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Redewendung des Tages 【今日のドイツ語慣用句】 Äpfel mit Birnen vergleichen

Äpfel mit Birnen vergleichen

意味:
本来異質で比較できないもの、似て非なるものを一緒くたにして比較する、論じる。
字義通りには「リンゴを梨と比較する」

例文:
Da vergleichen Sie Äpfel mit Birnen!(訳例:それとこれは話が別ですよ!)

Vergleichen Sie nicht Äpfel mit Birnen. Die optimale Versicherung ist so individuell für Sie. Denn sie muss zu Ihren Verhältnissen und Ansprüchen passen.(訳例:それは一緒くたに論じてはいけませんよ。保険というものは、個人的なもので、お客様の状況や要求に合ったものでなければいけません)

Wahlkampf ist kein klassisches Marketing, wie wir es von Unternehmen kennen. Das ist so, als würde man Äpfel mit Birnen vergleichen.(訳例:選挙戦とは、企業がやるような古典的なマーケティングではありません。それは水と油を一緒くたにするようなものですよ)

解説:
「リンゴを梨と比較する」はイメージとして分かりやすい表現ですが、意外とぴったりとくる日本語の表現がありません。日本語の「比較にならない」は、優劣の差がはっきりしていて比較する方がバカらしいといったことを意味しますが(雲泥の差、月とスッポン、提灯に釣り鐘など)、このドイツ語のリンゴと梨の慣用句ではそういった優劣のニュアンスがまったくありません。
かといって「水と油」や「氷炭相容れず」のように「異質ゆえに相性が悪い」と言ったニュアンスもありません。
このため、すっきりとした文脈にあまり左右されない日本語訳がないのです(もし、ご提案があればぜひご教示ください)。
ちなみに、この慣用句の由来はそれほど古くはなく、1965年あたりに政治家たちの間で使われるようになったらしいです。その元となっているのは、「Ich frage nach Äpfeln, und du antwortest mir von Birnen(リンゴについて聞いたのに、君は梨で答える)」という1810年版の諺集に記載されている諺だろうと推測されています。

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