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お腹の中の子への話しかけ

妊娠12週目 53㎏

体重は増え過ぎたらいけない。プラス7㎏かせいぜい10㎏まで、と注意を受ける。今のところ、プラス・マイナス0。体重は増える気がしない。なんで皆そんなに増えないように苦労しているんだろう?と、この頃は思っていた。のちに苦労することになる。

産院でたくさん歩くようにアドバイスを貰った。2時間とか3時間とか。スクワットも、200回とか300回行う・・・らしい。

私はスクワットを何回か行ったら、筋肉痛になった。腰を落とす時に、左右同時に落とすことができず、微妙に左右差ができてしまう。そのまま何回も続けたら、骨盤がおかしくなったまま筋肉が付いてしまう。

これ・・・私には合わないかも。

野口整体を習っていたときにお世話になった方に、産前の整体をして頂いた。

腰がねじれていると、つわりになる。

昼間はつわりで気持ちが悪く、用事が無い時は横になっていた。夫さんと離れて暮らすのは淋しいけれど、食事の用意や片付けや、掃除、洗濯などなど自分のペースでできるのは利点だった。

他の妊婦さんは、つわりもありつつ、上の子の面倒を見ながら、家のこともこなして、という方もいて、スーパーウーマンだと思う。私にはできない。



整体を受けるために、電車を乗り継ぎ、とある町へ行く。夫さんが貴重な休みに連れて行ってくれた。

お腹に手を当てて、たくさん話しかける。独り言になってはいけない。「電車に乗ってお出かけするよ」何でも話をした。

妊婦さんが気を付けなくてはいけないポイントはたくさんあるけれど、足の甲、ひざを強く打つと流産しやすくなる。電車で出かけるときは、足を踏まれないように気を使った。荷物や重いものを落とさないように。普段、そんなこと気を付けなくても、踏まれたことなんて無いのに。

整体を受け、腰がねじれていることと、目を使い過ぎていることと、スクワットはしないようにアドバイスを頂いた。

スクワットは大手を振って、やらないことにした。

今でこそ、胎児名を付けたり、お腹に話しかけたりするのは、広く一般的になってきたと思うけれど、野口整体の創始者、野口先生が何十年も前に言い出したことなんだ。

胎児名は、妊娠3か月に付ける。赤ちゃんの名前を付けるのと同じくらい真剣に考える。

お腹に手を当てて、氣が通ったら、話しかける。

「これから歩くよ」とか、「起き上がるよ」とか、空が綺麗だね、花が咲いているね、今日は、〇日だよ、とか色んなことを話しかけた。

たくさん、何時間でも歩くように産院から言われていたけれど、野口整体は、そんなに歩かない。30分か、1時間くらい。運動というよりも、その日の身体を感じながら、お腹の中の子と一体になっているのを感じたり、話しかけたりするのがメインなのだ。

歩くときのポイントもある。手ぶらで、必ず一人で歩くように整体の先生から教わった。

旦那さんが気を使って一緒に歩いてくれようとすると、歩調が速くて合わなかったり、自分のペースで歩けないからだ。

ひとりで生活するのは淋しかったけれど、一緒に住んでいたら、自分のペースで動けず、無理をしていたと思う。

食べたい時に食べたい物を作って食べる幸せがあった。

つわりはしんどかったけれど、今なら、これが食べられる!という瞬間があって、ガバっと起き上がって、ちゃちゃっと作って食べていた。

あの、これが食べたい!という要求を元に、それを食べれた時の美味しさったら無い。妊娠中は、感性が鋭くなる。ニオイも敏感に感じる。味覚も研ぎ澄まされていて、食べたいと思ったものを、食べれた時、妊娠前の何倍も美味しく感じた。

そして、その要求は、お腹の子から発せられているような気がしていた。


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