見出し画像

「ツバキ文具店」感想

鎌倉で小さな文具店を営むかたわら、手紙の代書を請け負う鳩子。今日も風変わりな依頼が舞い込みます。友人への絶縁状、借金のお断り、天国からの手紙…。身近だからこそ伝えられない依頼者の心に寄り添ううち、仲違いしたまま逝ってしまった祖母への想いに気づいていく。大切な人への想い、「ツバキ文具店」があなたに代わってお届けします。
「BOOK」データベースより


絶縁状態にあった先代の祖母が営んでいた代書屋を引き継いだ鳩子。言葉にしたい想いを抱えた人々と向き合ううちに、鳩子は先代への伝えられなかった気持ちに気付いていく。たおやかな文章に、心が洗われたようだった。手紙という形で紡がれるからこそ届き、残る想いがあった。

p.s.過去ツイ転載10冊目
代書屋は依頼主の気持ちを形にするお仕事。ヒヤリングでは語られなかった本音までもを読み取って、「これだ」という言葉に見事に落とし込んでいく様子に引き込ました。

美しい文字や言葉で書き綴るだけでなく、人柄やバックグラウンドなどに合わせて書き方を変えたり、用具を変えたりと。手紙は「伝える」「届ける」ためにあり、表現方法に決まりはないんだなと教えてくれました。

作中に出てくるガラスペンは憧れの筆記具です!

鎌倉を舞台とした物語なんですが、穏やかな空気感と古いものを受け継ぐ習慣に愛おしすら感じます。

この記事が参加している募集

推薦図書

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?