『2020年卒 マイナビ学生就職モニター調査 4月の活動状況』 記事抜粋と考察


・企業選択のポイント
・内々定保有者の活動状況
・入社予定先企業を選択したポイント
・個別企業セミナーについて
・その他気になったデータ
・考察

以下の全ての図の出典は、『2020年卒 マイナビ学生就職モニター調査 4月の活動状況』より。

【企業選択のポイント】

現在の活動の中心については「大手企業中心(26.9%、前月比0.2pt減)」「中小企業中心(8.3%、前月比0.1pt減)」はほぼ変わらず、「どちらかといえば大手企業中心(27.8%、前月比2.8pt減)」は前月より減り、「どちらかといえば中小企業中心(13.3%、前月比1.0pt増)」は微増だった。
企業を選ぶときに特に注目するポイントは「自分が成長できる環境がある(38.4%)」が1位で(前月2位)、「社員の人間関係が良い(37.3%)」と入れ替わった。
「自分が成長できる環境がある」は文系男子(41.2%)および理系男子(40.1%)が最も多く選択したが、「社員の人間関係が良い」は文系女子(46.5%)および理系女子(41.7%)が最も多く選択している。
3位の「福利厚生制度が充実している」は女子の選択割合が高い(文系女子 40.5%、理系女子 37.3%)。


【内々定保有者の活動状況】

内々定を獲得した企業をひとり最大4社まで回答してもらい「社数」ベースで再集計したところ、企業の主な発見ツールでは「インターンシップ(27.1%)」が最も高い割合で、「就職情報サイト(21.8%)」がそれに続いた。
内々定を保有している学生に、入社予定先を決めているか聞いたところ、全体の39.7%、理系男子では50.0%が決めていると回答した。
入社予定先企業は、初めてその企業と接触する前の時点では第何志望だったか聞いたところ、第一志望だったのは全体の38.4%(前年同月比3.0pt増)だった。
その企業に入社したいと最初に強く思ったタイミングは「インターンシップ参加時」が33.5%(前年同月比3.7pt増)で最も高く、次は「1次面接~最終前面接受験時」の15.5%(前年同月比0.3pt減)だった。

【入社予定先企業を選択したポイント】

「入社予定先企業を選択したポイント」と「企業を選ぶとき注目するポイント」の順位と比較したところ、「入社予定先企業を選択したポイント」の方が順位が高いのは「給与や賞与が高い」「企業の成長性が見込める」「業界上位である」などだった。
内々定を獲得した企業をひとり最大4社まで回答してもらい「社数」ベースで再集計したところ、内々定を得た時期では、4月上旬が26.0%(前年同月比3.3pt増)と最も高く、次が4月下旬の18.2%(前年同月比3.1pt減)だった。内々定先のインターンシップに参加した割合は56.9%(前年同月比6.2pt増)で、入社予定先の企業に絞ると63.1%(前年同月比5.0pt増)だった。また、入社予定先のインターンシップに参加した学生のうち、38.7%がその企業のインターンシップに2回以上参加していた。
内々定を得ている学生に、内々定先の満足度を5段階で聞いたところ、最も高い満足度を選択した学生は35.8%で、前年同月より3.8pt高かった。入社予定先が決まっている学生では64.5%が最も高い満足度を選択した。


【個別企業セミナーについて】

個別企業セミナーの参加経験がある学生は86.8%(前年比1.9pt減)で、ほとんどが参加している状況に変わりはないが、年々少しずつ割合が減っている。
「適当だと思う、エントリーから個別企業セミナーまでの期間」は前年同様「1週間以上2週間未満(55.8%、前年比4.2pt減)」が最も選択割合が高く、また「1週間未満(17.8%、前年比3.9pt増)」が前年より増加した。
これまでに参加した個別企業セミナーの形式では「人事担当者による事業や仕事内容の説明(72.1%)」が最も割合が高いが、最も良いと思った形式では「社員と自由に懇談(18.1%)」が最も高い割合だった。今年追加した「話を聞く先輩社員を自分で選べる形式」は、参加した割合では36.8%で7番目だったが、最も良いと思った割合は4番目に高く9.9%だった。

個別企業セミナーで最も話を聞きたい人は前年同様「入社2、3年目の若手社員(30.8%、前年比4.4pt増)」が最も高い割合だった。
文系男子では「社長や経営者などトップ(23.6%)」の割合が最も高い。実際に聞いた内容と聞きたかった内容について「聞きたかった内容」の割合が「聞いた内容」の割合を大きく上回っているのは、聞きたかった割合が高い順に「社風・社内の雰囲気」「入社後のキャリアモデル」「入社後の待遇」だった。
「参加した個別企業セミナーでは知りたかった内容が理解できたか」を聞いたところ、「よく理解できたものが多かった」は19.9%、「だいたい理解できたものが多かった」は74.2%だった。

個別企業セミナーに参加したことで、その企業の選考を受けようと思ったことがある学生に、選考を受けようと思ったポイントを訊いたところ、「仕事内容の説明を聞き、やってみたいと思った」が39.1%、「人事担当者のプレゼンテーションを聞いて」が38.0%と、それぞれ高い割合だった。
「福利厚生制度の説明を聞いて(21.9%)」は女子の選択割合が男子より高かった
選考を受ける前の段階で「個別面談」を受けたことがある割合は37.1%で前年より2.2pt増加した。
「個別面談」という言葉についてのイメージでは、「何でも聞ける会話の場(20.0%、前年比3.1pt増)」「面接を受けるか学生が判断するための逆面接(12.4%、前年比1.1pt増)」といった回答の割合が年々増加している。


【その他気になったデータ】

・合同企業セミナーへの参加回数が0回の学生が約4割。現在の学生の傾向として、欲しい情報のみを知りたい傾向が強いので、複数企業が出店している合同セミナーへ参加しない学生が増えていると考える。
・エントリー企業からかかってきた電話について、文理問わず女性が悪い印象を持つ割合が高い。



【考察】
・入社予定先企業に関するデータで、初めてその企業と接触する前の時点での志望順位のデータをみると、第一志望だったのは35.4%。一方で第三志望までに入らなかった企業は33.4%あり、企業とインターンシップなどで接触することで、当初はそこまで興味がなかった企業への志望度が上がっていることがうかがえる。
・インターンへの複数回参加が、入社予定企業への満足度を高めている。インターンを通じて、企業のことを深く知ることができ、納得して入社先を決めることができたことが大きな要因ではないかと考える。
・個別セミナーに学生が期待しているのは、自分たちの近い将来である、「入社2、3年目の若手社員の話」で、今後の選考を受けるかどうかにも関わってくるので、個別企業セミナーを実施する場合は、「若手社員との座談会」や「若手社員との交流会」などを設けた方がベター。
・セミナーや説明会で聞きたい内容として、社風や入社後の待遇・キャリアについて。「社内見学会」や「入社2、3年目のキャリア形成」などといった内容をセミナーや説明会に盛り込むといいのではないでしょうか。

_

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?