2歳児は「ひとまねこざる」

子育て中の友人が「最近、携帯やPCなど私がやっていることに割り込んできてイライラする」とこぼしていたので、コメントしようと思ったのだけど、わが子のことを思い出していたら長くなりそうなのでnoteにしました。

2歳児というと、絵本『ひとまねこざる』の主人公「おさるのジョージ」を思い出す。ジャングルから初めて人間社会にやってきて、見るもの聞くものすべてが新しくて、おもしろそうで、ぜんぶやってみたい。まねするんだけど、完璧にできるはずものないので失敗ばかり。人間から見るといたずらにしか見えないけど、本人からしたら真剣にやっているんですよね。怒られると一瞬はしゅんとするんだけど、すぐにまたきょろきょろして、次々とやらかしてしまう。

2歳児も同じようなものではないだろうか。
何度言って聞かせても、言うことを聞いてくれない。
「何度同じことを言ったらわかるの!」大人はつい怒ってしまう。なまじ、言葉が通じるようになったから、言って聞かせれば伝わると思うのだ。

でもね、子どもって大人とまったく違う生き物なんですよ。

考えてもみて。二歳児になったつもりで想像してみて。ほんのちょっと前まで、寝たきりで、その後ハイハイして、やっと二本足歩行になって、初めて手がつかえるようになったの。泣くことしかできなかったのが、聞いた言葉を貯めて、少しずつしゃべれるようになったのです。早い子でも意思伝達ができる二語文がでるのは1歳半くらい。それなのに3歳には入園、先生の言うことを聞いて集団生活ができるようになる。つまり、たった2年で母語を習得する。全く知らない言語を、何も教わらずに、ただその環境にいるだけで2年で完璧にコミュニケーションできるレベルまで自修するの、凄くない? 2歳児の記憶力は驚異的です。働く車の種類とか、脈絡のないことも好きなことだったら無限に覚えたりする。

この自修プロセスを支えるのが、本人の中に芽生えた何でも知りたい好奇心と思った瞬間に躊躇せずやってみる行動力。何でも知りたい、やってみたい。特に、大好きなママがやっていることは「いいこと」「楽しいこと」だろうから、絶対に真似してみたいのです。『ひとまねこざる』の原題Curious George そのままに。

そう考えると、「真似しちゃだめ」というのはもったいない。せっかくの黄金期の学習効果を台無しにする。むしろ、大人が真似されてもいい環境を整えていくのがいいんじゃないかなと思う。そういえば、長男が2歳のころは、子どもが昼寝している間に、夕飯の下ごしらえしておいて、温めるばかりにしておいたりしたなあ。キッチンの一番下の引き出しから缶切りとか危ないものを全部だして、タッパーなど安全なものに入れ替えたっけ。そうすれば、開けちゃダメって言わなくていいし、台所仕事している足元で引き出しの中身を出し入れして遊んでいた。

子どもができて今までの自分を変えなくてはいけないと思うとストレスになるから、子どものおかげで自分の生活スタイルを見直すきっかけになったと思うと、変化も楽しむ余裕になるかもしれない。一度、じっくり観察してみたらどうかしら。子どもの行動ってすごくおもしろいから。私はそれで育児日記をつけ始めました。子育ては「つのつく」(ひとつ、ふたつ……ここのつ)、と聞いたから10年日記にして気長に観察することにしたら、少しイライラが減りました。

加えて、絵本にはやんちゃ坊主の見本がいっぱいいるから、うちの子だけじゃないって安心するかも。スマホを閉じて、絵本の読み聞かせしてゆったり過ごすと、親子ともに落ち着きますよ。


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