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兵庫県立美術館に行きました

先日、神戸にあるお気に入りの岩盤浴のお店からクーポンが届きました。寒くなってきたし行きたいな。あ、ついでに周辺に美術館とかないかな?そんなふとしたきっかけで、神戸にある兵庫県立美術館に行ってみることに。

簡単に下調べをしたところ、兵庫県立美術館の建築は安藤忠雄さんが手掛けているとのこと。安藤さんの建築は、香川県の直島を訪れたときから大好きで。俄然、楽しみでなりませんでした。

この日の移動中のお供は『CONTACT ART 原田マハの名画鑑賞術』。原田さんが日本の美術館に所蔵されている名作を紹介しながら、そのアプローチや鑑賞法のヒントを授けてくれる一冊です。

最近買ったばかりで、この日初めてページをめくった私。電車内で読み進めていたとき、ふと思いました。「兵庫県立美術館の作品、載ってたりするかな」

さすがにないか、と思いながらペラペラめくっていると「ん!?」と手が止まりました。兵庫県立美術館の所蔵作品がしっかり紹介されていたのです。

なんでも、原田さんにとって神戸は学生時代を過ごした第2の故郷のような存在だそうで、同館の館長とも親交が深いといいます。この本持ってきたの、運命?とさらにワクワク。思いがけず美術館の予習ができました。

個性しかないカエルがお出迎え

王子公園駅から神戸の街並みを歩き、いよいよ美術館に到着。想像していたよりも大きく厳かな雰囲気に、自然と足の進みが「おそるおそる」になりました。笑

李禹煥展は来週。この時はコレクション展のみ

まずは安藤建築を見にいこうとしたものの、正規ルートがわからず。ふにゃふにゃと進むうち、初めにたどり着いたのは屋外の大階段でした。

ぜ、絶景
ヤノベケンジ「Sun Sister」×安藤忠雄

この日は午後出発で、さらに予定より1時間遅れだったのですが、ここに着いた時点で「もっと早い時間から来れば良かった」と激しく後悔しました。しばらく足を止めて見ていたいと思う景色だったのです。

後のスケジュールも考えて、名残惜しいなか進んでいくと「Ando Gallery」の文字が目に入りました。そんなの行くしかないじゃないですか!

中に入ると、これまで安藤さんが手掛けた作品の模型や写真、資料がずらり。

住宅もこんなに手掛けていたとは(住みたい)
直島。また絶対行く
ブルス・ドゥ・コメルス

特に、ヴェネツィアの税関施設「プンタ・デラ・ドガーナ」、2021年にパリにオープンした現代美術館「ブルス・ドゥ・コメルス」は模型でも圧巻。「ほ、本当にこれ、今を生きる日本人の安藤さんが考えたん……?」と、失礼ながら思ってしまうほどの感動がありました。

数々の模型や資料で安藤さんの建築に浸った後、最後は再び外へ。

安藤さんの精神がこもった「青りんご」
円形テラス。無機質さがかっこいい

ここまでたっぷり堪能し、すでに満たされつつありましたが、私にはまだコレクション展という楽しみが残っています。この時点でかなり時間が経っていたので、足早に移動しました。

常設展示では、兵庫県ゆかりの日本人画家の作品が展示されています。中でも小磯良平さんは電車内で読んだ原田マハさんの本で紹介されていたので、楽しみにしながら絵の前へと足を運びました。

小磯さんはフランスに留学して絵を学んだ経験があり、印象派など洋画の影響をかなり受けたそう。そうした洋画の空気をまといながら、和装の女性や日本の風景が描かれている作品には特に、私の中で新しさを感じました。

たまたま本で、小磯さんの留学経験や、戦争画家として徴用された過去を知った上で絵画を鑑賞した私。もしも深く背景を知らなかったら、また違う見方になっただろうな。早くも原田さんの「名画鑑賞術」を体験できたことに嬉しさがありました。

その他、コレクション展は主に現代美術が中心で「こんなの初めて見る」と突き刺されるような作品の数々でした。「Ando Gallery」と小磯良平さんの展示をじっくり鑑賞した結果、残念ながらかなり足早にまわらざるを得なくなってしまったのが残念……

そうこうしているうちに、気づけば外も真っ暗です。「もっと早く来ればよかった」「また絶対来る」と、後悔と決意が入り混じる中で美術館を後にしました。

……その後「今日のシメは岩盤浴やで!」と意気揚々と移動し、カウンターでクーポンハガキを提示しようとしたところ……あれ?ハガキがない……?笑 健気に通常料金を払い、岩盤浴とお風呂を堪能して帰りました。ペーパーレスに慣れてしまうと本当にダメですね。

そんなポンコツエピソードもありましたが、美術館は素晴らしいものでした。絵画はもちろん、神戸の街並みも、建築の魅力も楽しめます。神戸観光の際は、ぜひ訪れてみてほしいです。

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