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なんでもない日記(2023年11月)

11月1日(水)

カレーを作る時、圧力鍋で玉ねぎを炒める。油と玉ねぎを入れて圧力をかける。シューシュー音がし出すと少しおいて火を止める。今日はちょうどいい焦がし具合だった。いつも適当にやっているから、物足りない日や焦がしすぎの日もある。夕飯はビーフカレー。

11月2日(木)

富士日記読書会の日。今回のパートは感情の起伏が大きい時期なのでとりあげたい箇所はたくさんあるけど、今印象に残っているのはこの箇所。

帰り、ゴルフ場の林の道で、山兎が灯りに驚いて草むらからとび出た。林の中に逃げこまないで、道を真直ぐに走り続ける。車の前を走り続ける。一生けん命走るので気の毒になり、速度を落して、あとからついてゆく。車灯に照らされた兎は、白いお尻をつきたてて、黒茶色の毛をした、まだ若い兎だ。ときどき立止って振り返ったり、お尻を立てた後姿のままで待ったりする。車をとめると、不思議そうに振り返って待っている。しばらくそんなことをくり返してから、やがて左のくさむらにとびこんだ。 入ったあたりで車をとめると、 くさむらの中で、じっと、こっちを視ているような気配だった。 私は急に涙がこみあげて「長生きをおし」と、くさむらの中の兎に、眼で言った。

富士日記 武田百合子

夕飯は昨日の残りのビーフカレー。

11月3日(金)

午前中走る。まだまだ暑い。夕飯はステーキ、かぼちゃのマヨネーズ和え、めかぶとおくらの酢の物など。

11月4日(土)

午前中3時間走りくたくたになる。とてもマラソンを完走できるイメージが持てない。今日も25℃近くまで気温が上がり、リュックのショルダー部分が汗の蒸発で塩が残り、白くなっていた。帰って横になったらあっという間に寝てしまい、起きたらかなり回復していた。夕飯は近所のビストロへ行く。帆立のカルパッチョオレンジソース、大根のフリット、ぶりとれんこんの春巻などをいただく。どれも初めて食べる料理ばかりで美味しかった。勝手に混んでるイメージを持っていたが早めの時間はそうでもなさそうなので、また近いうちに尋ねてみよう。夜は映画の会で『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』について語る。楽しい時間はあっという間に過ぎる。

11月5日(日)

昨日のダメージが残っているので、ジョグは短めにする。『進撃の巨人』の最終回を見て涙する。夕飯はお好み焼きを焼く。これまではホットプレートを囲んで焼きながら食べていたが、今日は最初に全部焼いてしまって、お届けしてから食べた。ちょっと物足りない気がした。きっと、わいわい言いながら焼いて食べるのも味のうちなのだろう。

11月6日(月)

Fatback Bandを聴く。ストリーミングサービスで何でも聴けるようになってCDで所有することの意味を考える。夕飯はトマトの肉詰め、酢牡蠣、ほうれん草のお浸し。初めてガスコンロに附属のグリル調理器を使ってみる。トマトの肉詰めは思ったような仕上がりになった。これならオーブンの代わりになりそう。

11月7日(火)

夕飯は赤魚の干物、にら卵、れんこんとこんにゃくの炒め物など。

11月8日(水)

明日の午後外出ついでに見る映画を選ぶ。意外に外出先と時間がぴったりくる映画がない。まあ、贅沢な悩みです。夕飯はいかのカレー。わた入りは美味しい。

11月9日(木)

インフルエンザの予防接種を受ける。その帰りに『ゴジラ-1.0』を見る。久しぶりの平日外出でちょっと楽しみにしていたのだが、仕事の連絡が立て続けにきて、何となくもやっとしてしまう。最近頭頂部が薄くなってきたので映画ではなく散髪に行くべきだったかも、と思っても後の祭り。夕飯は鶏のから揚げ、ジャーマンポテト、キャベツのコールスローなど。

11月10日(金)

急に気温が下がった。お昼は海鮮丼をテイクアウトする。たくさんの種類があるので、つい毎回違うものを頼んでしまうが、なかなか最初に頼んだ「ごくうま丼」を超えるものに出会えない。明日の文学フリマの会場配置図をプリントして、めぼしいお店をチェックする。しかし出店が多くてとても全てはチェックできない。夕飯は鶏団子鍋。今年初の鍋。

11月11日(土)

午前中、先週と同じくらいの距離を走る。気温が下がったので先週ほどは疲れなかった。とは言え文フリに行く元気は残っておらず、牛もつを買って帰る。夕飯はもつ鍋。

11月12日(日)

トム・ジョーンズ『ロケットファイア・レッド』を読む。短編集の中の一編。主人公が髪を「ロケットファイア・レッド」という色に染めることで人生が開けていく話だ。ここまで読んでいた物語がやるせないものが多かったので、読み始めた時は、この物語もそうかと思っていたが、髪の毛を染めたところから人生が動き出し、アボリジニの祖母が亡くなったことをきっかけに急加速して最後まで一気に駆け抜け、読み終わった後に爽快さを感じた。

夢見がちっぽい目 をして自分以外の誰かになりたがったりどこか別の場所に行きたがったりするのもやめるべきなのだ。今あんたがいるその場所で素晴らしい人生が送れるはずだから。じっくりと考え、自分の気持ちを覗き込んで見るといい。全てがディンキディ(本物)であるのが判るはず。あなたがいろんな場所でずっと探し続けてきた本物のホームも結局自分の裏庭で見つけられるだろう。血に誓うよ!真実を探しに自分探しの旅に出かけるような必要はまったくないのだ。

『ロケットファイア・レッド』 トム・ジョーンズ

『ロケットファイア・レッド』は『うろん紀行』の最終章で取り上げられた小説だった。続けて『うろん紀行』の最終章を読む。『ロケットファイア・レッド』の主人公に因んで作者自身がサーフィンを体験する話だが、自分を受け入れて前を向くという決意表明が清々しく、力をもらった。

その一瞬、たしかにわたしはわたしだった。 わたしの精神はわたしの肉体に紐づいていて、 両足でしっかりと波の上に立っていた。「過去も、今も、未来も、同時に起こる」とは、きっと受け入れることなのだ。いまそのものが、過去も未来も内包している。全部がいまの自分にある。そしてその実感は、決してすごいことなんかではない。感覚をとぎすませて、集中する。 できることをできるかぎりするだけでいい。全部あっているのだ。そう気が付き力が抜けた途 端、足元は大きくぐらつき、わたしはまたもや流されてしまった。

『うろん紀行』わかしょ文庫

4月から読み始めて約半年、遂に『うろん紀行』を読了してしまった。名作から自分では手に取ることもないような作品まで19作品、うろん紀行を加えると20作品を読んだ。とても充実した読書体験だった。それだけに寄る辺がなくなり寂しい気持ちもある。書店で購入した際に特典としてしおりが付いていた。各章で使われている写真をあしらったもので、全部で9種類あるらしい。自分の持っているしおりが感銘を受けた最終章の写真であることに気づき、うれしくなった。
夕飯は、ぶりの醤油漬け、鯛のたたき、竹田の油揚げ、カニかまサラダなど。鯛のたたきと竹田の油揚げは奥さんの福井遠征土産。どちらもテンションのあがる美味しさだった。夕飯を届ける時、寒さが身に染みた。一気に冬が近づいて来た。

11月13日(月)

Homecomingsのドラマーの石田さんがバンドを卒業することが発表された。ダブルストロークを多用し、タメの効いたドラミングが大好きだった。あのドラムがこの先、聴けなくなるかと思うと寂しい。12月にある横浜のライブのチケットを買っておけばよかった。夕飯はれんこんはさみ揚げと豚肉と大根の炒め物、レタスの湯引きなど。

11月14日(火)

仕事に明け暮れた。夕飯はほっけの干物、タアサイの炒め物、きんぴられんこんなど。

11月15日(水)

明日の弁当に何を入れるか考えながら過ごす。夕飯はチキンカレー。カルディのパネーンカレーペーストを入れたら少し辛かった。

11月16日(木)

作業で外出するので久しぶりに弁当を作る。卵焼きを作るのは久しぶりでフライパンに火を入れた時、どのように焼くのか一瞬思い出せなかったが、身体が憶えており何とか焼けた。れんこんきんぴら、タアサイの炒めものは夕飯の残り、焼豚は作り置きから。自分で作る弁当には好きなものしか入れないので申し訳ないけど美味しい。お弁当を励みに作業をこなす。夕飯は豚肉の香味揚げ、ポテトサラダなど。

11月17日(金)

下北沢のleteに平泉さんのライブを見に行く。「聖母たちのララバイ」が白眉。「Love」のダブ風ディレイサウンドや、スティービーのカバーなど、今回も盛りだくさんで大満足。行ってよかった。夕飯はケバブ・シェフでドネルケバブをいただく。クレープみたいな生地に野菜と肉を自分で巻いて食べるスタイルでとても美味しい。贅沢な金曜日だった。

11月18日(土)

午前中走る。帰りに田端銀座の佃忠でおでんだねを購入する。店頭で販売される、できたておでんも人気があり、常に賑わっていた。晩秋の田端銀座に「Mainstream」が流れている風景が2023年を感じさせた。夕飯はウーバーで韓国料理をとる。来週の週末は真冬並みの寒波が来ると聞いておののく。

11月19日(日)

夕飯は鱈とヒレ肉のフライ、かぶの浅漬け、なすとピーマンの味噌炒め、ねぎ焼豚など。以前はピーマンを調理する時、種を取り除いていたが、どこかで食べられると聞いてから、そのまま調理するようになった。甘味が増すというよりは苦味が増すような気もするが、味は嫌いではないので、しばらくは種もいっしょに食べる派は続く。

11月20日(月)

昼飯にサーモンをバーナーで炙っていたら、まな板を焦がしてしまいへこむ。夕飯は手羽中と白菜の煮物、ピーマンのグリル、きんぴらごぼうなど。手羽中を炒めていたら、フライパンに火が入り一瞬炎が上がった。レンジフードのフィルターを焦がしてしまいへこむ。ピーマンをまるごとグリルで焼いて、鰹節と醤油をかけて食べたら美味しかった。きくらげは水で戻すと、だいたい思ってたよりかさが増える。

11月21日(火)

しばらく火曜日は外で作業になりそう、ということで弁当を作る。焼豚、かぶの浅漬、なすとピーマンの炒めもの、きんぴらごぼう、全部夕飯の残りと作り置き。作るというか詰めるだけ。弁当があるとモチベーションが上がるおめでたさよ。夜は別件の打ち合わせ。

11月22日(水)

おでんを作る。週末に買った佃忠のおでんだねを入れる。すき焼袋という、巾着袋に牛肉を甘く煮たやつが入っているのがすごく美味しい。噛んだ瞬間に牛肉の甘味が口の中に広がり幸せな気分になる。

11月23日(木)

広尾のLOOPで散髪しすっきりする。今日もドレッドのお客さんが2人ほど来てた。昼は六本木で中華を食べる。午後は仕事する。夕飯は昨日のおでんの残りを食べる。

11月24日(金)

富士山マラソンの準備をする。気温が低そうなので、防寒具も用意する。今回、補給食はモルテンというメーカーのジェルを持っていくことにした。毎回30km過ぎで貧血状態になり、食べ物を受け付けなくなるのだが、これは胃を騙して通過して、腸に吸収しやすい形で貯まる、ということらしいのでちょっと期待。果たしてどうなるか。夕飯は豚肉とじゃがいもの炒め物、タアサイ卵炒め、ほうれん草のお浸しなど。

11月25日(土)

朝一で病院、いつもの薬を処方してもらう。河口湖方面へ車でむかう。途中渋滞があり、着いたのは14時過ぎだった。それから富士日記でゆかりの地を訪ねる。山荘があったと思われる場所から富士吉田の街までわりと距離があること、間近でみる富士山は迫力あることなど、現地に行かないとわからないことを経験できたのが収穫。飛行場跡地にできた道の駅なるさわでお土産を買い、ホテルにチェックインする。ホテルはほとんど外国人客でさながら海外旅行に行った気分だ。ホテルのとなりにあるほうとう屋は100分待ちということだったので、その隣のインドカレーの店で夕食をとる。昨日まで10度以上あった気温が寒波の影響で下がり、夜はとても寒かった。おかげで身体がこちこちになる。

11月26日(日)

富士山マラソンに出場するため、早起きしホテルで朝食をとる。カロリーをとるため、モルテンのドリンクミックスを500mlの水にといて飲むが、すごくまずくて半分残す。前日の肩こりが朝起きても治ってなくて、テンション低めで会場に向かう。会場につくと晴天で気温も思ったほど低くなく徐々にテンションも戻る。スタートし、20kmくらいまでは予想したペースで走れたが、22kmあたりの河口湖から西湖へ向かう長い坂道で残りの体力をすべて使い果たし、後はとぼとぼとゴールへ向かった。18kmあたりで補給した羊羹が消火できずずっと気持ち悪かった。当然、用意したジェルも後半は口にすることはできなかった。もうフルマラソンは無理かも、というのが走り終わった直後の感想だ。帰りも激しい渋滞で疲れたが、帰宅して風呂に入り、夕飯を食べると生き返った。夕飯はのどぐろの炊き込みご飯、肉じゃがなど。

11月27日(月)

筋肉痛でよぼよぼとしか歩けない。奥歯の歯茎の調子が良くないので歯医者に行く。すぐ見てもらえるのでありがたい。夕飯は麻婆茄子、ブロッコリー焼豚卵炒め、れんこんの天ぷら、ほうれん草のごま和えなど。

11月28日(火)

外作業なので弁当を作る。ほぼ昨日の夕飯の残りだが、冷食の海老シューマイを入れる。ぷりぷりでなかなか美味しい。夕飯は牛ハラミ焼、じゃこ天、ポテトサラダなど。じゃこ天は奥さんの遠征土産。軽く炒めたらすごく美味しかった。

11月29日(水)

今日はカーネーションの新譜の発売日。早く聴きたいが店頭で購入したいので週末まで我慢する。夜自転車に乗っている時、頭と手が冷たかった。来週からは帽子と手袋を忘れないように。夕飯はチキンカレー。スープカレーっぽくしたかったのだが、カットトマトを入れると結構とろみがついて、味の薄いチキンカレーとなった。

11月30日(木)

夕飯は鶏胸肉と白菜のせん切りこしょう風味炒め、れんこんのきんぴら、小松菜の辛し和えなど。鶏胸肉と白菜のせん切りこしょう風味炒めはウー・ウェンさんのレシピ。鶏胸肉と白菜をせん切りにして、基本的には塩と胡椒で味付けするだけ。鶏胸肉と白菜は繊維にそって切る、肉には下味をつけてから炒める、鶏胸肉、白菜の順にしっかり炒める。こういったことを疎かにせずちゃんとやることでシンプルな材料でも美味しくできる。


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