安藤 未希

株式会社インフォハント 代表取締役 | 一般社団法人リトマス 理事 | メディア情報リ…

安藤 未希

株式会社インフォハント 代表取締役 | 一般社団法人リトマス 理事 | メディア情報リテラシー | ファクトチェック | 小中高大出張授業 | 教員企業研修 | 司書資格 | 在住歴:東京・クアラルンプール・トロント | 旅人 26ヵ国 47都道府県 | 東京出身東京在住

マガジン

  • データから考えるメディア・情報リテラシー

    メディア・情報リテラシーに関連するデータを紹介しながら問題点について考えます。

  • 授業・講演

  • 『株式会社インフォハント』ができるまで

    2022年4月1日に設立した株式会社インフォハントが、法人として色いろ整っていく過程を公開します。

  • カナダのメディアリテラシー教育

最近の記事

海外で拡散された能登半島地震関連の誤情報

日本時間1月2日あたりから徐々に海外のファクトチェックメディアが自国で拡散された能登半島地震関連の誤情報の検証を行い発表していました。すべてのファクトチェック記事を確認することはできませんが、Google Fact Check Toolsに登録されている記事にはどのようなものがあるか確認してみました。 ※海外の記事のリンクは、Google翻訳などで簡単に日本語に訳すことができます。気になる方は読んでみるのも良いかもしれません。 多くは東日本大震災の時の映像の使いまわし 圧

    • 実は子どもより大人の方がわかってない!?メディア情報リテラシー

      メディア情報リテラシーを広めるための活動をしている、と教育関係者に言うと、「子どもはよくわかっていないから大切ですよね」と言われることがあります。 でも打合せをしたり、実際に学校で子ども向けに授業をさせていただくと、「私も知らなかったことがたくさんあって勉強になりました」と大人から言っていただくことも多いです。実は大人もよくわかっていない、それがメディア情報リテラシーなのだと思います。 それはインターネットの発達によって、大人が子どもの時にはなかった情報収集経路ができたことや

      • 意外と知られていない?日本が誇る世界的ブランドNoritake

        先日、名古屋にある世界的に有名な陶磁器メーカー「ノリタケ」の施設を訪問した。とてもよかったので、愛知出身の友人知人にその感動をお伝えしたら、皆、ノリタケについてよく知らないようだった。それは非常にもったいないので、ここでも感動したことについて書いておくことにしました。  私がNoritakeに興味を持ったのはブルネイでの出会いから 私はもともとNoritakeの存在は知っていたが、具体的にNoritakeに興味を持ったのは、2015年、ASEAN諸国の一国であるブルネイ・

        • 1日のんびり滞在したい みんなの森 ぎふメディアコスモス

          行ってみたい図書館にはGoogleMapにピンを付けている私。お仕事で岐阜にお伺いすることになったので、迷わず「みんなの森 ぎふメディアコスモス(岐阜市立中央図書館)」への訪問を決めた。 Library of the Year 2022 優秀賞のその図書館は居心地がよく、1日のんびり滞在したい場所でした。 ぎふメディアコスモスとは? ぎふメディアコスモスはJR岐阜駅からバスで約15分、岐阜市役所の前に位置しています。 1階の様ざまなスペース 建物に入ると全体的に余裕の

        海外で拡散された能登半島地震関連の誤情報

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        記事

          継続的な講座をやっていて良かったと思う時 ~知識は実践することで身に付く~

          毎月第一土曜日の夜は、「メディア情報リテラシーを学び考える自主ゼミ(以下「自主ゼミ」)」を行っている。8月は第11回目だった。毎月私も楽しく行っているけれど、今月は特に「これこそ私がやりたいと思っていたこと」ができたと感じているので、そのことについて書いていこうと思う。 「メディア情報リテラシーを学び考える自主ゼミ」とは? 「つながるキャンパス」の24歳以下を対象とした「社会連携ゼミ」の枠の中で実施した、「メディア情報リテラシーを学び考えるゼミ(以下「ゼミ」)」のゼミ生の

          継続的な講座をやっていて良かったと思う時 ~知識は実践することで身に付く~

          「理不尽なこと」は起こらない ~主語を変えて考える~

          毎日生活をしていれば、色いろな人と繋がりが生まれ、色いろなことが起きる。何かが起きた時に「理不尽だ」と感じることがあるかもしれない。でもそれは本当に「理不尽」なのだろうか。「理不尽」であるとラベルを貼ることで考えることを放棄していないだろうか。  「理不尽」を辞書の意味から考える まず、理不尽の意味を調べてみる。デジタル大辞泉に載っているのは、以下の通り 道理の意味はこちら これを考えていくと、「正しいすじみち」や「正論」とはなんだろう、それは誰が決めているのだろう、

          「理不尽なこと」は起こらない ~主語を変えて考える~

          私がファクトチェックに関わる理由 ~正しい事実の認識は平和への第一歩~

          私はファクトチェック専門メディアの『リトマス』の運営に関わってる。活動をする中で「ファクトチェック」という言葉にネガティブな感情を抱く人が一定数いることを知った。それはどうやら、ファクトチェックという行為が「上から目線」であると思われるからのようだ。確かに理解できないこともない。自分の発信した情報が事実ではないと言われたら、誰でも良い気持ちにはならないだろう。私だってファクトチェックの対象になりたくないと思う。でも、それでも私はファクトチェックが必要だと思うし、ファクトチェッ

          私がファクトチェックに関わる理由 ~正しい事実の認識は平和への第一歩~

          情報には対象年齢がある

          ほとんどすべての学校では一定のサイトへのアクセス制限をするフィルターがかけられている。当然だ。変なサイトに不用意にアクセスしてトラブルが起きるのを防ぐためだ。私が外部講師として授業中にサイトにアクセスする必要がある時には、事前にアクセスできるか確認をしてもらっている。だが、稀に授業の流れで想定外のサイトにアクセスすることがある。そして稀にブロックされる。そんな時、児童生徒は何と言ったか。「先生!フィルターの外し方教えてあげるよ!」。そして教室には微妙な空気が流れる。  フィ

          情報には対象年齢がある

          知識ゼロからの調べ方

          最近、高校生とお話しをする中で、知識のないことについてゼロから情報収集をして体系的に理解することは結構難しいのだな、ということを改めて実感したので、私がおすすめする情報収集の方法について書いておこうと思う。 本人はしっかり調べている 最初に言っておくと、その高校生はとんでもない高校生だった。見ず知らずの私に非常に丁寧な文章で「メディアリテラシー」について聞きたいことがあるから話をする時間がほしい、と連絡をくれたのだ。Zoomで話をしてみると、特に学校の課題というわけではな

          知識ゼロからの調べ方

          誰が、誰に向けて、どこで発信した情報か ~韓国の観光地『景福宮』の情報から考える~

          私が景福宮を訪れた日は、大雨と小雨を繰り返す雨の日だった。観たかった守門将交代式と光化門交代式は雨のために中止で残念だったが、1日に2回行われる無料の日本語ツアーに参加することができた。しかし、なんとお客は私一人。流暢に日本語を操る同世代の韓国人女性のガイドさんとのマンツーマンのツアーとなった。  ツアー開始直後に知らされた衝撃的情報 「景福宮は日本に2回破壊されていますが、ご存じでしたか?」と聞かれ、キョトンとする私。特に嫌な感じもなく、さらっと聞かれたこともあって、ど

          誰が、誰に向けて、どこで発信した情報か ~韓国の観光地『景福宮』の情報から考える~

          ハウツー収集の前に仕組みを理解することからはじめよう

          ハウツーのような知識は、教えてもらえば短時間で割と難なく実践できるのだと思う。(そもそもそんなものをハウツーと呼ぶ)。でも一見便利なハウツーの収集だけをし続けることは長期的に見るとあまり得策ではないように思うのだ。本質や仕組みを理解せずに表面的なもの理解しても応用できないし、前提に変更が生じた際には再度ハウツーを学びなおさないといけなくなるからだ。 ハウツーを求められることは多い 講演や授業の内容についての打合せの場や、実際に話し終わった後の質問の時間に、「ハウツー」につ

          ハウツー収集の前に仕組みを理解することからはじめよう

          ネット上の絵文字での反応は「コミュニケーション」として適切か ~カナダのニュースから考える~

          先日、とても興味深いニュースを読んだ。 このニュースを見た瞬間に、私は弊社インフォハントで行っている授業を思い出した。それは主に小学校高学年から中学2年生くらいに提供している「オンラインコミュニケーション」についての授業で、「言葉を使ってのコミュニケーションを大切にしよう、感情表現や意思表示を明確にしよう」ということを主に伝えるものだ。文字情報では感情を伝えることが難しいため、感情をあえて言葉にすることや、誤解が生じないように曖昧な表現を避けるように呼び掛けている。 する

          ネット上の絵文字での反応は「コミュニケーション」として適切か ~カナダのニュースから考える~

          匿名での発信について考える ~なんのために匿名の場があるのか~

          ここ数日、有名芸能人の自死の原因が匿名の人による誹謗中傷だったのではないか、という報道を見聞きする中で、少し考えたことを書いておこうと思う。 学校現場で「匿名」を使用したら起きたこと 私の行う講演や授業では双方向性を重視しているので、受講者がどんなに多かったとしても、状況が許す限り個別に何らかのリアクションを取ってもらうようにしている。その時に使うのはMentimeterやKahoot!、ロイロノートなどのサービスで、クイズの答えを回答したり、一言コメントをしてもらう。「

          匿名での発信について考える ~なんのために匿名の場があるのか~

          ソウルの図書館は「図書館」にあらず ~インスタスポット化する本棚~

          私は図書館が好きだ。国内の図書館も好きだが、海外の図書館も好きだ。海外に行けば必ず公共図書館を訪れる。図書館の蔵書を見れば、その国の情報に関する考え方がなんとなくわかって面白い。今回は韓国のソウルにある、全く違うタイプの2つの公共図書館についてレポートします。 ソウル図書館は「ザ・図書館」 まずはじめに訪れたのはソウル図書館(2012年10月開館)だ。1926年に京城府庁舎として建設された歴史のある建物が使用されており、図書館としての機能はもちろん、博物館の役割(建築資材

          ソウルの図書館は「図書館」にあらず ~インスタスポット化する本棚~

          行ってみて、直接見てみて、考える ~韓国と北朝鮮の軍事境界線に「観光地」があった~

          仕事で韓国に行くことが決まった時、真っ先に行きたいと思った場所は一つだった。軍事境界線(Korean Demilitarized Zone(DMZ))である。これまでネットでその情報は見ていたが、実際に自分で訪れてみたいとずっと思っていたのだ。調べてみると、ソウルからツアーで行けることが分かったので、ツアーを予約した。 周りの人から言われたこと ネット上にはツアーに参加した一般の人が、写真付きで投稿している記事がたくさんある。それに旅行会社のツアーがあるくらいなので、私に

          行ってみて、直接見てみて、考える ~韓国と北朝鮮の軍事境界線に「観光地」があった~

          大人も子どももメディア情報リテラシーを学ぶことが大切

          前回の記事に引き続き、韓国のソウルで行われたInternational Fact-Checking Network(IFCN)が主催するGlobalFact10というカンファレンスに出席して考えたことを書いていきます。第二回目の今回は、スペインの団体「MALDITA.ES」が取り組んだ「メディアリテラシーバス」についてです。 スペインでの取り組み 前回書いた通り、ファクトチェックについてだけでなく、メディア情報リテラシーに関するセッションも多く行われましたが、その中でも分

          大人も子どももメディア情報リテラシーを学ぶことが大切