見出し画像

Redewendung des Tages 【今日のドイツ語慣用句】 den Amtsschimmel reiten

den Amtsschimmel reiten

意味:
やたら形式や手続きにこだわる。
字義通りには「役所の白馬に乗る」

例文:
Kleine Beamten reiten gern den Amtsschimmel.(訳例:小役人はとかく杓子定規なやり方をするものだ)

Auf dem Arbeitsamt hatte es mal wieder ewig gedauert, weil die dort ständig den Amtsschimmel reiten.(訳例:労働局ではまた偉く時間を取られたよ。あそこの連中はいつもやたら形式や手続きにこだわるからね)

解説:
この慣用句に使われている「過度の官僚主義」を象徴する Amtsschimmel は、「役所の白馬」と現代では解釈されていますが、本来の語源には2通りの説があります。
1つはオーストリア・ハンガリー帝国における「型通りの決裁 Simile(ラテン語の similis「類似の」から)」が変形したものであるという説、もう1つは、スイスで19世紀に役所の配達人が馬に乗って書類を運んだことから、「auf dem obrigkeitlichen Schimmel herumreiten(お上の御馬を乗り回す)」という慣用句が生まれ、それが Amtsschimmel の元になったという説です。
1つ目の説が正しいのであれば、馬とは無関係ということになります。
別の珍説では、「Schimmel =カビ」という解釈で、古い書類の表紙などに生えるカビを指しているのだとか。「繁文縟礼」という意味での Amtsschimmel の解釈としてはそれなりにかび臭い説得力がありますが、慣用句では reiten(乗馬する)とともに使われているため、やはりここは「馬」と解釈しないと比喩のイメージが合わないことになります。
もう1つの慣用句「der Amtsschimmel wiehert(役所の白馬が嘶く)」も、「Schimmel = 白馬」でないと成り立たない比喩表現です。こちらの慣用句は「官僚主義がはびこっている、万事がお役所的だ」という意味です。


ちなみに添付の写真は Heilbronn ハイルブロン市役所に飾られている Blasius Spreng ブラジウス・シュプレングの「Amtsschimmel」の彫刻です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?