を頂るのですが、それらプロジェクトの中で、ひとつの気付きがありました。

それはBtoCプロダクトに関するノウハウって世の中に結構あるのに、BtoBプロダクトのノウハウって、あんまり世の中に出てないのではないか?ということ。そんな想いから出てきたツイートがこちら。

このツイートのあと、Ubieの畠山さんと、SPEEDAの平野さんを巻き込んで、イベントの企画を進めさせて頂きました。このイベントの直後に会場と日程を決め、どなたにお話をしていただくかを話し始めるというスピード感でした。

ちなみに今回の登壇をお願いした基準は、我々が話を聞きたいかどうかです。主催者特権です。本当にありがとうございました。

どんな方にご登壇頂いたの?

今回ご登壇頂いたのは、ファームノートの秋山さん、アルプの山下さん、クラウドサインの佐伯さん、アトラエの竹田さんです。

いずれもBtoBプロダクトではあるものの、農業、経理、法務、人事とドメインはそれぞれ異なりますし、企業としてのステージも様々。ファームノートさんは現在成長中のスタートアップですし、アルプさんはこれからプロダクをリリースする段階。弁護士ドットコムさんやアトラエさんは上場企業ですがクラウドサインやwevoxは社内新規事業という立ち位置です。

これらそれぞれの立場から、プロダクトデザインについてお話頂きました。

どんな内容だったの?

大変ありがたいことに、各登壇者がスライドを公開頂いて居ますので、そちらをご覧頂くのが良いのかなと思っています。

弁護士ドットコム株式会社 佐伯様

アルプ株式会社 山下様


株式会社アトラエ 竹田様

(なお、ファームノートの秋山さんのスライドは公開されていません。)

印象に残っていることは?

ここから先は、私の主観がめちゃくちゃ入っていることをご理解ください。

SaaSプロダクトはこれまで以上に顧客との共創視点が重要になってきます。これまでの売り切り型のプロダクトにおいては、悪く言ってしまえば「売ってしまえばこっちのもん。あとは知らない。」ということもできたわけですが、SaaSは毎月の課金型のビジネスモデルが前提なので、売ったあともお客様に使い続けて頂く必要があります。

ファームノートさんのトークより

プロダクトを開発する上で、対象となる領域については当然のことながらリサーチを行うわけですが、いくらリサーチしたところで、牛のことについては専門家である酪農家さんや、獣医師さん以上にはわからないわけです。

そういう状況ですと、一番効率が良いのはプロダクトが対象とする領域の専門家、つまり獣医師さんや酪農家さんをデザインプロセスに巻き込んでしまうことなのですね。

これって言ってしまえばCo-DesignであるのですがSaaSプロダクトの開発においては非常に効率的な方法なのですよね。

またトークの中では、このプロセスを取り入れるために重要な点を下記のように挙げられていました。

・自分のこと・相手のことを知る
・自分・相手・チームのゴールを設定してあげる (ゴールを揃える)
・コラボレーションしやすい環境を作る

これはまさに!という感じですが、専門家とのコラボレーションをプロダクトデザインのプロセスに取り込もうと思うと、結局のところこのあたりをしっかり考える必要があって、そうなるとデザイナーの役割ってのはファシリテーション的なところに落ち着いたりします。

これを「デザイナーの役割」と言ってしまうと、すんなり受け入れられる人と、そうじゃない人が居るのかなとは思いますし、これまでビジュアル領域で活躍していた方が、ファシリテーション的な役割に移行する必要があるとは思っていませんが、新しいデザイナー像のひとつして認知されていくスタイルだと考えています。

アルプさんのトークより

アルプさんのトークはDomain Driven Designに関する内容がメインでした。

デザインプロセスについてはファームノートさんのトーク内容とも共通する部分もあるのですが、プロダクトを適切にデザインするためには現場で何が行われているかを適切に理解する必要があります。

現場で実際に何が起こっているのかを理解したうえで、プロダクトのカスタマー、あるいはユーザーがどのようなにプロダクトと接して、どのような価値を得ることができるか?もう少し具体的には、アプリの中でどのような遷移をして、どのような入力をするのかというシステムの振る舞いについて検討していくわけです。

が、果たしてこの内容をどのようにしてプロダクトに関わるチームで共有するのが良いのでしょうか。アルプさんではDDDと呼ばれる手法を用いて、これらをUMLなどの形で文書化し、それをもとにUIデザインやコードを作り上げていくとのことでした。

プロダクト開発中には様々な問題が出てきます。例えばデザインが何かおかしい、矛盾がある、などと気づいたら、まずはモデルを修正し、それに合わせてデザインを修正し、必要ならコードをそれぞれ修正する、といったフローになっている。常にモデルを正とすることを心がけるわけですね。これによって、要件やオペレーションフローの理解が揃う。リモートのメンバーでもキャッチアップ可能になります。

もちろんこのドキュメントをメンテナンスするのは容易ではありません。アルプさんでは専任の担当者を置いているそうです。SIerなどであればドキュメンを神とする文化はままあるのかなとは感じることもあるのですが、スタートアップでここまで徹底しているのはすごいなぁと思ったり

クラウドサインさんのトークより

Cloudsignは契約の締結の部分(紙とハンコの部分)を置き換えるプロダクト。いまのところは契約書を作る部分はやらないと決めているそうですが、これは「作成」までやってしまうとMVPではなくなってしまうからとのこととのことでした。確かに、契約書の作成って、様々なユースケースが存在していて、それ全部カバーしようとすると結構大変なんですよね。それよりは契約の部分にフォーカスをあててしまってプロダクトを磨き上げるというのも1つの戦略なのだろうなと思いました。

もう1点、クラウドサインの佐伯さんのトークの中で出てきたトピックの中に、「ホールプロダクト」の概念がありました。これはプロダクトとは、機能や見た目だけではなく、ブランディング戦略、サポート、サードパーティの資料、周りからの見え方などすべて含めてプロダクトであるという考え方。

プロダクトをどのユーザーにどのように届けるのか?そのためにどのようなブランディングを行うのか?SaaSデザイナーは広い視野と幅広い知識が必要であるとのことでした。

Wevoxさんのトークより

アトラエの竹田さんからはチームの体験をデザインするというテーマでお話を頂きました。

発明王として知られるエジソンの例だったり、Googleやピクサーなどの例が出てきたのですが、強い組織は文化を大事にしていると言うことをご紹介頂き、強いチームを作るにはどうすればよいのかについて言及頂きました。

「チーム」というのは、現在のデザイントレンドでホットなトピックであることは間違いありませんし、デザインプロジェクトというものは突き詰めていくと結局のところ組織のデザインになってしまうことは珍しくないのです。

特定の課題、例えば顧客満足度を向上させる、などでも良いのですが、そういったゴールに対するソリューションを提案するためにリサーチを重ねていくと、組織間のコミュニケーションであったり、組織内でのコミュニケーションだったりなど、視点は組織によって様々であるのですが、組織の仕組みを情報整理し、デザインすることによって様々な問題が解決しパフォーマンスが向上するような例を私自身多く経験しています。

この組織デザインは今後ますますホットなトピックとなっていくことでしょう。

おわりに

以上、ざっくりと説明してしまいましたがこれらトークだけではなく、その後のパネルディスカッション、あるいは懇親会で様々な話題で遅くまで盛り上がっておりました。会場を提供してくださったユーザベースさん、本当にありがとうございました。

今後も、業界を盛り上げるためにもこの種のイベントを継続して開催していけると良いなと考えており、そのためには皆様のご支援・ご協力が欠かせません。

- ○○さんの話を聞いてみたい!あるいは俺に話をさせろ!
- 懇親会、あるいは会場提供をスポンサーとして協力できるよ!
- こんなテーマを扱って欲しい!

など、どんなことでも結構ですので、お気軽にご連絡いただけますと大変うれしく思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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