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「作品」をつくりたいのか、「商品」をつくりたいのか。

京都のフリーペーパー『音読』を読みました。

京都の書店兼編集企画グループ・ホホホ座の店主、山下賢二さんと松本伸哉さんの言葉を引用して、考えたことを書きます。

元ガケ書房の山下さんと元コトバヨネットの松本さんが、合併する形でオープンさせたホホホ座。自費出版した『わたしがカフェをはじめた日。』が大ヒットし、完売後は大手出版社の小学館から再刷されました。それから、“企画編集グループ・ホホホ座“として、ちゃんと本を出して売ろうと考えるようになったそう。

(山下さん)(略)だから今、僕らは作品でなく商品を作ってるって感じなんですよ。自分たちの主義主張よりも、第三者に喜んでもらえるものを、いかに自分たちなりの味付けで提供できるかに力を注いでいます。
(松本さん)(略)金銭的にも認知度としても見返りがあるというのは大きいんだなということが、この本でわかりましたね。自分たちだけでいいものができたって言って、わーって酒飲んで終わってもしょうがないじゃないですか。
(山下さん)自費出版する人って、意外と「売る」ことにこだわらない人が多いんですよ。
(松本さん)社会に爪痕を残すには、個々が強くなることが大事だと思うんです。だからお金や生活のことも、ちゃんとシビアに考えていきたいなと思っています。

この記事を読んだ前の日に、ちょうど会社でも似たようなことを話していました。

編集のベテランさんいわく、「会社内で、しかもこういう方向性の雑誌なのに、めちゃめちゃオシャレな感じにデザインするとかは、よくあるんですけど本当に良くないことなんですよ。私たちはあくまで商品を作ってるのであって、デザイナーさんの発表の場ではない。自分の作品作りならプライベートでやれって思う。掲載店の意向を汲み取って、それを分かりやすく効果的に伝えるのが一番大切なことなんですよね」。

これまでのわたしは、商品を作っているという考えが出来ていなかったと思いました。

もちろん、掲載店の意向は聞くし、分かりやすくまとめられるように気をつけてはいたけど、デザインは自分好みに近づけてしまいます。

そのせいで、大失敗したこともあったので、最近は過去のものも参考にして会社の方針にそったデザインに気をつけてはいます。

ただ、やっぱりこういった「ものづくり」の仕事に携わるのも初めて(パン製造のアルバイトを除いて)なので、自分の嗜好やらしさ、センスみたいなものを出そうとしてしまいがちです。

商品を作ってるという意識を持って、売れることのために試行錯誤することが「仕事」なんだと、改めて頭に入れなくてはと思いました。

しかし…、音楽とか絵画とかのように、純粋に作った「作品」がそのまま「商品」となっていくことももちろんあって、それが一番の「理想」であることは、間違いありません。

さて、これから、音楽ライターとしてはどちらを目指していこうか。



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