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誕生、新しい家族

 私はミー子にもヤー子にも出産を希望してませんでした。子やぎが生まれたらもちろん可愛がりながら共に生きていきます。けれど意図的に交配をして頭数を増やす気はありません。餌もウンコも倍。飼育スペースの確保も必要です。

それ以上の理由は、出産に伴う母ヤギのリスクです。

ヤギの出産に関する話は色々聞きます。足が長いヤギは子どもを踏んで死なせてしまうとか、母ヤギの胎盤が上手く落ちなかった場合母ヤギは助からないから、可愛そうだけど捌く準備を(肉にして食べる)しておいた方が良いとか。

こんなリスクを負わせるくらいなら、子やぎに出会えなくても、ミー子とヤー子と穏やかに暮らしてゆくことが、私の勝手な願い。

とは裏腹に、産気づいたヤー子はウロウロし始めました。カラスやネコは産まれた子やぎを狙うらしいので小屋へ誘導したいのですが、ヤー子はとにかく落ち着きなく歩き回ります。

しばらくして、超ダミ声で、
「ヴェー!ヴェー!」
と鳴き出しました。

そして子やぎの頭が!
ヤー子は鳴き続けます。
最後に足が出て産み落とされました。

「メメー!」
子やぎの第一声。アニメのキャラクターの、どこから声出してるの?みたいな高いトーン。
そしてしばらくしたら自力で立ち上がり、ヤー子のオッパイを飲み始めました。子やぎに関しては一安心。

ですが、ヤー子の胎盤が剥がれるまでは無事な出産完了とは言えません。
ヤー子は胎盤をぶら下げながらも、子やぎの毛についている血液をせわしなく舐めてます。血の匂いを嗅ぎつけられて子やぎが命を狙われるリスクを下げる為でしょうか?

『早く胎盤落ちてよ〜』
と、祈る事30分程。ついにヤー子の胎盤が落ちました。そしてヤー子はその胎盤を自分で食べました。

ヤギ偉い!ウンコは垂れ流しでも胎盤は自己処理するのね。

無事出産を終えました。

と、数時間後のお昼頃、私の母がサプライズで登場。ヤギの出産を目指して愛知からやってきたのだとか。私は何も知らされてなかったけれど、とにかく助け船。子やぎをカラスや猫から守る番人がいてくれるとは、何と心強い。

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