「ふつうでええねん」と思うこと。
この間の日曜日の午後。
ちょっと買い物に出たついでに商店街の方へ足を延ばしてみたら
阿波おどりの連に遭遇しました。
毎年、関西の阿波おどりの連が大阪天満宮で奉納踊りをするのです。
その踊り手達に遭遇したのでした。
私は徳島で生まれ育ったので、阿波おどりの踊り手やお囃子には即座に反応し
やっぱり懐かしくて心が躍ります。
商店街でもらったリーフレットによると
まず、天神橋筋商店街を流しおどりをして
夕方から大阪天満宮の境内で奉納踊りの演舞というスケジュールで
ちょうど流しおどりが終わって
天満宮の奉納おどりまでには1時間以上もあったので
阿波おどりは見ないで帰りました。
見ないで帰ったのには、じつは他に理由があります。
最近の阿波おどりは
なんだかものすごくショーアップされていて
私は好きではないのです。
見ると気持ちがモヤァとするのです。
私が子どもの頃に見ていた阿波おどりも
商店街や通りを流して踊るほかに
駅前の広場なんかで
大きな輪になって、対角線上を踊り手が踊りながら行き来し合ったり
輪の中で乱舞したりしていました。
それから
踊っている途中で、太鼓や三味線のお囃子がパッと止まり
それに合わせて踊り手もピタッと止まって(ぼんさんが屁をこいた!みたいなの)
しばらく無音の時があって
そしてまた動き出すというパフォーマンスもありました。
見せ場ですね。
子ども心にも、わぁ!すごい!と思ったものです。
でもですね。
最近はこのピタッと止まった後に女おどりの踊り手が
右にそよそよ〜
左にそよそよ〜
と身体を左右にしならせたりして
そんなんいらんねん……
と思う、いらんパフォーマンス、演出が過ぎててほんとにイヤです。
おどり始めでも、踊り手達がミョーにフォーメーションをとったり
おどろおどろしい太鼓の音を鳴らしたりして
いやもう、ふつうでええねん ふつうに始めて……
とマジ思います。
あと。
女おどりの踊り手の笠の被り方もイヤ。
笠の端の方で被って、天を突くかのように後ろを跳ね上げさせて
それはヘンだと思うのですよ。
なんだか、バッタが今から飛ぶ寸前……みたいに見えるのです。
ふつうに被った方が綺麗だと思います。
昔のように笠の真ん中あたりで被って
ほんのちょっとだけ後ろを上げ気味にするのが良かったんですよね。
昔はこんな感じでしたよ↓(昔といっても平成です)
もらったリーフレットに載せていた踊り手の写真を見て感じたのですが
体が地にしっかり着いていないというか
氣が上へ上へ上がっていて、ふわふわ浮いているようです。
昔の古い写真、江戸時代とか明治の日本人の写真なんかを見ると
肚がぐっと収まっていて
それでいて上半身は力が抜けてゆったりとしているように見えるのですが
そういう肚に何かがしっくりと鎮まってる感じがなくなったかなぁと
そんなことを思いました。
そんなこんなで
やけにショーアップされた昨今の阿波おどりを見るにつけ
ちゃう。こんなんちゃう。もっと素朴やったんよ。
と心の奥底で思う私でした。