市議会レポ 都市建設委員会 2024.12.11 流山市運動公園を管理する事業者の選定議案
2024.11.11 議会の都市建設委員会にて、流山市運動公園を管理する事業者選定の議案が上程されましたので、共有いたします。
市は「ParkPFI」という制度を活用し、運動公園を管理できる民間事業者の選定を進めてきましたが、いよいよ候補となる事業体が議会に提案される段階となりました。
ParkPFIとは
簡単に言うと、公園にカフェやお店を作って運営する民間の会社を募集し、その収益の一部を使って、公園の道や広場などを整備する仕組みです。この仕組みで公園をより魅力的にすることが期待されています。
しかし、公園は公の施設であることから、選定事業者が儲けることだけを重視するような事業だとバランスを欠きます。よって公共性との上手なバランスをとる選定のルールを決めています。
しかしながらこの手続きは複雑です。民間企業は収益を上げなければ、よりよい経営はできません。よって、間に行政が上手に入り、公共性とのバランスを保ちながら、より良いものを一緒に作っていく必要があります。行政職員はそのスキルが求められます。
担当課のチャレンジは評価するも、結局一社プレゼンに
この活用に担当課が挑戦されたことは評価していましたが、最終的な選定プロセスで残った事業者が一社のみで、残念でした。
私には執行部ではないため「残念」という言葉を簡単に言えますが、民間事業者からすれば、一部の議員(市民)からの「公平公正中立」という指摘は暴論に近い視点もあり、そのことが、複雑なプロセスをさらに複雑にします。よって、私としてはその逆側を主張する立場で、市にあえて厳しい視点からの質疑や討論を行いました。
力のある民間事業者とタッグを組む(または選ばれる)ためには、あるいは、民間事業者の力を引き出すには、職員の人材育成投資(戦略性と経験)が大切です。これからも継続して訴えていきます。
委員会での質疑、討論
質疑
Q1.
P-PFIの総括について、サウンディングをやりながら、結局1社のみ審査となった件で、事業性を見極めながら力のある民間とのタッグを組む機会としてを見据えた時の課題。
A1.
・サウンディング型市場調査では、課題解決やニーズの実現など、市の行いたいことを提示し、事業者の意見を聞いた。
・サウンディング型市場調査では、H30年の実施では8社と、令和4年の実施では8社と対話を行った。
・事業者には、事業の実現性や想定される事業規模、事業化のタイミングなどについて確認を行った。
・想いをもって事業に取り組める、また、リーダーシップをとれる事業者は限られていたのが実際の結果であった。
・社会情勢が変化してきており、民間企業による行政の仕事への参画の仕方も変わりつつある中、民間企業の事業スピードとの調整や、営利活動だけではなく、公共の仕事としてご理解をいただくこと等、事業者と協議していく中でどこに着地点を求めるかを見極めることが課題だと感じている。
・一方、サウンディング型市場調査後も、興味を持っていただいた事業者とは話し合いを継続することができ、事業に対する想いや意見の把握、事業の方向性などを見極めることができたと感じている。
(再質)最初のサウンディング型市場調査は平成30年、今から6年も前。コロナもあって大変だったと思うが、社会情勢は大分変ってきてしまった。行政のスピードある対応は必要。
Q2.
・社会も変化した現在は、力がある民間事業者にとって行政の仕事にメリットが少ないと指摘される場合もある。選定事業者に対し、地域のニーズに応えながら、流山らしい魅力的な事業展開をしていただくために、どのようにパートナーシップを組んでいくことが必要と考えるか。
A2.
・公園全体が指定管理になったからと言って、管理運営を任せきりにするのではなく、市もしっかりと地域のニーズをくみ取り、方向性や具体的なやりたいことを示し、市と指定管理者がより密に連携していくことが大切であると考える。
・また、本事業者提案の特徴でもある、公園管理運営への市民団体の協力や、市民団体による公園の活用に関し、指定管理者と市がしっかりと連携を図ることが必要であると考える。
(指摘)前提が違いすぎる行政と民間が連携する場合、役割や時期を具体的な数字で落とし込みながらでないと難しい。連携というなら、具体的な数値を作って実施すべき
討論
流政会を代表して議案89号 指定管理者の指定について(流山市総合運動公園)について、賛成の立場で討論いたします。
パークPFIは、都市公園において飲食店などの収益施設の設置・管理を行う民間事業者を、公募により選定する手続きであり、事業収益の一部を還元し、園路、広場など公共部分の施設の整備を一体的に行うことで、民間事業者の力で魅力ある公園をつくることを期待するものです。
みどりの課としては、サウンディング型市場調査を行い、よりよい公園づくりを目指すことにチャレンジされた、大きな一歩を踏んだ、この点については大いに評価するものです。
しかし市の答弁、総括にもございましたが、機動性が求められる民間事業者に、行政側の事業進捗の遅さや、公共の仕事とのバランス・着地点が課題となるとのことで、結果的に地元雇用以外、提案に、流山らしさ・特質性などが、現時点であまり見られないことは残念です。
民間事業者の独自の強みを生かすには、ある程度、行政側が、まちづくりにおける課題、流山市としてのチャレンジの方向性・戦略性を整理した上で、それを実現できる民間事業者に情報提供できる機動性も重要ですから、ぜひ今後の人材育成に生かしていただきたい。
今回、選定された指定管理者は、運動公園に設置してあるキッコーマンアリーナの運営実績もある事業者も入っており、流山市らしさや、市民から上がってくる声についても敏感なはずです。
流山市としても、エリアビジョンを踏まえた上での課題・方向性を整理し、具体的数値KPIを提示しながら、本質的なパートナーシップが組めるよう要望し、賛成といたします。