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膝が痛い時に知っておきたい3つの改善策

体重を乗せた時に膝のお皿の周りにピキッと走る尖った痛み。

階段を登る時、走る時、ジャンプする時、運動の最中や後に、場合によっては次の日にも走る、あの痛み。激痛ではないけれど顔が一瞬だけ歪みます。

転んだり打ったりした覚えはないんだけど、どこからともなく現れて毎日の生活や運動に支障をきたすんだよなあ。やっかいなヤツめ...。

これは、そんな膝の痛みを抱えている人にぴったりの記事です。


◆痛みの原因

膝痛といっても色々あり、ほとんどの場合、考えられる痛みの原因は1つではありません。

歩き方の癖、身体の使い方の癖、過去の怪我、過去にやっていたスポーツ、妊娠、生まれ持った関節の柔らかさ、生まれ持った関節の形、日常的に繰り返される同じ動作(仕事など)

色々な原因が重なった結果、膝に覆っている筋肉や腱が硬くなって膝にかかる圧(ストレス)が上がったことで痛みにつながります。

大腿四頭筋という前ももの筋肉、名前だけでも聞いたことがある人も多いかもしれません。この筋肉は股関節と膝関節にかかる4つの筋肉の束をまとめた名称で、身体の中で1番体積の大きい筋肉です。

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この筋肉と、太ももにあるその他の筋肉(腸腰筋、縫工筋など)が使いすぎやメンテナンス不足で硬くなると、関節の動きに支障をきたしたり、関節内の隙間に影響が出て、痛みとして現れることがあります。

どれくらい硬くなると痛みになるか、どれくらい使いすぎると痛くなるかは人それぞれ。利き足と反対の足でも痛みの出方は異なります。

普段の生活で筋肉が硬くなり関節にストレスがかかっている状態で、なにかの拍子にさらなる圧がかかると、その瞬間に痛みが走ります。体重をかけた時にピキッと感じるのはそのためです。


◆どんな人がなりやすいか

前ももの硬さが原因でくる膝痛は、趣味やダイエットで走る人、スポーツをする人、ヒールを履くことが多い人、ウォームアップやクールダウンをあまりせずに運動をすることが多い人に起こりやすいです。

特に、運動はよくやるように心がけているけどその前後に仕事や学校で座ることが多い人は大腿四頭筋を使う量とメンテナンスの量が合わず、筋肉がOFFになるのが苦手な状態(過活動)になり、硬くなりやすいです。

筋肉は、使いすぎても、使わなすぎても硬くなります。
あなたが感じている痛みは、脚の活動量と回復のペースが合っていなかったり、全回復を促すメンテナンスに頻度が不足しているサインなんです。


◆改善するには

膝関節にかかる圧を減らして痛みを軽減するためには、大腿四頭筋をはじめとする前ももの筋肉のメンテナンスが必須です。
筋肉の仕組みが分かるとメンテナンスがやりやすくなるので、まずはこちらの画像をご覧ください。

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細い『筋繊維』のあつまりをまとめて『筋膜』が束ねることで『筋肉』という束を成しています。スパゲッティの束のような構造をイメージすると分かりやすいかもしれません。

筋繊維にも筋膜にも柔軟性があって、それぞれが伸びたり縮んだりすることで筋肉は形を変え力を発揮することができます。

それが使いすぎたり使われないことが多くなると、ところどころホッチキスで留めたようにロックがかかるようになります。ホッチキスがかかる箇所が多くなるほど筋肉は柔軟性を失い、伸ばすのも短くするのも難しくなります。

このロックはよくトリガーポイントと呼ばれ、関節の痛みのような問題の引き金(トリガー)になることが知られています。

一旦このロックがかかってしまうと、例えばストレッチやヨガをしたところで、伸ばせる部分ばかり伸ばすことになり、今度はロックがかかっていない所が使われすぎてしまいます。そうすると、良かれと思ってやってることが別の怪我の原因になることもあります。

筋肉のメンテナンスで重要なのは闇雲にストレッチやマッサージをするのではなく、まずはターゲットを絞ってこのトリガーポイントを減らしていくことです。
それから、また前ももばかり使って同じ状況に戻ってしまわないように、身体の中で筋力のバランスを整えることが必要になります。


◆3つの改善策

メンテナンスで必要なのは3つのステップ:
①トリガーポイントを減らす
②ストレッチで筋肉を伸ばせるようにする
③前ももばかり使われるようになってしまった原因である弱った筋肉(お尻、もも裏、体幹)を活性化する

①フォームローラー

本当はマッサージが毎日受けられたらいいんですけど、それくらいの贅沢ができる人はなかなかいないと思うので、マッサージと似たことを自分でできるようにフォームローラーを購入するのをオススメします。

ももの外側、正面、内側の全てをローラーでほぐします。画像は早送りですが、ゆっくりの方が刺激が深くまで届きやすいです。筋繊維の流れに沿って秒速1cmくらいで動かします。

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痛いところがトリガーポイント。つまり焦点を当てるべき箇所です(痛いけど...)。ゴリゴリとやりすぎても良くないので、片面2分程度を目安に始めてみてください。

何年もかけて積み重ねた疲労です。数日で治そうと短期集中はせず、1分でもやれる時にやって、この先何年も続けられるようなペースでやりましょう。

私が使っているのはランブルローラーといって、フォームローラーだと効かなくなってきた人向けです。いきなりこれからスタートすると痛すぎて逆効果になっちゃうので、柔らかいやつからスタートしましょう。(スパルタな方が効果があるという訳ではないんですね)

②ストレッチ

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股関節を開き切った状態で20秒保つ。これを各脚3セット。

今までロックがかかっていた所がローラーで緩んだので、その部分を伸ばすようなイメージです。息が止まりやすいので、20秒声に出して数えるのもいいかもしれません。

腰が痛くならないように尾てい骨をしまうのがポイントです。あまり長く保つと血流が滞って足先がビリビリしてくるので、これで足りないと感じる人は長く保つのではなく、回数を増やすようにしましょう。

③もも裏とお尻の活性化

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バランスをとりながらゆっくり10回。各脚2−3セットが目安です。

よーいどん!の姿勢をとると、お尻を上げた時から立ち上がるのにかけて、もも裏が伸びている感覚があります。刺激は主にもも裏お尻に入るべきなので、この姿勢で前ももふくらはぎが痛くなる人は姿勢が間違っている可能性があります。

鏡で見たりビデオを撮ってみて、膝が前に出ていたり足指が床から離れていないか確認してみましょう。

姿勢が合っているのに前ももにばかり刺激が入ってしまう場合は、使われすぎることに慣れた大腿四頭筋の「私がこの仕事する!他の筋肉にはやらせない!」という悪い癖です。

この運動を始めるのは少し待って、大腿四頭筋の過活動が落ち着くまでローラーとストレッチを繰り返してみてください。

◆気をつけること

- 膝の痛みをとるためにできることはもっとたくさんあります。水分摂取量、ストレス、睡眠の質、歩き方・走り方、姿勢、栄養など、1時間のパーソナルセッションでも足りないほど。

もしこの3つの改善策を数週間続けても痛みが引かない場合は、大腿四頭筋の他にも痛みの原因がある可能性があります。普段の生活の中で改善できる部分を探してみましょう。(この詳細については、また別の記事で触れますね!)

- 膝の痛みが、転倒や接触事故によるものであれば、膝の構造自体が原因となっている可能性があるので、この記事の内容は無視して、医師にみてもらってレントゲン等をとってもらってください。

- 関節の形や筋肉の長さは人それぞれ異なります。私がやっている姿勢と同じ角度では他の人には効かないということもありますので、「自分の身体が伸びていると感じる角度はどこかな?」と探りながら自分の正解を見つけるようにしましょう。

痛みは身体の中に異常があるサインです。無視せず、無理せず、痛いなら止める。車のパーツみたいに古くなったから変える、なんてことのできない膝関節です。しっかり向き合って大事に扱ってくださいね!


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