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【NML】Vol.1_野本謙之さん(カリヤ園芸(有)社長・ジャズベーシスト)

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野本謙之(のもと かねゆき)
植木屋社長・ジャズベーシスト。愛用のベースはイギリスのトーマス・マーチンのもの。好きなベースプレイヤーはロン・カーター、チャーリー・ヘイデン、レイ・ブラウン、レッド・ミッチェル。お気に入りのレコードは、マイルス・デイヴィスの『マイ・ファニー・バレンタイン』。

刈谷市で植木屋「カリヤ園芸(有)」を経営しながら、ジャズベーシストとして精力的にライブ活動を行なっている野本さん。仕事と趣味のバランスや、好きなこととの向き合い方を学ぶインタビューとなりました。

プロを目指していたけど
自信と覚悟が足りなかった

–まずは、野本さん自身について教えてください
野本さん 現在62歳で、岡崎市に住んでいます。仕事は、奥さんの実家を継いで刈谷市の「カリヤ園芸有限会社」の社長をしています。35歳くらいに「1級園芸装飾士」の資格を取して、今ではもう実務試験を採点する検定員側になりました。お店は、具体的にはグリーンのレンタルをはじめ、鉢花や花苗の販売、プリザーブドフラワーの受注などをしています。

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↑ビニールハウスには所狭しと多種多様な植木が。常時50種類以上揃い、県内にある東洋一の問屋から仕入れているため、珍しいものも見つかる。美容室などの経営者も多く来店する

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↑気軽に置ける鉢植えも種類豊富。レンタル・購入は事前に連絡を

–お仕事は音楽と全く関係ないのですね。ジャズベースとの出会いって何だったのですか?
野本さん 大学のサークルですね。高校を卒業してから、東京の大学に通っていて、なんとなく見学しに行った軽音楽部の中でジャズのグループがあって。「今、ベースがいなくて困ってるから入ってよ」って言われて「わかりました~」っていう感じで、わりと軽い気持ちで始めました(笑)。ジャズが有名なサークルでもなかったんですが、サークルの雰囲気を見て面白そうだなぁと思いました。7人の同級生、ベースの上手な先輩もいて、楽しくやってましたね。

–練習はどのくらいしていましたか?
野本さん 毎日6〜7時間はやってました。サークルに入る前まで、中学高校はギターをちょっと触ったりとか、テレビで流れる歌謡曲とかは聴いてましたけど、ジャズは全く知らなかったので、結構勉強の日々でした。最初に練習した曲はジャズのスタンダードナンバー「枯葉」だったかな。サークルとは別で、習いに行ったりもしたし、しっかり練習していました。今でも毎日必ず触りますよ。

–ベース担当になったのは偶然だったけれど、かなり打ち込んでいたのですね
野本さん そうですね。ベースを弾くのがすごく楽しかったし、上手い先輩の演奏を見て刺激を受けていました。大学を卒業して地元に戻ってきてからも、すぐに岡崎市のジャズバーとかでライブ活動をしていました。

–仕事にしたいとは思わなかったのですか?
野本さん
もちろん、思っていましたよ。「プロになりたい」という気持ちを持って練習してましたからね。でも、大学3年生の終わり頃には薄々プロは無理かもって思うようになって。4年生になってからは完全に諦めて、それで全然音楽とは関係のない、地元の信用金庫に就職することにしました。

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