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【長夏は「脾」をいたわろう】

日本では季節を四季と呼び
春・夏・秋・冬で分けています。

薬膳の基本的な五行の考え方では
万物は「木・火・土・金・水」という
五つの元素からなるとされ
季節もそれに対応させて考えます。

これを「五季」といいます。

五元素との対応は次のとおりです。
「木→春」
「火→夏」
「土→長夏」
「金→秋」
「水→冬」

「夏」の次に位置付けられている
あまり聞いたことのない
「長夏」とはなんでしょう。

これは中国で夏の終わりに訪れる
長雨の時期を指します。
ちょうど気候的には
日本の梅雨や台風の季節など
湿度の高い季節と同じような感じだと
考えていただいていいと思います。

なので今回は
梅雨のこの時期に「長夏」の記事をアップします。

薬膳では
長夏は「脾」の機能が高まる時期だと考えます。


脾? 脾臓? 脾臓ってどんな臓器なのか
よくわからないかもしれません。
広辞苑でひくと
「老廃した血球の破壊、血中の異物や細菌に対する免疫の機能をもつ」
とあります。

しかし薬膳でいう「脾」は
脾臓そのものというよりも
消化器官全般と解釈するとわかりやすいと思います。
食べたものを消化吸収したり
栄養を必要なところに運んだりする役割を担う部分を
「脾」と名付けたのです。

先天の精
後天の精
という言葉があります。
精とは、体の基本です。
エネルギーの源ともいえるかもしれません。
先天の精は、両親から授かり持って生まれた
天賦の精のことです。
そして後天の精は、食事によって体に取り込まれる精です。
つまり消化吸収を司る「脾」は
後天の精を体内にとり入れるという大切な役割をもっているのです。

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この表を見ると長夏の季節には
「湿」という気があてはめられていますね。

五気はその季節の特徴で
後ろに「邪」という文字をつけると
その特徴が悪さを表すと考えます。

この季節は「湿邪」に注意というわけです。

しかも「脾」は
「喜燥悪湿」といって
乾燥に強く湿気に弱いという性質があります。
これはケアせねばなりません。

消化が良く
甘いものをいただきましょう。

甘いものといってもスイーツではありませんよ。
ごはんとかトウモロコシとか
自然の甘味の食材のことです。

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