チキータって何?卓球オリンピックをもっと楽しむ!
盛り上がりを見せる卓球オリンピック。水谷選手、伊藤選手が混合ダブルスで金メダルの快挙を達成し、伊藤選手はシングルスでも銅メダルを獲得しました。
テレビを見ているとチキータという言葉がよく登場しますよね。このチキータ、実は卓球の常識を変えたすごい技術なんです。
小学生から大学まで約13年間卓球を続け、全国大会出場経験もある私とびおが、チキータについて解説します!
チキータとは?
チキータとは、「相手から送られてきた短いボールを、横回転をかけて返す技術」です(横上回転をかける場合もあります)。
と言われても意味が分からないと思うので、こちらの動画をご覧ください。
1分30秒あたりからチキータが登場します。
ラケットの先端が自分の体に向くくらい手首を曲げて準備し、ボールをこすり上げるように打球するのが特徴です。ボールの横をこすっているので、相手選手の手元でぐいっと曲がります。
実はこの動画のおじさんがチキータを作った人、ピーター・コルベル選手です。1990年の大会で初めて披露したと言われています。
チキータバナナのように鋭く曲がるため、チキータと命名されました。コルベル選手が名付けたそうです。
チキータは短いボールに対する技術なので、相手の短いサーブをレシーブするときによく使います。
卓球を変えたチキータ
チキータの登場により、卓球は大きく変わりました。その中でも最も大きな変化が、「レシーブ(相手のサーブを返球すること)から攻めることができるようになった」点です。(※あくまで個人の見解です)
卓球はサーブ2本交代で試合が進みます。チキータが登場する以前は、サーブを持ったターンが圧倒的有利でした。
サーブは好きなように回転を掛けて、好きな場所に出せるからです。強力な回転がかかったサーブは、一球目攻撃と言われることもあります。
レシーバーは、なんとか相手に攻撃されないように返すのですが、どうしても防御に回ってしまうんですね。
しかしチキータの登場によって、レシーブから強力な攻撃ができるようになりました。
以下の動画は、大学のトップクラスの選手のチキータ集です。レシーブエースをバンバン決めています。
サーバーは、チキータをされないようにサーブのコースや長さを考えたり、相手のチキータを予測してラリーを組み立てたりする必要が出てきました。
チキータは卓球の戦術を大きく変えてしまったのです。
逆チキータとは?
最後に逆チキータを紹介します。加藤美優選手が使い始めた技術です(記憶が正しければ、、)。オリンピックでは伊藤美誠選手も多用していますよね。
チキータとは逆の回転をかけるから、逆チキータと呼ばれています。
ボールに時計回りの回転をかけるのがチキータ、反時計回りの回転をかけるのが逆チキータです。
突然逆チキータをレシーブで使われると、サーバーは対応が難しくなります。使う選手が少ない非常にトリッキーな技術です。
まとめ
最後にチキータのポイントをまとめておきましょう。
・チキータとは、短いボールに対して横回転を掛けて返す技術
・チキータは相手の短いサービスに対して使うことが多い
・チキータの登場によりレシーブから攻めることができるようになった
・逆チキータはチキータの反対回転をかける技術
チキータは非常に強力な技術ですが、多用すれば良い訳でもありません。強く攻めようとするとある程度のリスクは生じますし、使いすぎると相手に予測されてカウンターを受ける場合もあります。
相手のプレースタイルや自分の組み立てた戦術に合わせて、上手に使うことが大切です。
なんて偉そうなことを言ってますが、僕は全然上手に使えませんでした(笑)
「チェスをしながら100mを走る競技」とも言われる卓球。解説もしっかり聞いて、トップ選手の高度な駆け引きも楽しんでもらえたら嬉しいです。
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