
ぐさぐさ刺さる文章力アップ本
文章力アップに関する本はたくさん出版されています。特に近頃は書店のおすすめ本コーナーで、そうした趣旨の本が並んでいるのをよく目にするような。
私もこれまでいろいろと読んできたのですが、圧倒的に参考になる!と感じている一冊があります。それがこの『新しい文章力の教室』です。
このジャンルの中では有名で、実際に読んだことがある方、表紙を見たことがある方も多いと思います。
何冊か読んでいると、基本的にはどの本も共通したポイントを「違ったアプローチや表現」で解説しているな、と感じることが多いです。もちろんそうしていろんな角度から「良い文章」のポイントについて考えるのもとても役に立ちますが、この本に関してはもっと具体的な注意点や、実践的なポイントをおさえた内容になっていると感じます。
特に私がついついやってしまいがちな癖や、陥りがちな表現の仕方を指摘してくれるような解説箇所が多くて、読んでいてぐさぐさっ!とくるんです。
例を挙げると、この本の第3章「もっと明快に」の内容。「読者の負担を取り除いてもっと伝わる文章にする」ためのポイントがまとまっています。
ここでは文章の中で入れてしまいがちな「余計な表現」が並べられていて、特に私がぐさっときたのが「エクスキューズ(言い訳)」のところです。
「あくまで個人としての表現ということを強調しておきたいが」「ひょっとしたらお気に召さない方もいるかもしれないが」こうした言い訳の言葉を書いていないでしょうか。
「あ、これ私や…」と読んだ瞬間に思いました。こういう「まあ〜なんですが」みたいな前置き、ついつい入れたくなるんですよね…
言い訳(エクスキューズ)は勇気を持って削りましょう。また断定できないようなあやふやなことは、そもそも言わないほうがいいでしょう。
私の心にぐさっと刺さりました…実はこの引用文の前にも、この「エクスキューズ」がいかに不要なものかという話がなかなか厳しく述べられているんです。おっしゃる通りです…とすごく反省したと共に、自分の意識も変わりました。
この他にも「あ、それやっちゃってます」「それも私です、すみません」みたいなことが何度もあって、その度に筆者の言葉がぐさぐさ刺さりました。実際に大きなメディアを運営している方が執筆した一冊だからこそ、実践的かつ現実的で厳しい内容も詰まっているのだと思います。
文章を書くときのポイントやテクニックはやっぱり奥が深いです。内容やターゲットによって求められるものも変わっていくから。だからこそ、新しい気づきをくれたり、引き出しを豊富にしてくれたりする本と出会うと嬉しくなります。
たくさん付箋を貼り付けるほど発見の多かったこの一冊は、これからも末長く執筆のお供になりそうです。