小説特殊慰安施設協会#39/千疋屋の闇
サムズ大佐は娼妓側にもペニシリンを供与することを決定すると、同時に週一回の性病検査実施を全ての米兵が出入りする施設へ義務付けた。娼妓だけではない。ダンサーも事務員も全てが対象である。R.A.A.では、慰安部もキャバレー部も、本部事務所の女子社員もその対象になった。協会としては何の反論もできなかった。
ダンサー寮で生活をするようになっていた千鶴子も、毎週検査をを受けた。その検査が始まると、ダンサーたちの間にも多数の罹患者たちがいたことが発覚した。 林譲は驚愕した。そして千鶴