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戦後の歴史をサクッと知ろう

学校で教えてくれない「戦後の歴史」ですが、先にアップした膨大な資料(下記)を読み込み、そこから張られたリンクへの情報を全部把握するには1週間以上かかるでしょう。

忙しい現代人はニュースの記事ですら最後に読まずにツイートしてしまう、コメントしてしまう、反論してしまう、・・・。そんな人がメジャーになってしまった2021年で、この膨大なテキストを読むだけの忍耐力を持つ人が多くないのは容易に予想できます。

そこで、ここではそういうザッピング世代向けに、サクッと流れをつかんで「30分で戦後の歴史を理解する」イベントを開催したので、そこでのシナリオをもとにテキストとして読めるようにnoteしました。


流れで歴史を学ぶ ⇒ 出来事には理由と背景がある

歴史を学ぶコツは「流れ」を掴むこと。年号など後回しでOKなのは、英語教育に似ています。まずは会話に慣れる、単語を覚える、そして文法を学ぶ、そうすると英語が喋れるようになります。必要とするところから学ぶ、そんな学習方法を歴史でもお勧めします。

ここではサクッと理解できるように、終戦前後の出来事から現在までの「流れ」をざ~っと俯瞰していきます。

歴史を学ぶときに押さえておいて欲しいのは「なぜそれが起こったのか」という理由を掴むことです。

歴史の出来事には必ず理由と、それが起こった背景があるので、それを理解して俯瞰して「流れ」を見ていくと、理解度が2倍、3倍、深まります。

そのためには「なぜ?」を沢山用意することです。

なぜ?、なぜ?、なぜ?、・・・

なぜ、日本は戦争を始めたの?
なぜ、戦争は止められなかったの?
なぜ、東京大空襲で一夜にして10万人余りが死んだのか?
なぜ、特攻が始まったの?
なぜ、天皇陛下は絞首刑にならなかったの?
なぜ、日本に皇室があるの?皇室があると良いことあるの?
なぜ、天皇陛下は靖国神社を訪問しないのか?
なぜ、日本が奇跡の復興を遂げ、平和な豊かな国になれたの?
なぜ、ドイツと日本では戦後の対応が違うの?
なぜ、A級戦犯の岸信介(のちに首相)は絞首刑を免れたの?
なぜ、終戦前後からの歴史を日本は教えないの?
なぜ、従軍慰安婦問題で韓国は日本を責めるの?
なぜ、韓国は反日なのに台湾は親日なの?
なぜ、韓国の大統領は逮捕されたり任期後に自殺するの?
なぜ、安倍晋三氏は二度も首相になれたの?
なぜ、フィリピンからアメリカ軍は撤退したの?
なぜ、北朝鮮はアメリカと直接交渉できるの?
なぜ、朝鮮半島は統一国家にならないの?
なぜ、中国は日本に賠償請求しないの?(できないの?)
なぜ、中国は文化大革命で沢山の人を殺したの?
なぜ、酷いことした日本をアジア諸国は頼りにするの?
なぜ、ベトナムは大国アメリカに勝ったの?
なぜ、日本ってアメリカの言いなりなの?
なぜ、イスラエルに突然、核兵器が「現れた」の?(1956年)

なぜ、アメリカはイスラエルと仲が良いの?
なぜ、女性蔑視のサウジアラビアにアメリカは何も言わないの?
なぜ、中東っていつまでたってもキナ臭いの?
なぜ、日米安保条約(1960年)で日本中がデモで大騒ぎしたの?
なぜ、日本の連合赤軍が世界中でテロしまくって恐れられたの?
なぜ、あさま山荘に極左が立て籠もって警官を沢山撃ち殺したの?
なぜ、ロシアはいつまでたっても大統領がプーチンなの?
なぜ、インドのカースト制度はなくならないの?
なぜ、アメリカはウイグル自治区問題で中国を責めるの?
なぜ、バイデン大統領は台湾を「正式に」守ると言い始めたの?

なぜ、戦争ってなくならないの?

沢山の「なぜ?」。この答えは歴史を学ぶと全部分かります。知りたいですか?さあ、自分で歴史の扉を開けて「人間」を勉強してみましょう。


太平洋戦争の終戦への流れ

簡単に終戦までの流れを押さえておきましょう。
日本人ならこれ知らないと恥ずかしいよ集」です。

1945年まで

1942.6.5-7 ミッドウェー海戦で日本の空母4隻が撃滅されて、事実上の敗戦決定。(日本海軍の暗号は解読され待ち伏せ攻撃で壊滅)
1944.6.6 欧州ではノルマンディー上陸作戦で流れが決まった


以下はすべて終戦1945年の出来事です。(Wikiより抜粋)

3.10 東京大空襲で2時間半で10万人余りが亡くなる
2.4-11 ヤルタ会議:ルーズベルト、チャーチル、スターリン
   ヤルタの密約(極東密約)と言われる。事実上の領土の分捕り合戦
4.5 ソ連は日ソ中立条約の不延長(事実上の破棄)を通告
7.17-8.2 ポツダム会議:ベルリン郊外のポツダムでトルーマン(米)、チャーチル(英)、スターリン(ソ連)が戦後処理について話し合った(⇐ここに行きました!
7.26 ポツダム宣言:正式には日本への降伏要求の最終宣言
7.27 日本政府:宣言の存在を論評しないと公表
7.28 鈴木貫太郎首相は「黙殺」+「断固戦争完遂に邁進」と公表
8.6 広島に原爆投下
8.9 長崎に原爆投下
8.9 ソ連が樺太に侵攻:ヤルタ密約で対日参戦は決まっていた
8.14 日本がポツダム宣言受諾
8.15 終戦:玉音放送
8.18 ソ連軍が上陸(受諾停戦後に千島にソ連軍が侵攻)
9.2  降伏文書調印

日本犠牲者 戦闘員:174万人 民間:39万人
米国犠牲者 戦闘員:15万人 民間:不明

※他のアジアの国は不明と記されています

太平洋戦争 - Wikipedia


ヤルタの密約(極東密約)
ソ連の太平洋戦争への参戦は、連合国内では周知の事実となっていました。4月5日に日ソ中立条約を破棄し、8月8日に日本に宣戦布告し(ソ連対日宣戦布告)、その後北方の領土は占領されました。下記のヤルタ会議の中に極東密約について記されています。日ソ中立条約の一方的破棄も織り込み済みでした。そのヤルタ協定はずっと秘密にされていましたが、1946年に公開されました。

ヤルタ会談 - Wikipedia


北方領土に関して、日本とロシアの扱いの違い

・背景には米国が戦争犠牲を最小限に抑える狙いでソ連の対日参戦を画策
ロシアの学校では北方四島領有は第二次世界大戦の結果承認された正当なものと教えている
・日米地位協定により米国は日本国内の「どこにでも」基地を設けられる
ロシアは「北方四島に米軍基地が作られる」という口実を日本に突きつける
・日本政府はこの日米地位協定を表に出したくない

ロシアからの視点はこうです。

国後水道(国後島と択捉島の間)は水深が深く、ロシア潜水艦が太平洋に抜ける通り道になっているうえ、ロシア海軍が冬季凍結しない海峡としての太平洋への航路として重要
・四島を返還すると米国がオホーツク海に自由に出入りできるようになる
北方領土は樺太を含めて(千島列島・クリル諸島)「戦利品


原爆投下の背景:
トルーマンは日本がポツダム宣言を拒否することを見込んでいました。彼は原爆攻撃を日本側の受諾拒否で正当化し原爆投下を準備していました(自身の日記による)。


大まかに流れをつかむと以上のようになります。

参考:戦争とは何か、人間とは何か(付録:語り部から聴く東京大空襲


戦後処理:戦争賠償と戦後補償

この後、東京裁判(極東軍事裁判)となり戦後の処理が進みます。その戦後処理については以下にまとめてあります。

天皇と戦後処理(三河屋幾朗まとめ)

戦争賠償で巨額の負債を日本は追うことになりましたが、それはつまり占領している米国の負担ともなりました。そこで米国はアジアの諸国に睨みを効かせて借金の減額や棒引きを迫りました。時を同じくして朝鮮戦争が起こり、日本に借金の資金稼ぎをさせました。

日本の戦争賠償と戦後補償 - Wikipedia


最近だと、米国は自国が原爆投下した国だとは知らない人が半数という調査も有り、驚きます。まあ、日本がどこにあるか知らないという人が多い国なので、無理もないと思います。


韓国について

韓国は1910年の日韓併合により日本の統治下になり、終戦で統治が終わって国内は混乱に陥り、反日をスローガンにして民意をまとめながら、1948年の大韓民国の建国大韓民国、そして経済の立て直しをしていくことになります。日本も餓死者が多く発生し、進駐軍(米国)が苦慮したことが史実に残されています。

韓国は日本統治以前の、李氏朝鮮(1392-1910)の時代を語らねばなりません。これは長大な歴史絵巻なので説明が長くなってしまいますが、一言でいえば、中国の傀儡で、服従と朝貢の屈辱の歴史です。いわばずっと虐げられた歴史を持ち、マインドは「」です。これが心の奥に根強く残っている。それが時々顔を出して暴れます。

かつて朝鮮半島は先進国でした。大和国は朝鮮半島からもたらされた先端技術により発展しました。天皇家も桓武天皇(8世紀)の時代に母方のルーツを朝鮮半島持っていた(百済系渡来人)ことが知られており、日本と深い繋がりがあったことが分かります。


なぜ、韓国は反日なのに台湾は親日なのか?

不思議ですよね、両国ともかつては帝国日本が占領し、日本の一部だった国です。そこにはその国の成り立ちが大きく関係しています。

韓国は戦後補償に関して、1965年の日韓基本条約により、日本から莫大なお金を受け取りました。当時の日本の年間の国家予算が3.5億ドルだった時代に、18億ドルという巨費でした。そこには個人賠償も含まれていました。

それを時の韓国の軍事政権(朴正煕、18代大統領の朴槿恵は娘)は、日本からのお金の大半を懐に入れてしまいました。個人の補償より国の立て直しを優先したのでしょう、主にインフラ整備に投じられました。

しかし韓国政府は、日本と日韓基本条約を結んだ事実を、韓国国民にひた隠しに隠し通しました。国民の反発を恐れたからです。それが2005年に一部公開されて、韓国国民に大きな衝撃を与えました。盧泰愚氏が大統領だった時です。

2009年1月にソウル行政裁判所による情報公開で、韓国人の個別保証は日本政府ではなく韓国政府に求めなければならない、ということが韓国国民に明らかになり、補償問題は1965年に完了したと、「その時の」韓国政府は確認しました。

1997年、アジア通貨危機が起き、韓国は事実上の財政破綻国となりました。翌年IMFが救済に入り、総額570億ドルの支援を行いましたが、その多くが日本からの支援で賄われました。しかし、その事実は韓国民に知らされることはありませんでした。

韓国は複雑な国です。日本人と似て非なるマインドを持っています。そして反日教育を国から受けています。しかし、若い世代は気付いています。これだけの情報社会になって、おかしいぞ、と気付いしまったのですね。若い世代と古い世代では言うことが全く違ってきています。しかし、韓国は上下関係が極めて厳しい儒教の国なので、年齢や立場が上の人には絶対に逆らえません。



参考文献

侵略と賠償で参考になるのは、この2冊。薄い本なのでサクッと読めます。

 日本のアジア侵略:小林英夫著
 戦後補償から考える日本とアジア:内海愛子著

昭和史を俯瞰して眺めるベストセラー

 昭和史 1926-1945:半藤一利著(平凡社)

特攻について考える

 不死身の特攻兵:鴻上尚文著(講談社現代新書)

戦争について考える

 ひとはなぜ戦争をするのか(講談社学術文庫)
  A・アインシュタイン、S・フロイト共著

世界史を学ぶ

 ニュースの”なぜ?”は世界史に学べ:茂木誠著(SB新書)
 ニュースの”なぜ?”は世界史に学べ2:茂木誠著(SB新書)

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