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銭函というストーリー

伊集院静氏を知ったのは
高校生の頃たまたま手にした
“作家の愛したホテル”という本で

美しい写真と氏のジャズのように
軽快で味わい深い文章に
ぼくは完全にシビレてしまった

こんな文章を書きながら
旅をして生きてみたい
と子どもながら
本気で思った

そしてその本を
腕に抱えながら
最初のページをめくったのが
ここ銭函だった

なんの変哲もない
港の小さな町だけど
小さな浜辺には人が集まり
路地で遊ぶお母さんらしき女性と
小さな子どもが遊ぶ様子に
ぼくはこの町で生きたいと思ったりした

だから
晴れた日曜日には

伊集院氏の本と
手紙と鉛筆をバッグに詰め込んで

銭函に来てしまう

そして近い将来
本と花と旅人にあふれた
小さな小さなホテルを
ここ銭函に作りたいと
思ってる

銭函という物語を
自分も書いてみたくて
仕方ないから

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