江戸と東京をめぐる無駄話#08/見間違えた政敵#01
不運なことに・・徳川幕府は、徳川家斉の長期安定政権のあと、将軍席を実子・家慶が継いだ。
家慶時代、幕府財政は家斉が実施した改鋳という金融緩和政策で一時驚異的な回復を果たしがらも、家斉自身の放埓な浪費と石高制の機能不全が全く手つかずに置かれたため。家慶の代には再び深刻な財政難に陥っていた。その危機を背負いながら、蒙昧な上に病弱だった家慶は、何の起死回生となる策も打てないまま漫然と統治を続けていた。
そこにペリーの船がやってきたのである。
家慶自身は、開国について否定的だった。海