演劇研究部   a drama club

金属の重いとびらの向こう
まぶしいライト
捕えられたみんな 誰も逃げられない
さぐりあいの会話は上手く続かない
ただ、今、ここに一緒にいるということだけが確かだ
おなじ場所で、一つの舞台をみてる

舞台はいつも、こうこうとあかるい
客席はいつも うす暗く 真っ暗だ
こころがうまく みえなくて
閉ざしていたのは わたしか
きっとみんなおなじなんだろ
さぐりあいながら
わかってほしくて たまらなくて

思い出すのは
うすぐらい あの部屋
暗幕と照明と、黒く塗られたあの部屋
ライトの下の狂乱
胸をしめつけるプレッシャー
いつも何かに追われていて
安全な場所まで 逃げることができなかった

こころとこころが うまくつなげられなくて
どんなに愛想をふりまいても 舞台の上では全部見透かされているようで
こわくて こわくて
あんなに叫んで 走りまわりながら
途方もなく ひとりだった。

―階段の踊り場で、窓を開けて見た 降ってくる雪
空からの雪、焼却炉の灰のよう 言葉をなくす

みんなで群れてあたたまるよりも
誰もが自分と戦うことを好み、
じょうずに友だちになることができなかった。 

わたし、
階段でうたうと 声がひびくのが好きだった。
ジャージで寝そべって、コンクリートや冷たい廊下に触れるのが好きだった。
自分の投げかけたセリフに、誰かが笑ってくれるのが好きだった。
立ち向かっていた自分が、きっと、とても好きだった。
 
  

☆お読み頂き本当にありがとうございます!とてもうれしいです (〃^ー^〃) ☆💕💕💕