潜在意識なるものに答えがあるらしい

久しぶりに会うアコさんに、前回のセッション後からの私のカメラライフについて話をした。写真を撮らせてもらえる機会がぐーっと増えて、それに伴って自分のスキルもアップさせなければとできる範囲で学んできた。でも最近、自分の本当に撮りたいものなにか?という疑問もわいてきて、でも考えても答えが出ない。そんなもやっとした状況に陥っていると話した。別に、すごく大きな問題を抱えているわけでもないし、まあ撮りたいものが「今」分からなくても「いつか」分かるかもしれないし、趣味の範囲で楽しんでいることだから、そんなに真剣に考える必要もないのかもしれないし、でも、自分のやりたいことが分からないなんて、ちょっとすっきりしないというか、落ち着かないというか・・・。

するとアコさんは「顕在意識」と「潜在意識」についての説明をして、今日のセッションの提案をしてくれた。

顕在意識は私たちが普段認識している考える意識で、潜在意識は直感などの感じる意識らしい。顕在意識の中には全ての記憶(幼少時代や前世の記憶も含む)があるけど、私たち現代人は顕在意識を強くして生きていなければならず、なかなか自分の潜在意識とつながることができない。そこで、ヒプノセラピーという手法で自分自身の潜在意識とつながって、自分の中から今知りたいことの答え、つまり私の本当に撮りたいものが何かを、見つけ出すセッションをしてはどうかと。

確かに、私が何を撮りたいのかなんて、私にしか分からないよね。楽しみにしていたエンタメ的な前世療法だけど、アコさんは「大丈夫よ。答えは桜さんの中にあるから、それを見つけに行くだけなのよ。」と言った。よし、今回はアコさんの提案を受け入れてセッションしてみよう。

セッションの時に使用する大きな椅子をリクライニングして、膝掛けをかけ、目をつむる。アコさんが部屋の明かりを落として、薄暗くする。深く、深呼吸すると、部屋のアロマが鼻腔をくすぐる。都会の喧噪とはほど遠い静寂。そして、アコさんのやさしい声に誘導されてセッションが始まる。

それでは桜さん、質問に応えて下さいね。写真やカメラに興味を持ったのはいつ頃ですか?

小さい頃、小学生1、2年だったと思うけど、祖父がカメラを持っていて興味を持ちました。祖父は山歩きをするのが趣味で、写真も撮っていたんじゃないのかな。でも、祖父が撮った写真は見たことがありません。どんな写真を撮っていたのか分かりません。
中学生の時に写真部に入りたいと親にお願いしたのだけど、裕福な家庭じゃなかったので、親にいい顔されませんでしたね。写真部に入って払わなければならない費用、カメラ本体はもちろん、現像代とかがどれだけかかるんだって言われて。で、写真部の入部はあきらめました。今と違ってデジタルじゃないですからねー。

そうでしたか・・・。高校生からは?

高校生の時も大学生の時もバイトばっかりで、写真からは離れていました。写真を撮りたいという気持ちもどこかに消えて・・・消えたのかな?どうせできないと思っていたのかな。写るんですとかで楽しむぐらいですかね。

じゃあカメラはいつの頃から?

結婚のお祝いに、仲良しの友達が集まって、一眼レフをプレゼントしてくれたんです。それまでも彼らと遊びに行くときや旅行に行くときは、私がカメラ担当をすることが多かったので。コンパクトカメラでしたけどね。

一眼レフを手に入れてからは、旅行に行ったり、近所を散歩したりしながら撮ってましたね。

写真を撮ることの何が楽しいの?どの部分が好きなの?

現像でできあがるまでにタイムラグがあるから、写真を撮ったしばらく後に写真を見て、みんなでいろいろ話をするのが好きでしたね。あのとき○○だったね、とか、このあと××があって大変だったよね、とか。そういう時間が好きでしたね。

その時のことを記憶に残しておくっていうのが、桜さんにとっての写真なのかしら。楽しい空気感を写真で再現するのね。そして、今執っているのは親子の写真・・・それはその延長線上なの?

子供たちが大きくなったときに、写真を見返すことで、思い出すっていうことの手がかりになるような写真が撮れたらいいなって思ってます。例えば、反抗期の我が子に手を焼いていたら、3、4歳のころの笑顔の子供の写真を見て「そういえば、こんな風に笑う子だったな。ちょっと今は毎日ぶ~たれているけど」とか、「写真に写るときはいつも同じぬいぐるみを持っていて、このぬいぐるみが大好きだったんだな。」とか、何かを思い出すきっかけになるような写真、撮れればいいなって思う。

では桜さんの写真には、その時の人の思いとか、風景とかではなくて、人の何かと結びついているのかな。飲み会の楽しい空気感とか、親子の笑顔の写真とか・・・。あとからみるとその時の気持ちがよみがえるような写真が撮りたいの?それは風景を撮るのとは違うわよね。

うーん、人を撮る時とか、親子を撮る時はそういう気持ちで撮っているかな。例えば、子供側からすると、2、3歳の頃の記憶ってほとんどないから、そのころの親子の写真を10年後、20年後に見ると、写真には楽しい空気が入っていて、親の愛情とかも垣間見れるかもしれないでしょ?自分は小さい頃、確かに愛されていたと言うことが写真からわかるといいなって思う。

さくらさんも、昔の写真をみるのは好き?

自分の?自分のときの写真はあんまりないからな~。カメラがなかったから、親が撮った写真はないですね。残っている写真は、学校行事で写真屋さんが撮った集合写真とか、遠足の写真とかそういうやつです。赤子の頃の写真はあったと思うけど、親戚とかが撮ったのかな。家族写真はないですね。あるのは団体写真と、誰かが撮った写真にたまたま写っているって言うのはあるけど。子供の頃に親に聞いたら、引っ越しの時にカメラをなくしたとかで・・・妹なんて、赤子の時の写真すらないよ。

3歳ぐらいまでの写真はあるの?見たことある?どんな写真?

私が赤子で母親に抱かれている写真とか、いとこたちと並んで写っている写真とか・・・

そういう写真見てどうですか?

う~ん、寝ているだけだからなあ。でも写真にうつっているもので少し状況が分かるかな。たとえばおひな様のと撮っている写真だと、「おひなさまちゃんと飾ってくれていたんだな。」とか、母親が着ている洋服とか、10年経ってもまだ着ているとか。

その写真から親の愛情も感じる?

う~ん・・・正直そこまでは。

行事じゃない写真もほしかった?

そうですね。行事の写真からは普段の生活の様子は分からないですからね。あったら面白かったと思いますね。

おじいちゃんのカメラは?

おじいちゃんが1,2ヶ月に一度、うちに遊びに来るときにカメラを持ってきていて、いいなって思っていました。確か、マニュアルだったと思うし、ピントも自分で合わせなくてはいけなくて、1枚ぐらい撮らせてもらったかな。でもプリントした写真をみた記憶はないな。

どんなカメラだった?みためとかさわった感じとか?

重かったですね。シャッターを切っときにフィルムを巻くというのが面白かったのは覚えています。

では、さくらさん、そのおじいちゃんのカメラを持って出かけてみましょう。まずはどこに行きたい?何を撮って見たいですか?

・・・空かな。丘の上みたいなところで、山みたいに高くないところで、ちょっと見晴らしの良い高台?に上って、空を撮って見たいです。

分かりました。では、空を撮りに行きましょう。小さい頃の桜さんになって撮りに行きますよ。目の前に階段があります。どんな階段ですか?

コンクリの階段で・・・上に伸びています。まっすぐ。

階段を上りますよ。カメラを首から提げて下さいね。階段を一段上るごとに、桜さんの年齢が下がっていきますよ。そして登り切ると、はじめにカメラに興味を持った幼い頃の桜サンに戻っていますよ。では1段つつゆっくりと上りますよ。では上って下さい。10、9、8、7,6、5、4,3,2,1,・・・あなたは小さい桜ちゃんに戻りましたよ。桜ちゃんはカメラを持っていますね。では桜ちゃんの好きなところに写真を撮りに行きましょう。どこに行きたいですか?

目の前にドアがある。

それを開けますか?押すとあくの?引く?

押すとあきます。

では、3つ数えたら、ドアをあけて撮影に出かけましょう・・・3,2、1・・・

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