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なんでもない日記(2023年10月)

10月1日(日)

午前中走る。久しぶりに東中野方面へ行く。10月に入ったがまだまだ暑い。走るついでに買い物も済ませようと途中で何軒か店に立ち寄るが、汗がたれないよう拭うのに一生懸命だった。先日中華料理屋で食べた酢豚に入っていた長芋が美味しかったのでまねしてみる。同じとまでは言えないがそこそこ美味しくできた気がする。ガスコンロを新しくしたばかりだが、酢豚を作り盛大に油を散らす。夕飯は酢豚、さつもいも煮、にんじんの白和えなど。

10月2日(月)

夕飯はぶり大根、卵豆腐など。

10月3日(火)

下北沢のB&Bで開催された、橋口幸生さんと田中泰延さんのイベントへ行く。色々あって後半からになってしまったが、お二人のトークは安定の面白さ。発した言葉や文章で人間関係は形づくられている、ということを改めて肝に銘ずる。そして、普段自分が発している言葉や文を振り返り、消えてなくなりたくなる。しかし、そういうわけにもいかないのでなんとか前を向く。

10月4日(水)

夕飯はチキンカレー。

10月5日(木)

今日は富士日記読書会の日。今回印象に残ったのはこんなところ。

去年の暮、おじさんは遊びにきたとき「雪となる山家しづかに灯りける」という俳句を発表してくれたが、その俳句について説明をするとき、「雪となる」と言って、一息いれて、雪が降りつんでゆく音を耳を澄ませて聞いているかの如くじっと首を傾げ、それから、大きな手を拡げて、雪の村全体を抱えこむような柔かい仕草をして 「「山家しづかに灯りける」山の麓にある家だなあ。俺らたちの家という意味もあるだなあ。俺らの家といっても、俳句をよんでる俺らは外にいて灯りをみてるっちゅうわけだ。淋しいだなあ」と言った。

富士日記 武田百合子

ガソリンスタンドのおじさんが俳句を披露した時の回想で、おじさんの様子が生き生きと描かれていて、読んでいて心が温まる。かと思えば、別の日にはディストピアを連想させるような描写もあり、この淡々と日常を綴っているように見えて、時々ドキッとするような文に出会うのも富士日記の魅力だ。

大月を過ぎてから、へんな走り方のヨタヨタした自転車がくる。ニワトリを殺して、二羽ずつ首のところをくくったのを、自転車の座席の前の両側に入羽位ずつぶら下げうしろには箱をのせている。箱からはニワトリの羽や黄色い肢がはみ出している。ぶら下げてあるニワトリは、とさかが真赤で羽は雨でクシャクシャに濡れている。ぶらぶらゆれるニワトリが足にまつわって漕ぎにくいらしく、雨がびしゃびしゃして暗くなってきた道路を、ヨタヨタし乍ら走り続けていた。

富士日記 武田百合子

夕飯は手羽中のから揚げ、かぼちゃ煮、枝豆など。そろそろ枝豆の季節も終わり。

10月6日(金)

網戸の張替えをする。今回は丈夫らしいというふれこみを見てグラスファイバーの網戸にしてみた。触った感じは今までの網戸と変わらないが果たしてどうなのか。夕飯は棒棒鶏、山芋焼、かぼちゃの天ぷらなど。

10月7日(土)

午前中走る。ようやく暑さを気にせず走ることができるくらいになった。と思ったら、右ひざに痛みがでた。少し休んだ方がいいかもしれない。

10月8日(日)

今日は走る代わりに散歩する。この2年くらいで筋力が落ちている気がする。散歩の途中でスクワットを多めにやって気を紛らわす。夕飯は鮭の西京漬け、えびのしんじょう、茄子のマリネ、にんじんと小松菜の白和えなど。西京漬け今回は半日漬けたが、もう少し長くつけた方が美味しいかも。海老のしんじょうはむき海老とはんぺんをフードプロセッサーにかけて、出汁で煮るだけなので簡単にできる。父親が最後に病院から一時帰宅した時に作ったことを思い出す。次の大会に向けてランニングシューズのサイトを眺めていると時間があっという間に過ぎる。

10月9日(月)

地元の体育館で開催されるスポーツの日フェスティバルのお手伝い。生憎の雨だったが、それでも親子連れや高齢者で結構にぎわう。会場でのお手伝いと共に写真係も兼ねていたので、イベントの様子を撮影した。当然のことながら思ったような写真は撮れない。イベントのお手伝いは多少面倒くさいが、いつもパソコンに向かって暮らしている身にとって、たまに人とかかわることも必要な気がする。夕飯は久しぶりにお母さんも誘って近所でしゃぶしゃぶを食べる。昔ほどは食べれなくなったが、食べ放題だとテンションが上がる。

10月10日(火)

夕飯は麻婆茄子、れんこんのきんぴら、さつまいも煮など。

10月11日(水)

いつも通っている体育館が設備点検による休館日のため、夜のお勤めがない。休日なみに嬉しい。しかし、結局その時間で仕事をしてしまう貧乏性なのであった。夕飯は五目うま煮、山芋の梅肉和え、もずく酢など。

10月12日(木)

『アンダーカレント』を見る。これまで見た今泉監督の映画と雰囲気が違っていたが、人はどこまで分かり合えるのかというテーマは通底するものがあった。すごくよかった。自分の発する言葉が本当と言えるのか。見たもの感じたものを、眼の前にいる人とも完全に共有できないのなら、現実と虚構の境界などないのかもしれない。そんなことを思った。登場人物の普段着のダサさが印象的だった。音楽が腹の底に残っている。『怪物』に続き瑛太が良かった。彼が出てくるとどんな表情を見せてくれるかワクワクする。夕飯はかれいの甘酢あんかけ、さつまいものバター焼き、キャベツときゅうりのサラダなど。

10月13日(金)

目をつけていたシューズが、新モデル発売による値下げで随分安くなっていたので、つい買ってしまった。今シーズンはこのシューズで走る。夕飯は鶏肉の細切り炒め、さつまいも煮、ブロッコリーの和え物など。

10月14日(土)

早速新しいシューズで走る。十分なクッションがあり、適度な反発もある。多少重さはあるが、膝に優しそうなのがよい。とりあえず2時間ほど走ってみたけど問題は起きなかった。夕飯は近所の居酒屋でハンバーグを食べる。

10月15日(日)

POP-UPストア原宿へ行く。朝から雨だったが、家を出る時に雨が上がりそうだったので、走っていくことにした。予想に反し結構降られて、びしょびしょになった。いちおう着替えは持ってきていたので、お昼のついでにトイレを借りて着替えればいいかと思って入ったカフェにトイレがなく、その後行ったコンビニにもトイレがなく、そうこうするうちに乾いてきたので、そのままPOP-UPストアへ行く。POP-UPストアでは、皆さんの物づくりに関する話を聞いているだけで楽しい。この時ばかりは好きなものを買い物できる幸せを感じる。今回はスナワチでコンパクトな折り財布を、TERASで刺し子のロンTを、草々で飯椀を購入する。ちょうど実家から栗が送られてきており、飯椀デビューに栗ご飯もいいかと考え、新しい飯椀の勢いを借りて、栗の皮をむく。とは言えなかなかに皮むきは大変だった。さっそく栗ご飯を炊いてみる。飯椀のやさしい白色と手になじむ感じがいい。夕飯は筑前煮、豚肉と豆苗の和え物、栗ご飯など。

10月16日(月)

夕飯はまぐろの味噌漬け、里芋コロッケ、春雨サラダなど。

10月17日(火)

『月』を見た。このところ重いテーマを扱った映画を見れなくて、この映画も自分のリストには入っていなかったが、何かに背中を押されて見に行った。息が止まりそうになるシーンが何度かあり、腹にズシンと重い物が残る映画だった。もちろん、世の中きれいごとだけでは済まされないが、生きている限り光があると思う方向へ歩いていくしかない、そんなことを考えた。夕飯は春巻、ポテトサラダなど。

10月18日(水)

今シーズン初おでん。今回は板橋の蒲吉商店のおでんだねで作る。げそ巻きにげそがこれでもかと入っていて食べ応えがあった。出汁はヒガシマルのうどんスープを薄めて作ったので割合簡単に味がきまった。牛すじを冷凍しておくとこういう時に便利。

10月19日(木)

夕飯は手羽中のから揚げ、豆苗とベーコンの炒め物、昨日のおでんの残りなど。

10月20日(金)

夕飯は豚にら玉、さつまいも煮、大根サラダなど

10月21日(土)

午前中走る。久しぶりに平均でキロ6分を切った。夕飯は中野の居酒屋へ行く。19時から家族が楽しみにしているキングオブコントがあり、できればそれまでに帰りたいので、ちゃちゃっと済ますつもりだったが、店の大将が1品づつ丁寧に作ってくれる店で、わりと時間がかかり、19時を回ったくらいから家族全員でそわそわしだした。〆のおにぎりを注文して、これを食べたら帰ろうというところで出てきたのが超巨大なおにぎりだった。1合くらいはありそうなおにぎりを、キングオブコント見たさに、口一杯に頬張って、最後はフードファイトの様相を呈しながらなんとか食べ切り帰途についた。

10月22日(日)

今シーズン初めてテンポ走をやった。キロ5分以内で20分継続を目標にしたが15分で音を上げる。夕飯はかじきのキムチ煮とじゃがいものそぼろ煮、大根の和え物など。

10月23日(月)

夕飯はなすのひき肉はさみ煮、かじきの竜田揚げ、れんこんとこんにゃくのきんぴらなど。

10月24日(火)

マーティン・スコセッシ監督の『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』を見た。音楽はロビー・ロバートソンだ。スコセッシ監督とはおそらく『ザ・ラスト・ワルツ』からの付き合いで、『レイジング・ブル』で音楽を担当してからはたびたび音楽を任されている。ザ・バンドが好きで、ロビー・ロバートソンのソロも愛聴していた。そのロビー・ロバートソンが亡くなったことを映画を見る前に知った。彼の母はネイティブ・インディアンで、以前から彼の音楽にはネイティブアメリカン・ミュージックの影響が色濃く見られた。低音を奏でる弦楽器の音が映画の不穏な雰囲気を作り出していた。彼自身はどんな思いでこの映画に曲をつけたのだろう。そして、レオナルド・ディカプリオとロバート・デ・ニーロの演技のすごさよ。夕飯はカムジャタン。

10月25日(水)

1日ザ・バンドを聴いて過ごす。夕飯はひき肉のカレー。

10月26日(木)

夕飯は牛肉と大根の炒め物、鶏肉なすピーマン炒め、ポテトサラダなど。

10月27日(金)

マンションの排水管清掃があったので、台所のシンクの下に入れてあるものを外にだして、清掃が終わったら、また元に戻す。もう何年も出し入れしているだけの洗剤やキッチンペーパーなんかがあるが、未開封のものはなかなか捨てられない。お昼に餅を揚げたら美味しかった。夕飯はほっけの干物、肉じゃが、小松菜の煮浸しなど。

10月28日(土)

午前中2時間ほど走る。先日買ったNew BalanceのFresh Foam 1080 v12をはいて走ったが、20km手前くらいで足裏がしびれてくる。去年買ったsauconyのTRIUMPH20も同じだった。あの時はこの靴だけが特別かと思ったが、どうもMAXクッションのモデルだとそうなるみたいだ。レース本番でどの靴をはくか迷うな。走りだした時はようやく涼しくなってきたと感じたが、日が照ってきて走り終わるころには汗だくになっていた。帰りに書店をめぐってコミックスを購入。夕飯はウーバーでお好み焼を食べる。

パソコンに銭湯と入力しようとすると、何度打っても「せhとう」となる。最近タイプミスが増えたなどと思いながら、「n」のキーを押すと「h」が画面にでる。キーボードの故障を疑ったが、パソコンを再起動したら治った。

10月29日(日)

最近野菜の値段が高くなってきたので、いつものスーパーに行く前に最近開店したOKストアに行った。主に野菜を買ったが、ほぼ同じものが2割くらい安い。今後のスーパーのローテーションについて奥さんと話し合う。昼食に助六とねぎとろ巻きを買ったがちょっと足りなかった。夕飯はピーマン肉詰め、かぼちゃのそぼろ煮、えのきの煮物、切干大根など。夕飯を届けに行くとき空を見ると、まるい大きな月がくっきりと見えた。

10月30日(月)

『レイジング・ブル』を見る。なんとなく見た気になっていたけど、もしかすると初見かもしれない。40年も経つと記憶も溶けて曖昧になっている。ロバート・デ・二―ロの演技が凄まじい。荒くれもののボクサーにしか見えなかった。晩年の太った姿も、自身が体重を30kg以上増やして再現するとか狂気の沙汰だ。ジョー・ペシも初演とは思えないくらい、自然に弟役を演じていた。夕飯は鱈とじゃがいもの炒め煮、大根のごま和え、切干大根、鶏団子スープなど。

10月31日(火)

ふとしたことを思いついても日記に書くころには忘れている。武田百合子はなぜ日記に仔細な会話や、見過ごしてしまいそうな風景まで記録できたのだろう。夕飯はコロッケ、マカロニサラダなど。

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