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「オマエ最低なヤツだな」

エレベーターの中で
2人だけになったとき
その人はいきなり言い出した。

オマエ最低な奴だな!
一生まともな友達できないぞ!

27〜8年くらい前の出来事。
遠い遠い前世の
ひとこまみたい。

何を言わんとしているか
それはすぐにわかった。
それにしても情けない。
怒鳴る姿を他の人に
見せたくないのだろう。

彼は次の試合も
私と組んでエントリーする
つもりでいたのだ。

すでに他の人と組んで
申し込みしていることを
誰かから聞いたに違いない。

試合会場へ向かう
エレベーターの中だった。
もうすぐ会場に着く。

誰と組もうと私の自由です。
それから、これからの私の人生に
とやかく言われる筋合いは
いっさいありません。

そう、きっぱり言った。

エレベーターの扉は
もう開いていて
バドミントン仲間が
ぎょっとして私達を見ている。

すたすたと降りて
試合会場へ向かい
ウオーミングアップをする。

しばらくして彼は言った。
憑き物がとれたかのような顔で。

オマエ、すごい奴だな。
今日はよろしく。
いい試合をしよう。

人が怒りを放つとき
そこにはたいてい
満たされなかった期待や
わかって欲しいという
切なる感情がある。

アナタにはわかってもらいたかった。
こんな風に扱って欲しくなかった。

誰かが怒鳴ってきたら
思い当たることがあって
謝るべき場合には
素直にあやまる。

なにも言われる筋合いが
ないとしたら取り合わない。

キレた相手を逆なでせずに
いらない感情やエネルギーを
受け取らずに受け流す。

それでもおさまらない相手なら
さっさと離れるのが賢明。

ワタシだって生き物だ。
罵声や怒鳴り声を
浴び続けたら細胞が枯れる。
うだうだグチグチもまっぴら。
だから物理的に距離をとる。

植物のしなやかさと
すべてを受け入れる姿勢は
尊敬に値するけれど
動ける体をもっていてよかった。

おはようございます。
楽しい1日を。

(はてなブログ「アレコレ楽書きessay」2021.12.2 転載)

Grazie 🎶