[連載:VUCA時代の教育デザイン12] インプロビゼーション教育とは
いつも遅刻気味の月曜日のアンバサダーです。実は、前回に引き続き、言語教育の手法について書こうと思っていたのですが、どうしても気になるトピックがあるので、そのことについてまとめてみようと思います。ちょうど私が教えている日本語ビジネスコミュニケーションという日本語でビジネスを学ぶ授業で「心理的安全性」にいて教えてた後に、一般社団法人日本即興コメディ協会という団体が「心理的安全性づくり」を体験できるワークショップなるものを次の日の夜に開講していたので、参加してみました。
インプロって何?
団体名にもあるように紹介された手法は即興の英語役improvisation、略してインプロというものでした。ジャズなどで有名ですが、即興で演奏する音楽、ダンス、演劇やコメディもインプロとして知られています。1970年ごろに、英国の劇作家・演出家・教育者のKeith Johnstoneにより即興は教育の手法「インプロ」へと発達されました。
VUCAの時代との関連性は?
ところで、このインプロはVUCA(不確実性)に時代の変化対応力を養うのに有用なトレーニング方法として、米国の大学やトップ企業において、組織作りやリーダーシップ育成の文脈で導入されているそうなのです。例えばスタンフォード、ハーバード、MITやコロンビア大学など名門大学、企業であればGoogle、Pixer、Netflixなどのイノーベーションを重視し大企業の授業だったり研修だったりで取り入れられているということなのです。それだけでとても気になってきますよね。
インプロの応用
元々、インプロは、主に演劇や音楽などの芸術分野から派生した教育手法ですが、最近ではビジネスや医療の分野でも使われるようになり、はっきり区別するために後者は応用インプロと呼ばれています。前述のようにインプロ教育や研修が盛んな米国やヨーロッパではこの応用インプロがどんどん発展しています。応用インプロは、発想力を豊かにし、チーム・ビルディング、コミュニケーション・スキル、プレゼンテーション能力、問題解決能力などのスキルを楽しみながら身につけることができます。ビジネススクール、企業の社員研修、研究機関では科学者のコミュニケーション訓練、そして医療分野では認知症の治療に実験的に使われたりしています。
教育現場のインプロ
今回ワークショップに参加しして、実は私は既視感がありました。インプロという言葉ではないものの、シアターゲームやドラマ技法という名前で言語教育や小中学校の教育に現場で似たような手法がちょっと前から注目されていて、それらの勉強会にはこれまでも何度か参加していたからです。何がどう違うのか、それとも同じものが名前を変えているのか、もう少し調べてみる必要があるなと思っています。
ただ、目的が違うだけでとても似ているなと思うのです。こういった演劇的手法は究極の参加型アクティブラーニングともいわれています。思い出したのですが、私は昔、英国の大学で行われた若手研究者の研修で、まさにシアターゲームのトレーニングを受けた記憶があります。個人的には言語教育をしているので、そこでの応用の可能性に興味があるので、勉強会に参加したり、コミュニティに入ったりしてもっとよく知りたいと思っています。
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