前世のほかにもみせてもらった…

<「夫との約束を果たすために強く生きたファゴール」からの続きです。>

さらにアコさんのセッションは続きます。

「あなたの足下には地球がありますね。その地球をよーく見て。地球の中の日本、東京…ずーっと寄っていくと桜さんが見えますよ。桜さんが生まれてから、現在の桜さんまでがよーく見えます。桜さんは今何をしていますか?」

「台所を掃除しています。後片づけかな」

「どんな感じ。楽しそう?疲れている?」

「…いそいでいる。やることがいっぱいあって…」

「そうね。やることがたくさんあるよね。では、あなたは上のほうから見ているので、桜さんが今まで歩んできた道も見えますよ。その道はどうですか?どんな道かしら?上から見るとどう見えますか?」

「…まっすぐ。ずーっとまっすぐです。北海道にあるような…。道幅は2~3mほどです。道の両脇は何もありません」

「上から見ると、ところどころにある道の節目もよく見えますよ。ところどころに分かれ道とか、ちょっと何かないかしら?」

「まっすぐな道で…道の向こうに祖母が見えます。母方の… 節目とか分かれ道があるかなと思ってよく見たら、祖母がみえました」

「おばあちゃん?どんな顔している?」

「こっちに来いと言っています。節目…って考えたときに、祖母が祖母のお葬式に誘導してくれました。私が小学生の時に亡くなっているんですけど。なんか読経がつまらなくて…葬式を抜け出して外の焚火周りでいとこたちと遊んでいます。お葬式だけど、久しぶりにいとこたちと会えてうれしい気持ち。不謹慎だけど」

「おばあちゃんのことは好きだった?」

「好きでした。とてもかわいがってもらいました」

「おばあちゃんのお葬式は、悲しい?どんな気分?」

「『死』についての実感がわいてないですね。動かない祖母がとても不思議だと思っています」

「上から見るといろいろなことがわかりますね。では、ほかの節目も見てみましょう。小学生のあなたよりも、もっと小さいころ、おばあちゃんのお葬式よりも前に節目はありますか?何か印象的なこととか?」

「…節目かはわからないけど、市場で迷子になっている私がいます。スーパーとかじゃなくて、市場だと思います。赤いマントを着て…祖母と母を探しているようです。でも、迷子なのに泣いていない。いろんなものがあって、それに興味がわいてしまって、まじめに二人を探していないですね。見つけてもらえると思っているからだと思いますが、一人で自由に歩いているのもうれしい気持ちのようです。迷子なのに…迷子っぽくない」

「では、今から数を数えると、桜さんがこの世に生まれてきた場面に戻りますよ。いいですか? 5,4,3,2,1…。何が見えますか?」

「ベットに寝ています。母と父が私をのぞき込んでいます。二人とも若いですね。祖母もいます」

「みんなあなたが生まれてきてうれしそう?」

「う~ん、両親はにこやかですけど、祖母だけは笑っていません…なんでかな?」

「じゃあ、おばあちゃんをよーく見てみると、おばあちゃんの気持ちがあなたに伝わってきますよ。あなたの意識はとても自由なので、おばあちゃんの感情を読み取ることができるのよ。おばあちゃんをよく見てください」

「…大丈夫か?と思っているようです。…難産でお産が長引いたので、私のことをメディカルチェックしているようです。祖母の目じゃなくて、真剣にみていますね。祖母は看護師でしたので、黄疸が出ていないかとか、動きがおかしくないかとか…、確認しているみたい」

「あなたは今日から桜さんとしての人生を歩み始めるわけですが、今はどんな気分ですか?」

「…よくわからないけど、祖母をローモデルにしようと思っているようです。だから、祖母が私を見ているのと同じぐらい真剣に、私も祖母を見ていいます」

「おばあちゃんがヒントになっているのかしらね…では、さくらさんもう一度上からよく見てみましょう。生まれてから現在までのあなたの人生はまっすな道でした。現在のあなたは、忙しく毎日を過ごしていますね。この道はこの先にも続いていますよ。現在から先の道はどんな感じかしら?」

「まっすぐです。先のほうに、何かあるようですけど。何かな?…ハードルみたいなのが置いてある。はるかかなたではなくて見えるぎりぎりのところにハードルがある。その先は、暗くてよく見えません」

「そのハードルは高いの?」

「高くはないけど…ハードル苦手だから、私には飛べる気がしないです。あっ、後ろのほうから祖母がGO GO とジェスチャーをしています…両手で」

「おばぁちゃん、後ろにいるの?」

「いますね」

「じゃあ、おばあちゃんのほうに向きなおってみて。おばあちゃん、どんな顔している?」

「…笑って、『行ける行ける』って、そのハードルを指さして「それ飛べ」みたいなジェスチャーをしています。さっきのお葬式のあたりから、ジェスチャーでアピールしています」

「それ見て、桜さんはどう思う」

「えーって…そんな簡単に言わないでよ~って思う」

「そうなのね。ではおばあちゃんにあなたの未来を少しだけ見せてもらいましょう。3年後、5年後、10年後…どの地点を見てみますか?」

「…3年後? 3年後…3年後かな」

「それでは、心の中で、3年後みせてっておばあちゃんに合図してください。…いいですか? では3つ数字を数えますね。そうするとあなたの3年後が見えますよ。3,2,1…下を見てください。何が見えますか?」

「…写真を撮っています。多分、ポートレート(人物撮影)だと思う」

「楽しそう?」

「うーん…ママと子どものポートレートを撮っているみたいです。楽しそうかな…?せっかくだから撮らせてもらっているっていう感じがする。知り合いの人かどうかはわからないけど。自分が心底撮りたいものとは違うのかもしれないんだけど、撮っているみたい」

「そうですか。では、おばあちゃんにお礼を言ってください。そろそろ戻りますよ・・・」

そうして私は、戻ってきた。

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