地方暮らしのメーカーサービスマンがクラウドのインフラエンジニアとして就職するまで
2019年に退職して、新しい職場で働き始めてしばらく経ちましたので、そろそろ私が転職したことの色々をまとめようと思います。
私について
都内でクラウドインフラ専門のエンジニアをやっています。
お客様がサービスを始める為のインフラ構築をクラウド前提で提案したり、構築する感じです。
時にはお客様からの問い合わせサポートなどもやっています。
前職について
前職は日本海側のとある地域で、某PCメーカーのサービスマンをやっていました。
主に機器の設置、点検と修理です。
PCメーカーと言いつつも、各種業界の色々な製品を販売していましたから、サーバーなどの大型コンピュータに加え、レジやATMなど変わった製品も扱っていました。
また、職場で今まで居なかった、「入社前からPCに詳しいタイプのメンバー」だったことで、実験的にですが営業やシステムエンジニアとしての業務もさせてもらいました。
前職を辞めた理由
正直、決定的な理由は無いです。
前職自体は定年まで続けるつもりでいました。
それが変わったのには、沢山の理由が重なった感じです。
・当時金欠気味で、副業ブームに影響された
・自分に合うスキル探しの中で、偶然クラウドインフラを知って虜になる
・短期で習得する為にスクールに通う
・学習前に本業でケガ(腰椎ヘルニア)になる
・クラウドインフラ情報にも興味が出る
・将来像に変化が生じる
中でも決定的だったのが、ヘルニアになったことですね。
残念ながらヘルニアの根治治療は外科手術になるので、手術しない場合は、ずっと爆弾を抱えることになります。
これが肉体労働主体の職業を続ける将来像に疑問を持たせることになりました。
また、スクールでクラウドインフラを学習する中で、これまで興味を持たなかった情報にも目が行くようになり、クラウドインフラの普及率は上がっていて、将来的にデータセンター(サーバを稼働させる専門施設)の閉鎖率が上がるという情報も知ることになりました。
実際、現職の収入で大切な保守契約というのは年々減少しており、その理由は価格の低廉化もありますが、そもそもの機器台数が技術の進歩で減少している、という実情の面もありました。
上記の出来事があり、最終的には「退職する」という判断に至りました。
退職するにあたって
やろうと思えば退職届を出せば辞められる(法律で守られている)のですが、高卒の右も左も分からない私を育ててもらった恩もあるので、そういう強行手段は好まず、できるだけ引き続きを行いました。
長い目、広い視点で考えて、この人たちとまた関わる可能性はあるわけで、不仲になる理由はありませんでした。
ただし、「何かあったら聞こう」という態度の方へは厳しく対応しました。そんなことでは本気で引き継げないですし、誰の為にもなりません。
PCメーカーが事業展開しているクラウドインフラサービスのSEにならないかとも誘われました。正直お誘いはありがたかったですが、既にスクールに通っていたこともあり、この先もPCメーカーに縛られるという必要性は自分には無かったので、お断りして退職しました。
もしこの誘いがスクール受講前だったら、たぶん受けていただろうなと思います。でもこれで分かったのは「やはり物理ハードの導入は大規模インフラから順次消えている」ということでした。
退職してから
まず、クラウドインフラのエンジニアになるという目標を立てました。また、地元にこだわることは自分の将来を狭めると思いましたのでしませんでした。
更に、退職後1ヶ月経ってからでしたが、ハローワークへ行き、認定を受ける手続きをしました。
元々実家暮らしでしたが、退職して生活資金を完全に両親に頼る形となっていましたので、いつまでも負担をしてもらうわけにはいきません。
自己都合退職ですと失業手当の支給は遅いですが、以下の支援が受けられますので、ちゃんと認定は受けたほうが良いです。
(私は失業保険を受け取る前に決まってしまいましたが・・・)
・本当に就活が長引けば支給される
・再就職手当や収入差の手当を貰えるチャンスがある
転職活動について
転職活動はハローワークへの登録は勿論ですが、私が居た地方でクラウドインフラ中心の企業は無かった(※)ので、転職サービスも使いました。
・Green
・Wantedly
ただし、実際に応募をするという決心はなかなか付かず、まずは採用イベントに行ってみることにしました。
※ 後で分かったことですが、地元でもクラウドインフラのパートナー企業はあったので、そこでも良い経験は得られたかもしれません。
採用イベントへ行く
東京の企業の採用イベントへ行きました。
働きやすい企業と感じましたし、会社の雰囲気も良かったです。
後日その企業に応募したのですが、残念ながら書類で不合格になりました。
ただ、曖昧だった「働きたい企業の目標」が「クラウドインフラのパートナーの中でも優秀な企業」にハッキリと決まった感じがします。
Greenで反応が来る
前述の応募に不合格になってからは、個人的に認定資格の勉強を進めていたのですが、ある日Greenで都内の企業から反応が来ました。
その企業は前述の企業とイベント開催日が近かった為、宿泊交通費も考え参加を見送った企業だったのですが、こちらも良いと思っていた企業だったので、思い切って私から応募してみました。
前回の失敗を繰り返さないように、経歴書などはスクールの講師(エンジニア)の人にも色々協力してもらいました。
書類審査〜1次面接
Greenでの応募の後は正式に履歴書や経歴書を送りました。
提出の翌日には面接の日程連絡を受けましたので、スピードのある企業だなと感じたのを覚えています。
面接まではある程度期間がありましたので、「自分がこの会社で働きたいこと」を言語化できるように時間を使いました。
企業情報を見ることは勿論、自分の経験に絡めた、生の言葉が出せるように、これまでの出来事を整理してみたり。
その後は東京まで上京して面接に挑みました。
正直受け答えに精一杯という感じで、手応えはまったく感じませんでした。
ですが帰りの移動途中で合格が出て、最終面接に進めたことに驚きました。
最終面接〜雇用条件提示
最終面接ということで改めて東京へ行きましたが、そこには社長が居て驚きました。社長はこれまで会社の情報を調べると紹介記事によく登場していて知っていましたので、はじめは緊張したのを覚えています。
そこでも色々な質疑応答がありましたが、緊張で少し話すぎてしまったので、これはダメかなーとも思っていました。
約1週間後、選考結果が、雇用条件と共に来ました。
条件付きではありますが、合格でした。
正社員ではなく、年収も半分近くになりますが、私にとって年収は重要ではありませんでした。
クラウドインフラのパートナーでも優秀な企業から来ませんかと聞かれることなんて次はあるのか?
このチャンスは次は無いだろうと思い、当時実家に居た家族には伝えた上で、すぐに承諾しました。
当然ながら即戦力ではなかったと思いますので、意欲を評価してもらていえたことは嬉しかったです。
転職活動を終えて
結果的に2社目で内定を頂いたので、かなり運に恵まれたと思っています。
もしかして1社目が書類不合格だったのも必然かもしれないですね。
あとがき
当時スクールに通っていた頃は「フリーランスになれたら」とかも考えていましたが、自分が成長できる環境が会社員にあるのなら、私は会社員のほうが良いと思います。
今は毎日充実した日々を過ごしています。
あまりレベルの高い案件は関われていないのですが、自分が役立つ面はそれなりにあり、根拠は無いですが「やっていけそう」な感じは持てています。